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05.公私の区別

 ❦・06-34・❦ 

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 かくかく膝が震え、腰が勝手に動いてしまう。おもちゃ責めよりも強制感がないだけに、ウェインの舌使いと手つきそのものを感じてしまう。

「ちょ、やぁだぁっ!」

 ウェインの舌は後孔まで丁寧に這い回り、指がひくひくするそこをくすぐる。何度か後孔を狙われて指の先を迎えてしまったことはあるが、会社では頼むからしないでほしい。

「慣らしていかないとね。ここでも感じるって脳が覚えなきゃ。ちいの全部を愛したいんだよ」

 言葉で丸め込まれているのが否めない。だって、そんなところで感じるのはへんだ。
 ──と、急に膣トレ器具のシリコン製の紐を引っ張られた。

「アッッ♡♡」

 腰をぎゅうっと下げて、達してしまった。

「このまま引っ張っちゃおうかな。ふふっ。明るいところでこんなモノを産んじゃうのが丸見えだね」

(言い方っっ! あっ、あっ、うご、いてるっ、や……ぁ♡)

 でも、小さな蜜口の途中で抜くのをやめられてしまった。

「はい、ちい。お腹に力を入れようね。いきむってわかる? ねぇ、それがわかったら、アナルビーズを産む感覚も会得できるんじゃないかな?」

(あんな禍々しいもの産まないよっ! でも、入り口が、へん。むずむずする)

「お尻の淫紋触って応援してあげるね」

「ひぅっ♡」

 刻まれた小さなそれは、クリトリスのようなもので、外側から子宮と膣に強烈な快感をよこす。

「あ、ぁ、あぁっっ♡ あ────ッ♡♡」

 ぬぽぉっ。とろぉ……。初心者向けの膣トレ器具が抜け落ちて、コツ、と絨毯に落ちた。
 残った理性が羞恥心を煽る。大好きな人の前で、秘密にしていたモノを出してしまった。とんだ痴態だ。
 恥ずかしすぎて、違う涙が溢れる。

(ウェインの……、ばかぁっ)

「ド……エッロ……」

 ふーふーっ、荒く息を繰り返す千綾は、半分泣いていた。恥ずかしくて。
 ウェインはジャケットとベストを脱いだようで、衣擦れが聞こえる。
 振り向けない。お尻を突き出したままだけど、恥ずかしさが強くてウェインの顔が見られない。
 それでもなお、彼を欲している顔を見られたくない。
 あんな小さな器具では得られない、質量と熱を埋めて欲しい。ウェインにも気持ちよくなってもらって、食事をしてもらいたい。

「ちい」

「や……ぁっ、ぁ♡」

 抱き起こされた千綾にウェインがキスをして舌をねじ込む。彼は、かなり興奮しているようで、彼の動きには千綾への配慮がない。
 が、そんな強引なウェインも好きだから受け入れてしまう。
 そのままウェインがソファに座る。と、千綾の手をガチガチにいきり立った男性器へ導いた。

「ねぇ。先走り汁すごいんだよ。こんなにガッチガチだし。ちいのほうが淫魔みたいだよね」

 ぬるつく熱い亀頭からたらたらと男の蜜が滴っている。千綾はそれを指の腹で丹念にまぁるい先に塗りたくる。

「あんまりされたら、射精ちゃうかも。一週間以上もしてなかったし、初の仲直りセックスだし」

「初めて、なの?」

「千綾以外の人間に感情なんか向けたことないよ」

 彼はサスペンダーをしていたから、簡単にスラックスをくつろがせれたのだと、少し離れて思った。
 誂えたシャツの胸板がピシッと張るサスペンダー。萌え得だ。眼福だ。

 千綾はウェインの膝から下りると、床に膝をついて、彼の膝のあいだに入る。
 いつ見てもどデカい巨根。バキバキに走る血管。付け根まで太い肉茎。そして、雄の匂いに吸い寄せられるように、鈴口にくちづけ、ちゅるっと男の蜜を吸い、舐める。
 元々、手淫も口淫も苦手で下手だったが、ウェインが教えてくれたのと、ウェインの身体への愛しさで、男性器や男性の性感帯への愛撫が好きになった。
 人間にとってセックスは性欲の発散ではなく、愛の確認だと実感する。

 ちゅっちゅ、ちゅぷ。ちゅぱ。キスを繰り返し、亀頭だけでなくくっきりとした段差や稲妻のように走る血管の浮く肉茎をキスをして、はしたなく舌を大きく出し、愛撫する。舐めきらないところは手を使う。
 ウェインから心地よさそうな息が聞こえた頃に、亀頭を舌で押しながられろれろ舐めて、唇を窄ませてから、口内に迎え入れる。
 そう、ネットで仕入れたのは膣トレ器具だけではない。男性器の愛しかたも仕入れた。
 これまでは頭を上下に動かしながら、敏感な亀頭を口蓋に不意に当てていた。でも、もっとすごい技がある。

「……あっ、ちい……っ、こら」

 ちらり、上目遣いで見やると、ウェインが目元をすっかり赤くさせて、秀眉を艶めかしく寄せていた。
 千綾は気をよくして、ぢゅるるるっと、雄肉を吸いながら頭を上下させて、男を悦ばせる。吸う力も強くなりすぎないように気をつけて、強弱緩急をつける。

「……ん、ちい……ッ」

 切羽詰まった声。ウェインは口内射精をほとんどさせない。代わりにお掃除フェラはさせるが。とくに、日数があいだときは、膣内射精を好む。
 たぶん、主導権を取りたいのだ。淫魔としての本能だろうか? それとも、食事に関係しているのか。
 ウェインの荒い息。千綾に負担をかけまいと腰の動きを最小限にしているのも、愛しい。
 肉茎は唾液で滑りがよく、手淫の動きも滑らかになった。ぬっちゅぬちゅ、扱くたびにいやらしい音がする。
 五感で感じてほしい。恋しさと愛しさを。
 ウェインの腹筋がぎゅっと収縮する。

「ちいっ、射精る、からッ」

 離れろと言いたいのだろう。だが、千綾は離れなかった。
 口内で暴れ、噴出する熱い男の体液を喉で受け取り、すべてを飲み込もうとしたが、淫魔の大量の精液を飲み干せずに、唇の端からたらたらと零してしまう。口内に広がるウェインの雄の味を、こくこくと飲み込み、口の周りの白濁を舌で舐め、手で受け止めた液体をも夢中になって舐め、体内に取り込む。
 ウェインは、息を荒くしたまま、少しバツが悪そうにしていた。
 男淫魔が口淫でイかされるのは、恥ずかしいのだろうか? それなら、おあいこだ。

「千綾。お仕置してあげる」

「え? なんで? 気持ちよかったんでしょ?」

「特濃精液はちいの膣奥にぶっかけたかったんだよ」

「恥ずかしかったんじゃない?」

 それには、ウェインがウッと詰まった。どうやら図星らしい。

「気持ち、よくなかった? 勉強したんだけどな?」

 アサラーだが、あざとく言ってみる。半裸状態であざとくもなにもない気がするが、それで彼を立てられるなら構わない。

「それは、嬉しい、よ。でもね、特濃精液って、超強い媚薬になんだよ。即効性あるし、感度は何倍にもなるんだ。粘膜摂取のほうが効率的なんだけど……。お口で受け取ったってことは、えっちな言葉も抵抗なく言っちゃうかもだよ?」

「え? えぇ?」

「みんながまだ働いているオフィスで、ちいはえっちな言葉を言っちゃうんだ。どすけべだね。ちなみに経口摂取でも即効性あるし、ほら、反応……ない?」

 つんっと肩をつつかれただけで、ゾクンッと、感じてしまい、淫紋とその下に淫らな熱がどくどくと溜まる。
 とぷとぷと愛蜜が滴り、床を濡らしていく。それだけじゃない。触られてもいない乳房や乳頭が、むず痒くて身悶えする。



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