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15 この謎が……解けた?
しおりを挟む答えを考えるーーーと、意気込んだは良いものの、何の答えも導き出せないまま、七緒は、文化祭当日を迎えていた。
文化祭の準備に加えて、一応、受験生ということもあって、塾の課題で手一杯になり、夜は疲れて寝てしまう……という毎日。
相変わらず、毎朝、本郷には会う。でも、七緒は本人に直接聞くことはしないと決めていた。ただ、カバンにはいつも、あのノートを忍ばせている。
本郷のほうも、あの日の教室の出来事について、言及してくることはなかった。
何かーーーほんの小さなキッカケで、すべての謎が一気に紐解ける、そんな予感がしていた。
「いよいよだな。」
文化祭当日の朝、本郷は、少し緊張したような面持ちで言った。
七緒は、ノートの入ったリュックの紐を、気合を入れるようにキュッと握り、
「うん。」
昨日は、合宿コンクール。そして、2日目の今日、展示や有志の企画がある。
といっても、スタンプラリーの準備は終わっているし、文化祭委員の当日の仕事は、受付や誘導くらいだ。生徒の当番のシフトは担当の夏川先生が組んでいる。
七緒も委員の仕事がある時間を除けば、自由に見て回ることができる。
「どこ見るか、決めてる?」
「一花が演劇部の公演見たいっていうから、それは行くつもり。あとは、手芸部に友達がいるから、そこには。」
「そっか……」
「本郷は?」
「俺は………」
少し考えるような素振りをしてから、
「友だちが体育館でバンド演奏するから、それは見るけど、結局スタンプラリーが気になっちゃう……かな?」
「確かに。」
七緒が笑って同意すると、本郷も少しだけ緊張を纏った顔で、笑った。
◇ ◇ ◇
文化祭は大きなトラブルなく過ぎていく。
七緒が、手の空いた時間に、視聴覚室の扉の横に掲示されたスタンプラリーの問題を眺めていると、部屋の中から堺屋湊が出てきた。
「お疲れ。」
「あぁ、水無も。」
目が合って、自然に互いを労う。
「どこか、回った?」
「うん。私は、手芸部。」
七緒は、腕を軽く上げてみせた。クラフト紐を編み込んで作ったブレスレットが揺れる。
「どう? 上手くできてるでしょ?」
「水無が作ったの?」
堺屋は少し顔を近づけて見ると、
「へぇ。意外と器用なんだね。」
「そんなに難しくないよ。堺屋は? 広報部のヤツ見ていたの?」
堺屋が出てきた視聴覚室は、広報部が映像展示を行っている。
今年は、普段、生徒が行かない校内のスポットを紹介したVTRだという。あまり行く機会のない裏庭や、教師しか入れない準備室、また、特別に、普段は施錠されている屋上にも入れてもらったらしい。
「評判、良いみたいだね。面白かった?」
噂では、校長がノリノリで校長室を案内していて、それが好評なのだとか。
「見てたっていうか、俺、広報部だし。」
「あっ、そうだっけ? じゃあ、今年の映像展示って……」
「俺が書いた台本。ホントは、校内の7不思議を検証する企画で出したんだけど、そっちはボツされて、マイルドになった。」
「七不思議……」
「いいでしょ? 都市伝説的な。」
堺屋は、大真面目な顔で淡々と言うと、視聴覚室のドアの横に貼り出されたスタンプラリーの問題を指した。
「それよか、水無こそ。結構、評判らしいじゃん、文化祭実行委員のやつ。」
視聴覚室の扉の横には、1年生の男の子が描いた5つの絵が並んだ問題が貼ってある。
左から、『かぐや姫』、『ヘンゼルとグレーテル』、『一休さん』、『うらしま太郎』『長靴を履いた猫』だ。
絵をヒントに、タイトルの指定した位置の文字を抜き出し、繋げて読むと、答えは「家庭科室」になる。家庭科室に行くと次の問題がある、ということだ。
「さっきも立ち止まって解いてる人、いたよ。」
「ホント? よかったぁ。」
「この問題、考えたの水無でしょ?」
「分かるの?」
堺屋は、「すぐ、わかったよ。」と肩をすくめた。
「こういうのって、本人の趣味と嗜好とか……キャラが出るじゃん。」
「そっか……そうかな?」
確かに、本郷も「水無らしい。」と言っていた。
「自分と、全然関係ないことをゼロから生み出せるほどセンスのある人間って、そうはいないよ。」
堺屋が、いつも通りの静かな口調で言った。
「普通、人が何かを作ろうとすれば、自分の経験したことや考えていることが、多かれ少なかれ反映される。何かを作るって、そういうやって、自分の中のものを絞り出していくことなんだと思うんだよね。」
堺屋湊とは1年生のときにも同じクラスだったけど、こんなことを語る彼を、七緒は初めてみた。
「堺屋は、いつもそんなことを考えているの?」
堺屋が、すっと視聴覚室を指す。
「一応、俺もクリエイターの端くれのつもり。」
「なるほど。」
堺屋の言葉に心地よい重さを感じるのは、その言葉が実感を伴っているからなんだな、と思う。
七緒は堺屋の言葉を反芻した。
「人が作るものなら、その人の考えていることや趣向が反映される?」
「まぁ、だいたいにおいては。」
「それなら、その人が作った謎が解けないときは………」
「知っている人が作った問題なら、その人のことをよく考えてみればいいんじゃない?」
「その人のことを、よく考える……?」
「言動とか、好きなこととか……まぁ、テレビのクイズ番組の問題とかだったら無理だけど、リアルで知っている人なら、そうやって推理するのもアリじゃない?」
「推理するの?」
「推理漫画とかでも、よくあるじゃん。『この人が、そんなことをするのは不自然だー』みたいなこと。だから、その人の言動を振り返れば、ヒントはあるんじゃない?」
その人の言動にヒントがある?
じゃあ、あの謎を本郷が作ったとして、本郷のことを考えれば、ヒントがあるということか。
勿論、6歳の本郷と15歳の本郷は全然違う。それでも、「謎を解いてほしい」といった本郷。どこかにヒントは、ないだろうか。
七緒は、これまでの本郷のことを思い出してみる。
中学1年のときに図書室で出会い、中学2年で同じ図書委員になった。他愛も無い会話をたくさんしたけど、決定的な一言で関係に亀裂が入った。
中学3年で同じクラスになったら、何食わぬ顔で話しかけてきたどころが、だまし討ちで文化祭委員に巻き込まれた。
最初は責任感から仕方がなくやっていたけれど、本郷がこのスタンプラリーを提案して、一緒に問題を考えて……将来の夢について語ってくれた。
2年生のときとは違う。
この半年ちょっとの間で、本郷圭太という人間のことを深く知った。
七夕のこと、学校の図書室でのこと、市立図書館のこと。毎朝のこと、そして………
あの日の茜色に染まった教室でのこと。
本郷のことを考えれば、考えるほど、こんなにもたくさんのことが浮かんでくる。
ーーー水無らしくて、良い。
本郷の言葉が、ひどく嬉しかった。
ほんの何気ない褒め言葉が、七緒自身の最も好きなこと、得意なことを知って、認めてくれている。そのことが、とても温かい気持ちさせる。
あぁ、そうか。
私は、本郷が好きだったんだ。
いつの間にか、とても、好きだった。
パッと顔をあげると、堺屋と目があった。
「体育祭のときに、水無に、あるなしクイズの話ししたこと、覚えてる?」
「う……うん。」
「あのとき、他のやつが、ヒント頂戴って言ったら、本郷のやつ、すぐに、あのヒント出したんだよね。」
ーーー水無は、アリかナシで言ったら、アリだな。
「で、俺、そのときに思ったんだよ。あ、これ、多分、問題みてヒントを考えたんじゃなくて、先に水無のこと考えて、問題作ったんじゃないかなって。」
水無七緒という名前を見て、考えて、それで作った問題。
「本郷、結構、水無にサインだしてると思うけどなー。」
体育祭………。
堺屋の言葉で、思い出した。
ーーーそれ、本郷が決めたんだぜ。
体育祭の応援旗。それに書いてあった文言。
『掴め、勝ち星』
そして、一花が言ったんだ。
ーーー勝ち星って、相撲の言葉でしょ?勝った方に白い丸つけるやつ。
織姫に彦星。「君の勝ち」の答え。勝ち星をあげたら、白い○をつける。
そして、問題文の記号。
「あっ!」
突然、声をあげた七緒に、それまで、黙って見守っていた堺屋が驚いて、
「どうした?」
「ごめん。ちょっと急用。教室に…戻らなきゃ。」
じゃあね、と手を上げるのと、踵を返して走り出すのは同時だった。
小走りにかけていく七緒の背中に向かって、堺屋が呟いた「役に立てたようなら、何より。」という言葉は、七緒の耳には届かなかった。
◇ ◇ ◇
七緒は誰もいない教室で、あのノートを開いていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまできたら、きみの かち。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
体育祭での一花と堺屋の会話。
『勝ち』はーーー白星。白い丸。
そして、最終問題以外の、すべての問題文の上にある記号。
「勝ち星は白丸だとすると、その下の文字を集めて……」
ううん。
それだと、意味が通らない。
それに、あのとき、体育祭の看板に書いてあったのは、丸じゃなくて『白い星』だった。堺屋は「普通、白星から白い丸は浮かばない。」と言った。それに、織姫に彦星と、あからさまに『星』に関係するワードであることも強調している。
それなら、すべての答えはーーー
七緒は、シャープペンシルを取り出して、余白に走らせる。
答えは白い丸ではなく、文字通りの『白星』。
七緒は問題文の白い星を抜き出して書いた。そして、
「もしかして………」
織姫=君=こちらが勝ちで、ひこぼし=僕は負け―――つまり、答えが白星なら、負けた『ぼく』の正体は、黒星。
それなら、黒い星を集めれば……
「これ……」
そこには、9年越しに解けた謎の答えが、あった。
この謎が解けたら……
解けた………なら、
「解け……た?」
その瞬間、一花が教室に飛び込んできた。
「ナナちゃんっ!!」
一花は、走ってきたらしく、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返している。
「一花?! どうしたの?」
「聞いた? 本郷のこと。」
「本郷のことって?」
一花が鬼気迫る顔で、つかつかと近づいてくる。
「本郷、アメリカ行くって。今さっき、廊下で、先生と話しているの聞いて……」
「えっ?!アメリカ!? いっ……いつ?」
「分かんないけど…親の都合、とか、今月末には……とか、そんなこと聞こえて……って、ナナちゃんっ??」
七緒は、教室を飛び出した。
この時間、本郷は、校舎の出入り口でスタンプラリーの受付がちょうど終わる頃。
行ってしまう。
せっかく、謎が解けたのに。
本郷がアメリカに行くって決めてしまう。
せめて、この謎が解けたことを、伝えたい。
早く……早く伝えたい!!
七緒は、3階の教室から、小走りで階段を駆け下りた。
2階を通り過ぎて、踊り場に差し掛かったときだった。
「あっ!」
下から登ってきた誰かと肩がぶつかり、手に持っていたノートが飛んだ。
「ごめんなさい。」
転びかけたところを、かろうじて踏みとどまった七緒の代わりに、その子がノートを拾った。
女の子の髪は、見覚えのある濃い茶色。
「大丈夫?」
ノートを手に顔を上げた彼女が、七緒と目があった瞬間、
「なぁんだ。水無さんだったの。」
城崎杏奈が、前に会ったときにより、ぶっきらぼうに言った。
「このノート、水無さんの?」
拾いあげたノートを閉じようとした杏奈の手が、ピタリと止まった。
弾みで開いたノート。視線は、その上で止まっている。
「何………コレ?」
そこは、七緒が謎の答えを書いたページ。
「返して。」
七緒が手を伸ばすと、それを躱すようにスッと手を引く。
「ねぇ、何これ? ケイタ……って、どういうこと?」
杏奈は、手をのばす七緒をひらひらと避けながら、他のページも捲る。
杏奈は七緒より背が高い。手を思いっきり伸ばされると、届かない。
杏奈は、踊り場の壁際まで追い詰められながらも、七緒のノートを離そうとはしなかった。
「返して、それ、とても大事なものなの。」
勢いよく突き出した手が、杏奈の腕を弾いた。
「あっ!!」
その瞬間、手からノートが滑り踊り場の窓の外へーーー
七緒の身体が動いた。
普段なら、踊り場の窓なんて、登れる高さじゃなかった。
でも、今日はたまたま文化祭だったから………
どこかの展示室のための段ボール制の立て看板が、倒れないように椅子に括り付けて置いてある。
七緒は、その椅子に飛び乗って、窓の外に飛んでいったノートをキャッチしようと手を伸ばした。
そして、ノートが七緒の指先に納まる……と、同時に、七緒の身体がぐらりと下に傾いた。
七緒は、窓の外へと飛び出していた。
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