『”変態男”を退治したいんごぉぉぉ～～ッッ‼』

『”変態男”を退治したいんごぉぉぉ～～ッッ‼』

「学校に不法侵入するなと、何度言ったら分かるんだオマエは！」
　そう、私が、憤いきどおって告つげる！


　その私に対して！
「フン…。またオマエか……。相変わらず…懲こりない様ようだな…？」
　と、男が……面倒臭めんどうくさそうに…こちらをニラみ、


「オマエこそ何度言ったら分かる？　オマエと…オレとでは……想う心の強さ……その尊とうとい心の強さが…まるで違うという事がッ‼」
　そう言ってコイツは、また、その腰に巻いているポーチからスマホを取り出し、目の前に私が居いるというのに、堂々とグラウンドでスポーツをする体操着の女生徒たちに対して、そのショッターを切り始めたッ‼




　まただ…。
　またコイツは…私の前で堂々と…性犯罪を犯すッ‼

　この…この私の…目の前で…ッ‼



　私の名は…尾曾埼花子おそざきはなこ…。
　学校教諭で、学校の生徒たちがやる風紀委員を教職員版にし、権威と取り締まる範囲を広げた、風紀指導教諭という立場に居いる…。




　そして…いま…まさに……。
　私の取り締まるべき対象であり……最悪の宿敵……。
　この変態盗撮男……。
　露理魂乃助ろりこんのすけとの…。
　幾度目いくどめかの邂逅かいこうの時を迎むかえていた…。




　切っ掛けは、１年前、我が校のPTA総会での保護者たちの何気ない提案からだった…。


　我が童女小学校わらべめしょうがっこうを含ふくめた、この近辺の小学校では、近年、学校体育では体操服のパンツを、動きやすく夏冬兼用できるハーフパンツにしていた。



　生徒たちからの評判は良よかったのだが。
　使用される様ようになってから数年の時が経たつに連れ保護者たちから…、

『やっぱり私たちが履はいてたブルマの方がカワイイわ。』
　とか、

『娘むすめたちにも、あのカワイかったブルマを履はかせてあげて喜ばせて上げたい。』
　という、何気ない提案が多く寄せられ、その年の夏から女生徒たちの体操時のズボンはブルマとなった…。


　私も最初は大いに喜んだ。
　私が小学生の時でブルマを履はいて体育をしている時、
　片思いの憧あこがれのカッコイイ男の子から、
『ブルマを履はくと、もっとカワイくなるね。』
　と、褒ほめられた過去があったからだ…。


　あの時は、耳まで真っ赤になりそうな程ほど…嬉しかった…。
　だから、その喜びを我が校の子たちにも与えてやりたかった…。
　だから、私も、最初は、もろ手を挙げて賛成した…。

　この男が来るまで…ッ‼

　
　それまでも、我が校に、変態的な性犯罪者は、幾名いくめいか現れた事はあった。
　生徒たちの下着や水着などを盗んだり、教職員の下着や水着などを盗んだり、生徒や職員に、ストーカー行為をするモノも幾人いくにんかは居いた。

　しかし、それらは、その度たびに私に撃退されてきた。

　
　私、花子は、幼い頃から空手を嗜たしなんできていた。
　そのお陰で、私が我が校の子たちの様ように幼かった頃から、
　私や友人を標的にする変態的なモノ…、
　学校内でセクハラをしてくる変態生徒や、
　街中で盗撮や下着泥棒などをしてくる変質者たちを、
　いつも、コテンパンにのして退治して来たのだ…。


　そして、そうする度たびに、
　お母さんたちは私を大いに褒ほめ、
　友人たちは、私に大いに感謝してくれた。


　だから、私は更さらに空手の腕に磨きをかけて行き、
　その過程で磨いた力で、これまでよりもっと、
　もっと、弱い人たちを守って上げたいと思う様ようになった…。


　だから学校の教諭に。
　学生という力なき者。
　その中でも更さらに力のない小学生を守る教諭…。
　小学生教諭となった…。

　そして、教諭となってから校長に出願しゅつがんし、
　風紀指導教諭となり、幾多いくたの変態たちを退治して来た。

　だけど…ッ‼




「フフフ……素晴らしいアングルだ…！　やはり…ブルマを履はいていると…少女たちは映はえる…ッ‼」
　パシャパシャとスマホでコイツが撮影して行く！

　被写体ひしゃたいとなっている生徒たちは１年生の女子たちで自分たちが辱はずかしめられている事すら理解できていない！



　なんという卑劣！
　なんという極悪‼




　私は踏み出した！
　相手との距離を詰め、右、左と、突きを出す！

　しかし…ッ‼
「ほう…力ずくでオレを止めようというのか…だが…ッ！」
　それらの突きはスルリと抜けられ、この男は、尚なおも涼しい顔で女児たちに向けてスマホのシャッターを切る！




「貴様ッ‼」
　左肘を放ち、右の更さらなる突きを出し、そのまま右で回し蹴りを入れる！

　だが、それらを、スルリ、スルリと、こいつは余裕で躱かわして行くッ‼
　そして、また悠々とシャッターを切って行くッ‼



　まただ…‼
　また…私は…コイツに良いい様ように…振り回されてる…‼


　半年ほど前から…コイツは現れ…。
　私は風紀指導教諭として…コイツを指導しようとした。

　だが…コイツは強かった…。
　ただの変態の性犯罪者とは思えない強さ…。


　そして…その強さが逆に私に使命感を与え…。
　明らかな性犯罪者のコイツを…。
　警察に通報するでもなく…。
　私の手で…倒す事を誓い…。

　今日も……コイツと…ッ‼




「変な目で、うちの生徒たちを見ないでッ‼」
　たまらず私が叫ぶが！

「変な目で女の子を見るなだと…？　…勘違いするな…！　オレはブルマを見ているんだ…‼」
　と、更さらにシャッターを切るスピードを速める‼




　更さらなる左の正面蹴りから一気に右拳を顔面に向けて放つ‼

　しかし、どうしてもスルリと抜けられてしまう‼



　
　どうして…？
　こんな凄い事ができる人なのに…？
　何故なの…？
　どうして…こんな『ダメダメ』な『性犯罪』を…⁉



「冷静に考えれば…普通の年齢の人も…愛せるはずよ…ッ‼」
　心からの叫びをコイツに向けるがッ‼


「冷静に考えれば普通の年齢の人も愛せるはず……だと…？　…では聞くが…オマエたちは不埒ふらちな目でちっちゃい娘こを見た事があるのか…？　……無いだろう…常識にとらわれているからな……だが…オレは違う…ッッ‼ 」
　そう叫び返すコイツの撮影スピードは、更さらに熾烈しれつを極めて行く‼



「そんなのッ‼　常識的に物事を考えるのが…‼　……大人の務めでしょ…ッッ‼」
　右の膝蹴りから連撃で右の裏拳を放つが‼



「常識にとらわれてるオマエたちは……ちっちゃい娘こにリビドーを抱くのは恥だと思うだろう……だが…俺は違う…ッ‼　……ためらいも…後悔すらも……ない…ッッ‼ 」
　何とか右の裏拳が頬を少し掠かすめたが…どうしても…本体を捉とらえられない…ッ‼




「クッ…。なら…ッ！　なら……ッッ‼」
　そう叫び、私は、服を脱いで行く…。


　上着も…下のズボンも脱ぎ…。
　私は…ジャージ姿になり……。



「せめて私で満足して……果はてて帰ってよ…ッ‼」
　私は、更さらに叫ぶ‼





　……ブルマは流石に恥ずかし過ぎて怖かった…。


　このジャージだって……。
　今の大人になった私には…。
　耐たえ難がたい程ほどの…恥辱ちじょくを与えてくる……ッ‼


　だけど…これで…。
　これで…解決するなら…ッ‼




「ジャージだと…⁉　選よりに選よって……ッ‼　……ジャージだと…ッッ⁉」
　ここに来て…コイツの目が…憎しみに燃える…ッ‼


　怒り…‼
　凄まじいまでの…激しい怒りの目…ッ‼


「……貴様…ッッ‼　なんだその格好は…ッッッ⁉　ブルマを侮辱するな……ッッッ!! 」
　周囲が震える様ような程ほどの…凄まじいまでの怒りを…‼
　私に……‼
　私の着ている…このジャージに向けて来るッ‼




「クッ……良いいだろう…‼　年増としまは好すかんが…ッ‼　…オマエに……ッ‼　…オマエに……ッッ‼　…教育を施ほどこしてやる……ッッッ‼」
　そう言って…コイツは…腹部のポーチにスマホを仕舞い…‼
　その空あいた両手を……何かを揉もみしだく様ように動かし…ッ‼
　私を正面に見据みすえる…ッ‼



「こ…コイツ……ッ‼　来る……ッ‼」
　コイツの足が…爆はぜた…ッ‼


「だけど……ッ‼　だけど……ッ‼　私の正義が…ッ‼　私の…ッ‼　…生徒たちを護まもり…‼　…その上で……コイツを更生こうせいさせてやろうと想う…‼　私の揺ゆるぎない想いが…ッ‼　…負けるはずが…ッ‼　……ない…ッッ‼」
　同じく…コイツを真正面に見据え…‼
　私は…地面を抉えぐる様ように蹴り上げる…ッッ‼



　その蹴りに…ッ‼
　地面の砂が舞い…ッ‼
　こちらに向かって来たコイツの目を奪う…ッ‼



「クッ……貴様……ッ⁉」
　流石に目を奪われた事で…コイツが呻うめき声ごえを上あげる…ッ‼



「私は……‼　私の想いの為なら…ッ‼　例たとえ卑怯ひきょうな振る舞いをしようと……オマエを倒す…ッ‼」
　視力を奪われたコイツに…初めて…左右の拳の連弾が…胸部に当たる…ッ‼



「グゥゥゥ……‼」
　視力を奪われながらも…コイツは……バックステップで距離を取り出す…ッ‼



「距離を取ったって…‼　その目では…無駄よ…ッ‼　諦あきらめて更生こうせいしなさい…ッ‼」
　私の右蹴りが…更さらに…コイツの胴体を揺ゆらす…ッ‼


　だが…ッ‼
「……人の強さは心の強さ…ッ‼」
　更さらに放たれた私の左右の拳の連弾を…その視力を奪われた身で…躱かわして行く…ッッ⁉


「……オマエが…オレを止めようとする想いが…‼」
　更さらなる右正面蹴りからの左回し蹴りをも躱かわされ…ッ‼


「オレがちっちゃい娘こに淫みだららな行為をしようとする想いより強いとでも？　否いな！　断だんじて、否いな！」
　目が見えないはずのコイツが…ッ‼


「……オレのこの想いは……ッ‼　……何より尊とうとい…ッ‼」
　素早い動きで…私の後ろに回り…ッ‼
　私の胸を……その両手で揉もみしだき始める……ッッ‼



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「っていうのが、パパとママの恋の始まりでね？」
　と、笑顔で娘むすめに伝える私。


「パパって…その時に…『せいはんざいしゃ』を辞めたの？」
　娘むすめが、笑顔で、コイツに聞く。


「ああ…。あの時…パパは悟さとってしまったんだ……。今まで…実際に…熟女の胸を揉もんだ事が無かったから分からなかっただけで…熟女の胸が…。コイツの胸が……。ホントの…ホントの…本気ほんきで……‼　素晴らしいって事を……ッ‼」
　上気じょうきした喜びの顔で、コイツは娘むすめに破顔はがんする。


「私もね……。あの時…思ったの…。この人の胸揉むねもみテクは…凄過すごすぎるって…ッ‼　もう…結婚するなら…この人しか居いないって…‼」
　そう私も…娘むすめとコイツに破顔はがんする。


　ああ……神様…。
　この生活を…。
　この尊とうとい時間を…ありがとう…ッ‼