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第二章 アウゼフ王国義勇軍編
第十六話 夢と希望
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「ねぇ、カイルくん」
イザベルがカイルの作った風呂に浸かりながら話しかけてきた。
「ん~、なに?」
カイルは火の番をしながらレンガで作った壁越しに返事をする。
「カイルくんはいつから一人でいるの?」
「あ~、実は記憶を失ったみたいで覚えてないんだ。気づいたら東の森にいた。もう1ヶ月くらいになるかな。」
自分が作った設定を思い出しながら、なんとか取り繕って質問に応える。
「そっか。こんな世界だもの。カイルくんも苦労したのね。」
苦しい設定かなと不安にもなったが、なんだかすんなり受け入れて貰えたようだ。
(こんな世界ね。やっぱり魔王軍との戦争が激しいんだろうな)
「私ね。王都にいたの。ロキシー商会っていうそれなりに大きな商家の娘。
でも、魔王軍に攻められてみんな失ったわ。
お父様もお母様ももういない。」
夜空を見ながらの露天風呂に感傷的になったのか、イザベルが自分の過去を語りだす。
「でもね。いつか王都に帰れたら!ロキシー商会を復活させるの!それが今の私の夢。
ーーーーごめんね。変だよね、突然こんな話!」
「ううん、夢を持つのはいいことだよ。」
「ありがとう。カイルくんは夢を否定しないんだね。結構、多いんだよ。バカな夢をみるなって言う人。」
枝を折り、焚き火に入れ火の管理をしながらもカイルは頭の中で情報を整理し聞いていた。
イザベルの話から色々気になる事があった。
「あのさ、俺記憶がないんだ。さっき王都が攻められたって言ってたけど今、世界はどう言う状況なの?」
攻められた王都、夢を否定される状況、劣勢というよりかはもはや諦めに近い雰囲気が感じられるのだ。
「ん~、他の国のことはよく知らないわ。私達のいるアウゼフ王国は、国土の8割を魔王軍に奪われている状況みたい。王都はちょうど国の中間辺りね。」
「は、8割も?!」
想定以上の情勢に思わず焦りの声が漏れた。
そっとスキルを発動させ地図を開く。
(8割?8割。これぐらいの位置か。うそだろ?こんなに攻められてんのか!)
それはだいぶ絶望的な状況に見える。
ここまで戦線が後退したと言うことは既に国を挙げての大きな戦に敗れた後だろう。
あとはただ残された土地を蹂躙するだけだ。
「こんなの滅亡間際じゃないか。。」
しまったと思い、すぐに口に手を当てた。声に出てしまっていた。
その場に沈黙が流れる。
「そうね。滅亡間際かもね。私達は殺されるのをただ待つだけなのかしら。」
イザベルの呟くような諦めに近い言葉が胸に突き刺さる。
戦況は自分の予想以上にひっ迫しているようだ。
クラムには劣勢と言われたが、劣勢どころの話ではない。
(早く前線に行かないとまずいか。)
これでもバランス調整役で呼ばれたという自覚はある。武士スキルもある。
自分がどうにかせねばという思いが込み上げてくる。
「お姉さん。希望は捨てないでね。ここから巻き返しがあるかもしれないじゃないか。」
自分に期待しろとは言わなかった。10歳の言葉など信憑性に欠けるんじゃないかと頭をよぎってしまったからだ。気休め程度なことしか言えない自分が口惜しくなる。
「そうね。ふふっ。気休めでも嬉しいわ。」
「気休めじゃないさ。俺は本気でそう思ってるよ。」
「そっか。そうだよね!ーーーさあ~て!そろそろ上がろっかなぁ~。カイルくん、覗いちゃだめだぞ~」
壁越しにザバッという音が聞こえ、イザベルが勢いよく立ち上がったのだとわかる。
「実はずっと見えてるんだよ。」
「えっ?うそでしょ?!」
「冗談だよ、冗談。」
そんなやりとりをしつつ、カイルは今後の方針を考えていた。
(まずは地図のマーキングポイントに向かい、そのまま北上し最前線まで行くか。)
それにはまずはお金が必要だ。
何かお金にできないかと考え、思いついた。
ポーチから葉っぱを結んで作った弁当袋を取り出し解体する。そして、もう一度組み直し小さな袋を作った。
小声でカードセットを大谷吉継に切り替え、アイテムボックス小付与を発動する。
袋が一瞬光りを放つ。
試しに指を突っ込んでみると指がどんどん吸い込まれていく。
(よし、成功だ。)
急造のため見てくれは悪いがこれでもアイテムボックスだ。いくらかお金になるだろうと考えたのだ。
イザベルが服を着て、こちらに顔を見せたところを見計らって交渉を始めることにした。
「あの~、実はこんなものがあるんだけど。買取とかは可能かな?」
「なにこれ。葉っぱ?流石にただの葉っぱは買い取らないわよ。」
アイテムボックスをマジマジと見つめながら、ただの葉っぱの袋だと思われ呆れ顔をされてしまった。だが、そんなことは想定内だ。
「じゃあ、これに何かいれてみてよ」
カイルに促され、イザベルが小石を拾っていれるとスッと小石は消え去った。
ん?っという感じで次は何個かの石を次々に入れていく。明らかに袋の容量以上の小石が入ったはずだが、重さも形状も変わっていない。
「うそ!これ、アイテムボックスなの?!」
イザベルはカイルの冗談だと思っていたらしく、目を丸くして驚いている。
「そう。これは軽量化に特化した葉っぱ製のアイテムボックスなんだ。結構レアだと思うんだよね。どうかな?」
購買心を煽るように適当な営業トークを並べてみた。
「買いたいわ!ぜひ買いたいのだけど、今は出せても金貨5枚程度しかないの。」
「いいよ。すぐにお金が欲しいから金貨5枚で買い取ってよ。」
カイルは金貨5枚の価値がいまいちピンときていなかった。初めからイザベルの言い値で売るつもりだったのだ。
「だめよ!それはもっと値が張るはずよ!金貨5枚でなんて私のプライドが許さないわ。」
予想外の展開に正直参ってしまった。まさか値が張りすぎて逆に買って貰えないとは。
イザベルも妙に律儀な性格をしているらしい。
「でも、すぐにお金がほしいし。じゃあ別の人に金貨5枚で売ろうかな。」
「だめよ!そんな売り方するぐらいなら私が買いたいわよ!」
「あっ、ほんと?じゃあ買い取ってよ」
カイルの言葉にイザベルがしまったという顔をした。ぐぬぬと言った様子で考え込んでいる。買いたい欲求と商人としてのプライドが葛藤しているようだ。
「わかったわ。プラスとして荷馬車から好きなものを取っていいわよ。それで商談成立ってことでいいかしら?」
「あぁ、ありがたいよ」
商談が無事成立したところでアイテムボックスを渡し、金貨5枚を受け取った。
そのまま荷馬車に案内され、積荷を確認する。
辺りはすっかり暗くなっている。
「ライト」
カイルが魔法を唱えると手のひらから球体が空中に浮き上がり辺りを照らす。
これも生活魔法だ。生活魔法は本当に便利な魔法が多い。これにはイザベルも感心している様子だった。
「どれがいい?なんでもいいわよ。」
「ん~、とりあえずさっきの調味料と。このポーチかな。あとは変えの服も欲しいかも。」
そう言いながら気になるものを見つけた。
「これは、、」
カイルが手に取ったのは短剣だが、曲線的な作りになっており、握り部分に輪っかがついている。
「あぁ、それね。ちょっと珍しい短剣だったから入手したんだけど使い方が全くわからないの。それもいる?」
「あぁ、これが欲しい!」
カイルはこのナイフを知っていた。
カランビットナイフだ。
人差し指に輪っかを通し、逆手にナイフを持つ。
すごくしっくりきた。
輪っか部分で殴ることもできるし、徒手での攻撃の合間にナイフ部分で切ることもできる。
まさに弥助の格闘術に打ってつけの武器だと思った。
「ありがとう!いい商談になったよ!」
「こちらこそ」
お互いが大満足の結果となり、二人は笑顔で商談を終えた。
「さて、明日は町に向かって出発するけどどうする?」
荷馬車から戻りながらカイルが話しかける。
「私も町に行くところだったの。一緒に向かってもいい?」
「うん。もちろんだよ。じゃあ、明日起きたら出発しよう」
こうして、イザベルが同行する事が決まり、カイルは草むらに横たわり、イザベルは荷馬車で夜を過ごした。
イザベルがカイルの作った風呂に浸かりながら話しかけてきた。
「ん~、なに?」
カイルは火の番をしながらレンガで作った壁越しに返事をする。
「カイルくんはいつから一人でいるの?」
「あ~、実は記憶を失ったみたいで覚えてないんだ。気づいたら東の森にいた。もう1ヶ月くらいになるかな。」
自分が作った設定を思い出しながら、なんとか取り繕って質問に応える。
「そっか。こんな世界だもの。カイルくんも苦労したのね。」
苦しい設定かなと不安にもなったが、なんだかすんなり受け入れて貰えたようだ。
(こんな世界ね。やっぱり魔王軍との戦争が激しいんだろうな)
「私ね。王都にいたの。ロキシー商会っていうそれなりに大きな商家の娘。
でも、魔王軍に攻められてみんな失ったわ。
お父様もお母様ももういない。」
夜空を見ながらの露天風呂に感傷的になったのか、イザベルが自分の過去を語りだす。
「でもね。いつか王都に帰れたら!ロキシー商会を復活させるの!それが今の私の夢。
ーーーーごめんね。変だよね、突然こんな話!」
「ううん、夢を持つのはいいことだよ。」
「ありがとう。カイルくんは夢を否定しないんだね。結構、多いんだよ。バカな夢をみるなって言う人。」
枝を折り、焚き火に入れ火の管理をしながらもカイルは頭の中で情報を整理し聞いていた。
イザベルの話から色々気になる事があった。
「あのさ、俺記憶がないんだ。さっき王都が攻められたって言ってたけど今、世界はどう言う状況なの?」
攻められた王都、夢を否定される状況、劣勢というよりかはもはや諦めに近い雰囲気が感じられるのだ。
「ん~、他の国のことはよく知らないわ。私達のいるアウゼフ王国は、国土の8割を魔王軍に奪われている状況みたい。王都はちょうど国の中間辺りね。」
「は、8割も?!」
想定以上の情勢に思わず焦りの声が漏れた。
そっとスキルを発動させ地図を開く。
(8割?8割。これぐらいの位置か。うそだろ?こんなに攻められてんのか!)
それはだいぶ絶望的な状況に見える。
ここまで戦線が後退したと言うことは既に国を挙げての大きな戦に敗れた後だろう。
あとはただ残された土地を蹂躙するだけだ。
「こんなの滅亡間際じゃないか。。」
しまったと思い、すぐに口に手を当てた。声に出てしまっていた。
その場に沈黙が流れる。
「そうね。滅亡間際かもね。私達は殺されるのをただ待つだけなのかしら。」
イザベルの呟くような諦めに近い言葉が胸に突き刺さる。
戦況は自分の予想以上にひっ迫しているようだ。
クラムには劣勢と言われたが、劣勢どころの話ではない。
(早く前線に行かないとまずいか。)
これでもバランス調整役で呼ばれたという自覚はある。武士スキルもある。
自分がどうにかせねばという思いが込み上げてくる。
「お姉さん。希望は捨てないでね。ここから巻き返しがあるかもしれないじゃないか。」
自分に期待しろとは言わなかった。10歳の言葉など信憑性に欠けるんじゃないかと頭をよぎってしまったからだ。気休め程度なことしか言えない自分が口惜しくなる。
「そうね。ふふっ。気休めでも嬉しいわ。」
「気休めじゃないさ。俺は本気でそう思ってるよ。」
「そっか。そうだよね!ーーーさあ~て!そろそろ上がろっかなぁ~。カイルくん、覗いちゃだめだぞ~」
壁越しにザバッという音が聞こえ、イザベルが勢いよく立ち上がったのだとわかる。
「実はずっと見えてるんだよ。」
「えっ?うそでしょ?!」
「冗談だよ、冗談。」
そんなやりとりをしつつ、カイルは今後の方針を考えていた。
(まずは地図のマーキングポイントに向かい、そのまま北上し最前線まで行くか。)
それにはまずはお金が必要だ。
何かお金にできないかと考え、思いついた。
ポーチから葉っぱを結んで作った弁当袋を取り出し解体する。そして、もう一度組み直し小さな袋を作った。
小声でカードセットを大谷吉継に切り替え、アイテムボックス小付与を発動する。
袋が一瞬光りを放つ。
試しに指を突っ込んでみると指がどんどん吸い込まれていく。
(よし、成功だ。)
急造のため見てくれは悪いがこれでもアイテムボックスだ。いくらかお金になるだろうと考えたのだ。
イザベルが服を着て、こちらに顔を見せたところを見計らって交渉を始めることにした。
「あの~、実はこんなものがあるんだけど。買取とかは可能かな?」
「なにこれ。葉っぱ?流石にただの葉っぱは買い取らないわよ。」
アイテムボックスをマジマジと見つめながら、ただの葉っぱの袋だと思われ呆れ顔をされてしまった。だが、そんなことは想定内だ。
「じゃあ、これに何かいれてみてよ」
カイルに促され、イザベルが小石を拾っていれるとスッと小石は消え去った。
ん?っという感じで次は何個かの石を次々に入れていく。明らかに袋の容量以上の小石が入ったはずだが、重さも形状も変わっていない。
「うそ!これ、アイテムボックスなの?!」
イザベルはカイルの冗談だと思っていたらしく、目を丸くして驚いている。
「そう。これは軽量化に特化した葉っぱ製のアイテムボックスなんだ。結構レアだと思うんだよね。どうかな?」
購買心を煽るように適当な営業トークを並べてみた。
「買いたいわ!ぜひ買いたいのだけど、今は出せても金貨5枚程度しかないの。」
「いいよ。すぐにお金が欲しいから金貨5枚で買い取ってよ。」
カイルは金貨5枚の価値がいまいちピンときていなかった。初めからイザベルの言い値で売るつもりだったのだ。
「だめよ!それはもっと値が張るはずよ!金貨5枚でなんて私のプライドが許さないわ。」
予想外の展開に正直参ってしまった。まさか値が張りすぎて逆に買って貰えないとは。
イザベルも妙に律儀な性格をしているらしい。
「でも、すぐにお金がほしいし。じゃあ別の人に金貨5枚で売ろうかな。」
「だめよ!そんな売り方するぐらいなら私が買いたいわよ!」
「あっ、ほんと?じゃあ買い取ってよ」
カイルの言葉にイザベルがしまったという顔をした。ぐぬぬと言った様子で考え込んでいる。買いたい欲求と商人としてのプライドが葛藤しているようだ。
「わかったわ。プラスとして荷馬車から好きなものを取っていいわよ。それで商談成立ってことでいいかしら?」
「あぁ、ありがたいよ」
商談が無事成立したところでアイテムボックスを渡し、金貨5枚を受け取った。
そのまま荷馬車に案内され、積荷を確認する。
辺りはすっかり暗くなっている。
「ライト」
カイルが魔法を唱えると手のひらから球体が空中に浮き上がり辺りを照らす。
これも生活魔法だ。生活魔法は本当に便利な魔法が多い。これにはイザベルも感心している様子だった。
「どれがいい?なんでもいいわよ。」
「ん~、とりあえずさっきの調味料と。このポーチかな。あとは変えの服も欲しいかも。」
そう言いながら気になるものを見つけた。
「これは、、」
カイルが手に取ったのは短剣だが、曲線的な作りになっており、握り部分に輪っかがついている。
「あぁ、それね。ちょっと珍しい短剣だったから入手したんだけど使い方が全くわからないの。それもいる?」
「あぁ、これが欲しい!」
カイルはこのナイフを知っていた。
カランビットナイフだ。
人差し指に輪っかを通し、逆手にナイフを持つ。
すごくしっくりきた。
輪っか部分で殴ることもできるし、徒手での攻撃の合間にナイフ部分で切ることもできる。
まさに弥助の格闘術に打ってつけの武器だと思った。
「ありがとう!いい商談になったよ!」
「こちらこそ」
お互いが大満足の結果となり、二人は笑顔で商談を終えた。
「さて、明日は町に向かって出発するけどどうする?」
荷馬車から戻りながらカイルが話しかける。
「私も町に行くところだったの。一緒に向かってもいい?」
「うん。もちろんだよ。じゃあ、明日起きたら出発しよう」
こうして、イザベルが同行する事が決まり、カイルは草むらに横たわり、イザベルは荷馬車で夜を過ごした。
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