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第14話
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次の日の放課後、俺、夏葉と洋太郎は不登校の日高くんの家に訪問しに来た。
田舎町にある軒並みに佇む個性のない家と違って家の面積の広さと異世界に迷いんでしまったんじゃないかと思うほどヨーロッパ風の外観は異質を放っている。
「これが、日高くんの家かよ。俺も一軒家で割と良いとこ住んでると思ったけど上には上がいんだな」
俺は日高くんの家の外観をとっくり眺めて言った。
「お前の家は外観だけが豪華で内装は朽ち果ててんだよな。それに、他の兄弟は部屋があるのにお前だけ部屋がなくて二階の廊下で寝てるのを見てビビったわ」
「それは禁句だよ、洋太郎君。それに、今はしっかりと自分の部屋があるからね。家でホームレスは卒業したんだよ」
俺は洋太郎の肩を揺らして声を張り上げて言った。
「ところで、くだらない話を終わりにして日高君の家に行きましょう。お母さんにアポ取ったから」
夏葉は風で靡く髪をおさえ澄ました顔で言った。
「アポ取ったってことはお母さんの許可がちゃんとおりたんだな」
「彼とは会わずお母さんに手紙を渡すなら大丈夫と言われたわ。それと、鈴音も日高くんと同じクラスだから私も行くって」
「へぇー、荒川も来るんだ。それより俺、手紙を書いてないよ」
「私が代表して手紙を書いてきたからあなた達に言わなかったの。きっと、複数人で出すと困惑してしまうでしょ」
「部活のことも書いたか?」
「もちろん。加藤先輩からチラシもらってそれも手紙の中に入れたわ。それより再度同じこというけどあのチラシって肝心の部活の活動目的が全く書いてないから直した方がいいわよ」
夏葉は冷淡な顔と相変わらず辛辣な口調で言い放った。
「きついこと、よくしれっと言えるよな」
俺は苦笑いを浮かべて言った。
「じゃあ、行きましょう」
「おい、スルーかよ」
夏葉は日高君の家に足を進めてインターホンの所まで行ってついてこない俺達を振り返って見た。
「あなた達、何やってんの?早く行くわよ」
「荒川ちゃんは?」
「そうだよ、荒川がまだ来てないだろ」
「鈴音なら先に来たからもう家にいるわ」
「「早く、言ってよー」」
俺と洋太郎は情けない顔をして言った。
「ふざけてないで行くわよ」
「「 はーい」」
夏葉がインターホーンなボタンを押しインターホーン越しから日高くんのお母さんの声が聞こえた。俺は上品な声からして美人だと憶測する。
「こんにちわ、先日、電話した鮎川です」
「こんにちわ、鮎川さんですか。どうぞ、お入りください」
「では、お家に上がらせてもらいます」
「お邪魔します」
「「お邪魔しまーす」」
家のドアのロックを解除してもらって俺たちは家に入った。奥行きのある開放的な玄関、壁には高そうな絵画が飾ってある。
「こんにちは、皆さん。今日はわざわざひさしのために赴いて下さり有り難う御座います」
気品のある格好に上品な言葉遣いと育ちの良さが溢れてる顔立ち。やっぱり美人じゃないか。
「顔に品って出るんだな」
洋太郎は俺の耳元で囁いた。
リビングのドアを開けてニコッと笑った荒川がお茶菓子を口で咀嚼して飲み込んでから俺たちに手を振った。
「皆さん、来ましたね」
「そうだな」
俺は洋太郎の発言に賛同した。
田舎町にある軒並みに佇む個性のない家と違って家の面積の広さと異世界に迷いんでしまったんじゃないかと思うほどヨーロッパ風の外観は異質を放っている。
「これが、日高くんの家かよ。俺も一軒家で割と良いとこ住んでると思ったけど上には上がいんだな」
俺は日高くんの家の外観をとっくり眺めて言った。
「お前の家は外観だけが豪華で内装は朽ち果ててんだよな。それに、他の兄弟は部屋があるのにお前だけ部屋がなくて二階の廊下で寝てるのを見てビビったわ」
「それは禁句だよ、洋太郎君。それに、今はしっかりと自分の部屋があるからね。家でホームレスは卒業したんだよ」
俺は洋太郎の肩を揺らして声を張り上げて言った。
「ところで、くだらない話を終わりにして日高君の家に行きましょう。お母さんにアポ取ったから」
夏葉は風で靡く髪をおさえ澄ました顔で言った。
「アポ取ったってことはお母さんの許可がちゃんとおりたんだな」
「彼とは会わずお母さんに手紙を渡すなら大丈夫と言われたわ。それと、鈴音も日高くんと同じクラスだから私も行くって」
「へぇー、荒川も来るんだ。それより俺、手紙を書いてないよ」
「私が代表して手紙を書いてきたからあなた達に言わなかったの。きっと、複数人で出すと困惑してしまうでしょ」
「部活のことも書いたか?」
「もちろん。加藤先輩からチラシもらってそれも手紙の中に入れたわ。それより再度同じこというけどあのチラシって肝心の部活の活動目的が全く書いてないから直した方がいいわよ」
夏葉は冷淡な顔と相変わらず辛辣な口調で言い放った。
「きついこと、よくしれっと言えるよな」
俺は苦笑いを浮かべて言った。
「じゃあ、行きましょう」
「おい、スルーかよ」
夏葉は日高君の家に足を進めてインターホンの所まで行ってついてこない俺達を振り返って見た。
「あなた達、何やってんの?早く行くわよ」
「荒川ちゃんは?」
「そうだよ、荒川がまだ来てないだろ」
「鈴音なら先に来たからもう家にいるわ」
「「早く、言ってよー」」
俺と洋太郎は情けない顔をして言った。
「ふざけてないで行くわよ」
「「 はーい」」
夏葉がインターホーンなボタンを押しインターホーン越しから日高くんのお母さんの声が聞こえた。俺は上品な声からして美人だと憶測する。
「こんにちわ、先日、電話した鮎川です」
「こんにちわ、鮎川さんですか。どうぞ、お入りください」
「では、お家に上がらせてもらいます」
「お邪魔します」
「「お邪魔しまーす」」
家のドアのロックを解除してもらって俺たちは家に入った。奥行きのある開放的な玄関、壁には高そうな絵画が飾ってある。
「こんにちは、皆さん。今日はわざわざひさしのために赴いて下さり有り難う御座います」
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「顔に品って出るんだな」
洋太郎は俺の耳元で囁いた。
リビングのドアを開けてニコッと笑った荒川がお茶菓子を口で咀嚼して飲み込んでから俺たちに手を振った。
「皆さん、来ましたね」
「そうだな」
俺は洋太郎の発言に賛同した。
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