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第2章 現実世界

22話 ガーネット

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「≪召喚・ガーネット≫」

スキルを発動させると目の前の空間が光り長い赤髪でメイド服を着た女性が現れた。

「お呼びでしょうか、マスター」

それはもうゲーム通りの姿、ガーネットそのものだった。

「どうかしましたかマスター?」
俺を見て首を傾げるガーネット。何しろ俺は現実を受け止めきれず固まってしまったのだから。

「言ったでしょ。大丈夫だって」
固まっている俺を見かねてかそう声をかけてくる茜。

「ああ。そうみたい、だな?」
一見して召喚には成功したが、まだ不安が残っている。

「ご命令は何でしょうかマスター」
と、まじまじと見ていたせいかガーネットが俺に命令を求めてくる。

「あー、いや特に用がある訳じゃ無いんだけど……」

「そんな!マスターからの命令を頂けないなんて、私は用済みという事なのでしょうか!」
突如として絶望的な声を上げるガーネット。

「いや、そうじゃなくて」
その余りにも悲痛な叫びに少したじろいでしまう。

「では、一体なぜ命令を頂けないのでしょうか」
今にも泣きそうな顔で必死に命令を求めるガーネット。

「違うんだ!ちゃんとスキルが使えるかを確認したかっただけなんだ」

「では私に愛想を尽かした訳では無いのですね」

「うん。勿論だとも!」

「ふふ、良かった。ありがとうございます」

何とか笑顔を取り戻してくれたガーネット。正直このままサヨナラとか言い出されたら終わってたな。何しろガーネットは俺が召喚出来る中でも最強のキャラだからな。

「で、話は終わった?」

「ああ」

「なら一回見回ってくれる。貴方達の声で居場所がばれているかも知れないし」

「ぅ。悪い」
確かに逃走中の身であんなに大声を出すのは不味かったな。心の中で反省しつつ≪遠視≫スキルを発動させる。

「うーん、今の所人影は無いな」

「そう。ならそろそろ寝ましょう。見張りは二時間くらいで交代しながらで大丈夫でしょ」

「そうだな」

「あのぅ、マスター」
やや遠慮がちに声をかけてくるガーネット。どうしたのだろうか。

「見張りなら私が行います」

「なら三人でローテーションして「いえ、私一人で十分です!」」

「お、おう」
やる気十分に俺の声と被せるガーネット。その迫力に少したじろいでしまう。

「だけど一人で一晩中見張ってるのは辛いだろう?」

「いえ、問題ありません」

「だけどさ」

「問題ありません!」

えぇー。何でそんな強気なの?もしかして俺が用は無いって言ったの根に持ってる?

「えぇっと」
助けを求めるように茜を見る。

「まぁ良いんじゃない。NPCは召喚された時に完全回復してるから」

「どういうこと?」

「詰まり、NPCは待機状態だと体力だとかが少しずつ回復して、睡眠も取れてるの」

「ふーん。そう言う事なら頼もうかな」

「はい!お任せください!」

「でも眠たくなったら言えよ」

「畏まりました!」
すごい笑顔で答えるが俺に頼られてそんなに嬉しいなのだろうか。
逆に不安ではあるが俺と茜はガーネットを残して寝袋に包まり眠りにつく。
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