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ウララ

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第2章 現実世界

16話 日常

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ピンポーン
来客を報せるチャイムが鳴る。

「はーい」

扉を開けるとそこには少女がいた。

「おはようリュウ君」

「おはようスズ」

彼女は広永 鈴華ひろなが すずか。俺の幼馴染みだ。
家が隣なので昔から良く互いの家に遊びに行く仲だ。

「もう準備は終わってる?」

「い、いや。これから朝ごはんを食べる所なんだ」

「そうなんだ。じゃあ私、待ってるから早く食べてね」

「はい」

本当に行くのか。
なら、せめてゆっくり食べて出発を遅らせてやる。

昨日は都市防衛戦での戦いで疲れたんだ。それに夜にはゲーム内で打ち上げもある。だから本当は家でゴロゴロしてたかったんだけどな。
でもスズとのショッピングは前から約束してたからな。幼馴染も大変だ。


 ◆ ◆ ◆


「ねぇリュウ君、どっちがいいと思う?」
スズが両手に服を持って尋ねる。
今はショッピングモールでスズの服を選んでいる所だ。

「う~ん」
だけど俺はファッションに興味が無いから良くわからない。どうしたものか。

「ねぇ君」
悩んでいたら知らない人に声をかけられた。
その人は同年代ぐらいの女の子だった。

「もしかしてリュウ?」

「えっと・・・ごめん誰だっけ」

いくら考えても思い出せない。俺の知り合いにこんな可愛い子いたか?

「私よ。コハク」

「なんだコハクか。って、え。ええええぇぇぇぇぇ!」

思わず叫んでしまった。周りの人は俺を奇怪な目で見るがそれだけだ。その注目はすぐに収まる。
って、そんな事よりまさかゲームの中だけの知り合いに会えるとは。
確かに言われてみればどことなく似ている気がする。

「でも何でコハクちゃんがここにいるの?」

確かに気になる。コハクとは出会ってから半年以上は経っており、ゲームの中では友達と呼べる間柄だが、それでも住所など個人情報は話した事は無い。

「なんだか勘違いをしてる見たいだけど別に2人を見つけたのは偶然よ。家が近所だし今日も普通に買い物をしに来ただけよ。たまたま、貴方達が話しているのが聞こえて、もしかしたらって思って声をかけただけなの」

「ふーん」

コハクはたまたまだと主張するが、スズはまだ疑っている。

「そもそも貴方達、プレイヤー名で呼び合ってたじゃない」

「でも、私達は昔からこう呼び合ってるし、そんなに珍しい名前でも無いと思うけど」

「そうかもしれないけど。もういいじゃない。本人だったんだから」


◆ ◆ ◆


それから結局、コハクは偶然俺達を見つけただけだと分かり俺たち3人は一緒にショッピングをする事になった。
まぁ、コハクがアブナイ人じゃ無くて良かった。
それとスズとコハクは知らぬ間に仲良くなっていた。


そして、日も暮れた午後8時。
夜食用のおやつを買いにコンビニに行く道中、俺はゴブリンと対峙していた。
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