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三章〜神龍伝説爆誕!〜
59話「支配者達が宴」
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光の三原色というのはご存じだろうか?
赤、青、緑の光を組み合わせることで全ての色を作ることができると言うアレである。そして、赤、青、緑全てを重ねると白になり、これが光を見た時に『白』と表現される所以である。
この空間もまた『白』だと錯覚する眩い光が覆い尽くしている。
何もない『白紙』でありがなが、光の三原色のようにどんなものでも作り出すことができる不思議な空間。そして、そこは一つの “声” が支配していた。
『人類側が不利かな、って思ってアイツを送ったけど⋯⋯』
“声” が思いを向ける先は人類が生み出した奇跡——否、そんな偶然的なものではなく、予想外と表現するのが正しい “声” の誤算だった。
『まさか古参組の一角を人類が倒しちゃうとはね。あ~ホント、ビックリビックリだよ』
思い返されるのは桐生と流の戦い。
途中で魔王配下の悪魔が参戦するという大事態に発展し、桐生と流が共闘することに。しかし、蓋を開けてみれば流が一人で悪魔を圧倒するという化け物っぷりを見せつけられるだけとなった。
『しかも、殺さず持って帰っちゃうとはね。いろんな人間を見てきたけど、ここまで変な奴は初めてだよ』
悪魔は祓われ、桐生は流に拉致連行。桐生が殺されなかったため、ダンジョンは運良く存続するという “声” にとっても予想外の連続であった。
『こうなると、人類側も遅かれ早かれカラクリに気づいちゃいそうだな。う~ん、どうしよっかな』
思った以上の人類の躍進にウンウンと唸り声を上げる “声”。
しかし、自らの誤算に気落ちする様子はなく、むしろ快く受け入れ楽しんですらいる——とは言え、いつまでも楽しんでいることはなく、自らが主催しているゲームの公平性へと目を向けた。
『流石にダンジョンマスターを増やすなんてことはできないし、ダンジョンマスター側に情報を届けるように仕向けるしか——お?』
代替案を考えるもあまり納得できずにいた “声” だったが、状況の変化にニヤリと口角が上がった。
『さっすが古参組! ここで君達が動いてくれるならある程度はバランスが保てそうだよ』
“声” に手と足があったとしたら、両手で拍手喝采を送り、足で地面を蹴りもんどりうっていただろう。
支配者としての立ち位置、酔いしれる全能感に “声” はたまらなく気分がよかった。
『これで古参組が伝えるだろうね。勇者のこと、魔王の正体、そして——ダンジョンのカラクリについて』
喰貝翠華、三守治虫、細近雛、桐生優希。
古参組の大きな動きを見ながら『とは言え、全部は流石にわかってないだろうけどね~』と肩をすくませた。
『せいぜい足掻いて欲しいな——ダンジョンマスター諸君』
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
——日本政府。
とある会議室、そこは防音を完備し、ドアの前には数人のSPを配置し、ネット環境も断絶されている。ここまで徹底された場所に集められた人物は三人。
日本の官房長官を務める春日義政。
防衛大臣を務める小野塚吾郎。
日本内閣総理大臣を務める跡部三蔵。
その面々は誰もがテレビで見知った顔であり国を代表する人物達だ。
そして、激動の時代を生きる為政者たちは頭を抱えていた。
「全く⋯⋯喜んでいいのか、怒った方がいいんだか」
「そうですね。とは言え、彼の功績は大きいですし」
「⋯⋯」
順番に小野塚防衛大臣、春日官房長官、跡部総理が思いを語る。
話題に上がっているのは日本のギルドマスター神流による他国への領土侵犯、ダンジョン攻略の功績、ダンジョンマスターの拉致、この三点だ。
「ダンジョンマスターの拉致に関しては他国には漏れていないのは不幸中の幸いですね」
「全くだ。それが漏れていたら【人類】の裏切り者として吊し上げられるぞ」
穏便にことを済ませようとする春日と少々過激な発言が見られる小野塚。
「それに関して、本人が一番わかっていないのが一番の問題なんですよね」
「あまつさえ、ダンジョンんマスターの側近を二人も連れてくるとは⋯⋯本当に何を考えているんだ」
「それも本人に伝えましたよ⋯⋯返答は返ってきてませんが」
「はぁ、全く。最近の若者は報連相も知らんのか」
「少し落ち着きなさい、小野塚くん」
会話の中で苛立ちを見せる小野塚を跡部が諫めた。
「あなた達の意見はわかりますが、欠席裁判は無意味でしょう。他の二つについてはどうですか?」
「河岸外務大臣の報告では領土侵犯に対する謝罪と賠償が要求されています」
「それだけか? ダンジョンについては何も要求がないのか?」
「そのことに関しては、不思議なことにダンジョン自体は現在も活動しているようですよ。ダンジョンマスターが死亡していないことが要因ではないかと推測しますね」
「なるほど。またもや不幸中の幸い、というやつか」
「春日くん、報告をありがとうございます」
春日の報告に跡部は思考を始めた。
どう言いくるめるか、どう大義を作り出すか、どう穏便に済ますか。跡部は総理大臣まで上り詰めた頭脳を目まぐるしく働かせた。
「ギルドマスターの領土侵犯については観光と言い換えましょう。ダンジョンがあった場所は観光地なのですから彼が訪れても問題はないはずです」
「それが妥当ですね。ダンジョンマスターとその側近の処遇についてはどうしますか?」
「今すぐに殺すのはリスクが大きいので、ギルドマスターの彼に監視してもらいましょう。あとは⋯⋯」
そう言いながら跡部は天を仰いだ。
ここまでは簡単な事務処理——いうなら前座だ。本題はここから。ここからが跡部を悩ませ、結論を出したい話だ。
「春日くん、ダンジョンマスターが生きていることについてどう思う?」
「⋯⋯魔物との違い、と言うことについてですね」
跡部の質問に春日が付け加えるように説明した。
世界各地で見られている魔物の出現。
出どころは【魔王】のダンジョンであるり、現れる魔物は一つの例外もなく理性を失くし、欲望のままに暴れている。
この例外が現れたことについて十分に考える必要があった。
「そして、ダンジョンマスターの側近もですね。仮に、ダンジョンマスターだけなら例外として安易な答えが出ますが、側近もとなると何かしらの仕掛けがあると考えるべきでしょう」
シンプルな考えに従うとしよう。
ダンジョンマスター、側近の魔物、その他普通の魔物と三段階に分け、上位二つの存在はダンジョンの外でも生活できる。しかし——、
「私も何らかの仕掛けがあると考えるよ。単純ではない複雑な仕掛けがあると」
——事はそう単純ではない、と跡部は直感していた。
仮にダンジョンマスターが外に出れるなら、ダンジョンマスター本人が攻撃を仕掛けて来ないのは不自然だった。
単身の戦力不足かあるいは、ゲームを攻略する気がないかないのか。
そして、『側近』の範囲もあやふやだ。
日本を襲った三大魔物——『大海の怪物』クラーケン、『大太郎の巨人』デイダラボッチ、『九尾の狐』クラマ。
大厄災を招いたこの三体は破格の力を持っていながら理性を失い暴れていた。
となると、『側近』の範囲は自由に調節できる可能性も考えられた。
しかし、『側近』の範囲に制限があるなら、『側近』を切り捨て暴走させる方法も考えとしては挙げられる。
トカゲの尻尾切りのように無限に大厄災を放たれては溜まったものではない。
「⋯⋯考えれば考えるほどに悪い想像が広がりますね」
「相手の手札がまだ透けないのが問題ですな」
「ええ、本当に⋯⋯困るよ」
あくまで想像に過ぎない。
想像に過ぎないのだが、想定できたのに対処しなかったのと、想定していなかったでは話は全く異なる。だが——、
「全てに対策を打つのは不可能ですね」
「他の国に協力を仰げれば少しはマシだが、こんな話を打ち明けられる国はそうそう無い」
「自国の被害で手一杯であるのもありますね」
春日と小野塚の言う通り、現状この問題に対して日本の問題を公開する事なく協力してくれる国は無い。
米国なら話を通しても良さそうだが、ダンジョンに対して既存の軍力が通じず、大厄災の被害が依然として回復できていない現状では頼りになるかは半々であった。
「⋯⋯どうしたものか」
こうして、答えの出ない問いに跡部総理大臣は苦悩するのだった。
赤、青、緑の光を組み合わせることで全ての色を作ることができると言うアレである。そして、赤、青、緑全てを重ねると白になり、これが光を見た時に『白』と表現される所以である。
この空間もまた『白』だと錯覚する眩い光が覆い尽くしている。
何もない『白紙』でありがなが、光の三原色のようにどんなものでも作り出すことができる不思議な空間。そして、そこは一つの “声” が支配していた。
『人類側が不利かな、って思ってアイツを送ったけど⋯⋯』
“声” が思いを向ける先は人類が生み出した奇跡——否、そんな偶然的なものではなく、予想外と表現するのが正しい “声” の誤算だった。
『まさか古参組の一角を人類が倒しちゃうとはね。あ~ホント、ビックリビックリだよ』
思い返されるのは桐生と流の戦い。
途中で魔王配下の悪魔が参戦するという大事態に発展し、桐生と流が共闘することに。しかし、蓋を開けてみれば流が一人で悪魔を圧倒するという化け物っぷりを見せつけられるだけとなった。
『しかも、殺さず持って帰っちゃうとはね。いろんな人間を見てきたけど、ここまで変な奴は初めてだよ』
悪魔は祓われ、桐生は流に拉致連行。桐生が殺されなかったため、ダンジョンは運良く存続するという “声” にとっても予想外の連続であった。
『こうなると、人類側も遅かれ早かれカラクリに気づいちゃいそうだな。う~ん、どうしよっかな』
思った以上の人類の躍進にウンウンと唸り声を上げる “声”。
しかし、自らの誤算に気落ちする様子はなく、むしろ快く受け入れ楽しんですらいる——とは言え、いつまでも楽しんでいることはなく、自らが主催しているゲームの公平性へと目を向けた。
『流石にダンジョンマスターを増やすなんてことはできないし、ダンジョンマスター側に情報を届けるように仕向けるしか——お?』
代替案を考えるもあまり納得できずにいた “声” だったが、状況の変化にニヤリと口角が上がった。
『さっすが古参組! ここで君達が動いてくれるならある程度はバランスが保てそうだよ』
“声” に手と足があったとしたら、両手で拍手喝采を送り、足で地面を蹴りもんどりうっていただろう。
支配者としての立ち位置、酔いしれる全能感に “声” はたまらなく気分がよかった。
『これで古参組が伝えるだろうね。勇者のこと、魔王の正体、そして——ダンジョンのカラクリについて』
喰貝翠華、三守治虫、細近雛、桐生優希。
古参組の大きな動きを見ながら『とは言え、全部は流石にわかってないだろうけどね~』と肩をすくませた。
『せいぜい足掻いて欲しいな——ダンジョンマスター諸君』
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
——日本政府。
とある会議室、そこは防音を完備し、ドアの前には数人のSPを配置し、ネット環境も断絶されている。ここまで徹底された場所に集められた人物は三人。
日本の官房長官を務める春日義政。
防衛大臣を務める小野塚吾郎。
日本内閣総理大臣を務める跡部三蔵。
その面々は誰もがテレビで見知った顔であり国を代表する人物達だ。
そして、激動の時代を生きる為政者たちは頭を抱えていた。
「全く⋯⋯喜んでいいのか、怒った方がいいんだか」
「そうですね。とは言え、彼の功績は大きいですし」
「⋯⋯」
順番に小野塚防衛大臣、春日官房長官、跡部総理が思いを語る。
話題に上がっているのは日本のギルドマスター神流による他国への領土侵犯、ダンジョン攻略の功績、ダンジョンマスターの拉致、この三点だ。
「ダンジョンマスターの拉致に関しては他国には漏れていないのは不幸中の幸いですね」
「全くだ。それが漏れていたら【人類】の裏切り者として吊し上げられるぞ」
穏便にことを済ませようとする春日と少々過激な発言が見られる小野塚。
「それに関して、本人が一番わかっていないのが一番の問題なんですよね」
「あまつさえ、ダンジョンんマスターの側近を二人も連れてくるとは⋯⋯本当に何を考えているんだ」
「それも本人に伝えましたよ⋯⋯返答は返ってきてませんが」
「はぁ、全く。最近の若者は報連相も知らんのか」
「少し落ち着きなさい、小野塚くん」
会話の中で苛立ちを見せる小野塚を跡部が諫めた。
「あなた達の意見はわかりますが、欠席裁判は無意味でしょう。他の二つについてはどうですか?」
「河岸外務大臣の報告では領土侵犯に対する謝罪と賠償が要求されています」
「それだけか? ダンジョンについては何も要求がないのか?」
「そのことに関しては、不思議なことにダンジョン自体は現在も活動しているようですよ。ダンジョンマスターが死亡していないことが要因ではないかと推測しますね」
「なるほど。またもや不幸中の幸い、というやつか」
「春日くん、報告をありがとうございます」
春日の報告に跡部は思考を始めた。
どう言いくるめるか、どう大義を作り出すか、どう穏便に済ますか。跡部は総理大臣まで上り詰めた頭脳を目まぐるしく働かせた。
「ギルドマスターの領土侵犯については観光と言い換えましょう。ダンジョンがあった場所は観光地なのですから彼が訪れても問題はないはずです」
「それが妥当ですね。ダンジョンマスターとその側近の処遇についてはどうしますか?」
「今すぐに殺すのはリスクが大きいので、ギルドマスターの彼に監視してもらいましょう。あとは⋯⋯」
そう言いながら跡部は天を仰いだ。
ここまでは簡単な事務処理——いうなら前座だ。本題はここから。ここからが跡部を悩ませ、結論を出したい話だ。
「春日くん、ダンジョンマスターが生きていることについてどう思う?」
「⋯⋯魔物との違い、と言うことについてですね」
跡部の質問に春日が付け加えるように説明した。
世界各地で見られている魔物の出現。
出どころは【魔王】のダンジョンであるり、現れる魔物は一つの例外もなく理性を失くし、欲望のままに暴れている。
この例外が現れたことについて十分に考える必要があった。
「そして、ダンジョンマスターの側近もですね。仮に、ダンジョンマスターだけなら例外として安易な答えが出ますが、側近もとなると何かしらの仕掛けがあると考えるべきでしょう」
シンプルな考えに従うとしよう。
ダンジョンマスター、側近の魔物、その他普通の魔物と三段階に分け、上位二つの存在はダンジョンの外でも生活できる。しかし——、
「私も何らかの仕掛けがあると考えるよ。単純ではない複雑な仕掛けがあると」
——事はそう単純ではない、と跡部は直感していた。
仮にダンジョンマスターが外に出れるなら、ダンジョンマスター本人が攻撃を仕掛けて来ないのは不自然だった。
単身の戦力不足かあるいは、ゲームを攻略する気がないかないのか。
そして、『側近』の範囲もあやふやだ。
日本を襲った三大魔物——『大海の怪物』クラーケン、『大太郎の巨人』デイダラボッチ、『九尾の狐』クラマ。
大厄災を招いたこの三体は破格の力を持っていながら理性を失い暴れていた。
となると、『側近』の範囲は自由に調節できる可能性も考えられた。
しかし、『側近』の範囲に制限があるなら、『側近』を切り捨て暴走させる方法も考えとしては挙げられる。
トカゲの尻尾切りのように無限に大厄災を放たれては溜まったものではない。
「⋯⋯考えれば考えるほどに悪い想像が広がりますね」
「相手の手札がまだ透けないのが問題ですな」
「ええ、本当に⋯⋯困るよ」
あくまで想像に過ぎない。
想像に過ぎないのだが、想定できたのに対処しなかったのと、想定していなかったでは話は全く異なる。だが——、
「全てに対策を打つのは不可能ですね」
「他の国に協力を仰げれば少しはマシだが、こんな話を打ち明けられる国はそうそう無い」
「自国の被害で手一杯であるのもありますね」
春日と小野塚の言う通り、現状この問題に対して日本の問題を公開する事なく協力してくれる国は無い。
米国なら話を通しても良さそうだが、ダンジョンに対して既存の軍力が通じず、大厄災の被害が依然として回復できていない現状では頼りになるかは半々であった。
「⋯⋯どうしたものか」
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