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プロローグ
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2044年6月15日
「これよりクリエイトオンラインの発売を開始します!」
店員の掛け声と同時に店のドアが一斉に開く。
そこに開店を心待ちにしていた人達がどんどん入っていく。とは言っても雪崩れ込むのでは無くしっかりと2列に並んでおり事故が起こるようなパニックにはなっていない。
「ほほう、かなりの人気だね。」
パソコンで映像を見ていた私の後ろから覗き込むようにして話かけて来る。
振り向くと、スーツを着こなした初老の男が立っていた。
「古木さん!」
この部屋には誰もいないと思っていたので驚きの余り声を上げてしまった。
「そんなに驚かな無くても」
「すみません。てっきり私1人だと思っていたので」
古木さんは不満そうにしているが本当に気付かなかった。やはり神出鬼没な人だ。
「取り敢えず、第一段階はクリアしたみたいだね」
「そうですね。このまま行けばあと、1週間もすれば100万本の売上も達成出来そうです。」
「そうか。では、気が早いかも知れないが次のステップも考えて行かないとね」
「そうですね」
私は再び映像を見ながら考える。次のステップについて。
◆ ◆ ◆
2045年7月20日
「はああぁぁ!」
「グオオォォ!」
分厚い雲が覆う空の更に上空では青色の鱗を纏った巨大なドラゴンと1人の人間が闘っていた。その勝負は互角の様で互いに一歩も譲らない。
それにしても何故人間が上空でドラゴンと激戦を繰り広げられるのか?それは彼を見れば良くわかる。
背中からは大きな羽が、頭にはツノが二本生えている。更に尻尾まで生えており人間とは似て似つかない姿をしている。
「これならどうだ!≪フレイムカノン≫」
人間は炎を一点に集め放った。それは直径が数メートルの光線として放出されドラゴンを呑み込んだ。
「グアアァァ」
「な!」
だがドラゴンはその攻撃に耐えきった。勝利を確信していた人間は気が緩みドラゴンの攻撃を気付くのに遅れてしまった。
「っ」
ドラゴンが放った光線は人間の左腕を消し去った。しかし、人間はドラゴンの攻撃に驚きはすれど痛みに苦しみはしない。
「くっそ、≪自己再生≫」
そして人間は自分の不注意を悔やみつつ自らのスキルで左腕を回復させた。
回復が終わった人間の顔には苦しみでも恐怖でも無く、笑顔があった。
「思ったよりも強いな。だったら、≪竜化:100%≫」
人間はもう人間と呼んで良いのか疑われるが、漆黒の鱗を纏った竜へと姿を変えた。
「これで終わりだ!≪ドラゴンフレイムカノン≫」
人間は、口からさっきの何倍ものの赤黒い炎の光線を放った。
その光線はドラゴンを飲み込み、今度こそ跡形も無く消え去った。
「ふぅ」
人間はドラゴンの姿から羽の生えた人の姿に戻り、一つ息を吐いた。
「『ログアウト』」
人間はそう呟くと、この広大な空から姿を消した。
これは、ドラゴンにすら姿を変えられるVRMMO『クリエイトオンライン』から始まる少年、末永 竜也の物語である。
「これよりクリエイトオンラインの発売を開始します!」
店員の掛け声と同時に店のドアが一斉に開く。
そこに開店を心待ちにしていた人達がどんどん入っていく。とは言っても雪崩れ込むのでは無くしっかりと2列に並んでおり事故が起こるようなパニックにはなっていない。
「ほほう、かなりの人気だね。」
パソコンで映像を見ていた私の後ろから覗き込むようにして話かけて来る。
振り向くと、スーツを着こなした初老の男が立っていた。
「古木さん!」
この部屋には誰もいないと思っていたので驚きの余り声を上げてしまった。
「そんなに驚かな無くても」
「すみません。てっきり私1人だと思っていたので」
古木さんは不満そうにしているが本当に気付かなかった。やはり神出鬼没な人だ。
「取り敢えず、第一段階はクリアしたみたいだね」
「そうですね。このまま行けばあと、1週間もすれば100万本の売上も達成出来そうです。」
「そうか。では、気が早いかも知れないが次のステップも考えて行かないとね」
「そうですね」
私は再び映像を見ながら考える。次のステップについて。
◆ ◆ ◆
2045年7月20日
「はああぁぁ!」
「グオオォォ!」
分厚い雲が覆う空の更に上空では青色の鱗を纏った巨大なドラゴンと1人の人間が闘っていた。その勝負は互角の様で互いに一歩も譲らない。
それにしても何故人間が上空でドラゴンと激戦を繰り広げられるのか?それは彼を見れば良くわかる。
背中からは大きな羽が、頭にはツノが二本生えている。更に尻尾まで生えており人間とは似て似つかない姿をしている。
「これならどうだ!≪フレイムカノン≫」
人間は炎を一点に集め放った。それは直径が数メートルの光線として放出されドラゴンを呑み込んだ。
「グアアァァ」
「な!」
だがドラゴンはその攻撃に耐えきった。勝利を確信していた人間は気が緩みドラゴンの攻撃を気付くのに遅れてしまった。
「っ」
ドラゴンが放った光線は人間の左腕を消し去った。しかし、人間はドラゴンの攻撃に驚きはすれど痛みに苦しみはしない。
「くっそ、≪自己再生≫」
そして人間は自分の不注意を悔やみつつ自らのスキルで左腕を回復させた。
回復が終わった人間の顔には苦しみでも恐怖でも無く、笑顔があった。
「思ったよりも強いな。だったら、≪竜化:100%≫」
人間はもう人間と呼んで良いのか疑われるが、漆黒の鱗を纏った竜へと姿を変えた。
「これで終わりだ!≪ドラゴンフレイムカノン≫」
人間は、口からさっきの何倍ものの赤黒い炎の光線を放った。
その光線はドラゴンを飲み込み、今度こそ跡形も無く消え去った。
「ふぅ」
人間はドラゴンの姿から羽の生えた人の姿に戻り、一つ息を吐いた。
「『ログアウト』」
人間はそう呟くと、この広大な空から姿を消した。
これは、ドラゴンにすら姿を変えられるVRMMO『クリエイトオンライン』から始まる少年、末永 竜也の物語である。
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