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10話・不本意な初恋

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「お姉さま?どうなさいました?」

 声をかけられてハッとした。現実に戻ってくれば同じテーブルを囲んでいるオリヴィアさんや小鳥ちゃんたちが心配そうに私の顔を見ていて、遠ざかっていた意識が戻って来た私は苦笑いする。

「ごめんなさい、ぼーっとしてたわ」
「最近心ここに有らずですわね。何かございましたの?」
「いえ、何もないのよ」

 皆とお喋りしているというのに全く別の事を考えるなんて失礼だわ。しっかりしなきゃ。

 私は目を覚ますために冷めた紅茶を一口飲んだ。

「まだ神官庁に入ってしまったことを気にしているの!?知らなかったんだもの!気に病むことはないわ!」
「そうです、結果的に何もなかったんですし。ねぇ?」
「みんなありがとう、励ましてくれて」

 神官庁に侵入したことについては注意を受けただけで何もお咎めはなかった。しかし事態を重く見た私はしばらく自主的に自宅謹慎に勤しんでいる。
 よって、いつものお茶会は温室ではなく自室で行うのが常となっていた。つまり私たちは今、ルイスの部屋でお喋りをしている。

「そうですわ、このように自宅謹慎もしているのですし」
「そういえばルイス殿下もよく許してくださいましたね。私たちをこの部屋に招いていただけるなんて」
「独りになる私を心配してルイスから言い出してくれたのよ」
「まあ、お優しい!愛ですわ!」

 そうそう、優しいルイスが私を気遣ってくれて・・・―――っていうのは嘘である。





「は?自宅謹慎?」

 神官庁に侵入し陛下に叱られた夜、処分が軽いことに納得いかなかった私は自分から自宅謹慎をしようと思いついた。ルイスは聞くなりふーん、と興味のない様子で返事をする。

「どうしてまた急に」
「迷惑かけたし、もう問題を起こさないためにもあまり外を出歩かない方がいいかなって」
「いいんじゃない?お前すぐ人に喧嘩売るから」
「偏見」

 別に喧嘩を売ったりはしてない。言われたら言い返すけど・・・ってこれ喧嘩売ってることになるの?

「とにかく、一人で出歩くのはよそうと思って」

 命を狙われているわけだし。

 私は神官の“毒殺”という言葉を思い出して小さく身震いした。こんなに近くに私を殺したいと思っている人がいるなんて怖すぎる。それに彼らの会話を聞いてしまった私をそう簡単に野放しにするとは思えない。少なくとも、彼らは野放しにしたくはないだろう。

「まあ賢明な判断だよ」
「でしょ?・・・あ、でも私が急に温室に現れなくなったらオリヴィアさんたちが心配するかしら」
「じゃあ部屋に呼んだら?」
「いいの?」

 私は驚きのあまり勢いよく立ち上がった。ルイスはうん、と軽く頷く。

「恋人のためにプライベートな空間にまで人を呼んであげるなんて、僕ってすごく心が広いよねぇ。きっとすごく褒められると思うよ。僕の評判も上々間違いなし」

 自分の為かっ。
 そうだ、こいつはこういう奴だわ、と私は乾いたため息を吐いて椅子に座り直した。

 ―――私、この人の何が好きなんだろう。

「ちょっとだけ見直したのを今見直したわ」
「はは、ありがとう」
「褒めてない」

 初恋は甘酸っぱいものだと聞いていたのに、苦い。甘さとか酸っぱさとか皆無だ。ムカつくし苛つくし、今までの関係や今後のことを考えたら欠片も幸せな気分には浸れなかった。

 誰かを好きになるってこんな屈辱的な気分になるものなの?すごく間違ってる気がするんだけど、それでもルイスが一緒に居るってだけでドキドキしてしまうのだから、もう自分が訳わからなくて大混乱だ。

 そして心の底から私の趣味の悪さを嘆いた。
 そりゃあルイスはイケメンだし、優しい一面があるのは事実だ。助けてくれたし?感謝もしてるわよ?だからってコロッと惚れてしまうって大問題だ。どうすんの、これ。

 ルイスが視界に入るたびにドキッとしてしまい頭を抱える。

「何?疲れたんなら寝れば?」
「そうね・・・ちょっと、今日は色々あり過ぎて疲れたわ」
「僕も明日から仕事だから寝るよ。おやすみ」

 パタン、とベッドに横になって―――ルイスはものの3秒で深く寝入った。





 あいつ、絶対に私の事なんとも思ってない。それがまた悔しくて悔しくて、なんだか負けた気分だ。

「恋愛ってすごく神経すり減らすものなのね」

 知らなかったわ。

 ぽつりと呟いた言葉に、なぜかオリヴィアさんたちはニヤニヤし始める。

「な、なによ・・・」
「うふふ、まさか恋煩いだったなんて。お姉さまも隅に置けませんわね」
「悩みでもあると思ったら惚気とは、羨ましいわぁ」
「惚気ねえ」

 惚気だったらどれだけよいことか。

 恋愛沙汰に全く興味がなかった自分が誰かに恋するなんて今までは想像したくてもできなかった。何も考えずお父様の決めた方に嫁ぐことが私の人生だと思ってたのに、ここに来てとんでもない心境の変化。

 結ばれることを望んでいるわけではない。これでも自分の立場をわきまえているし私の夫はお父様が決めることに今でも賛成している。でも、ルイスに私を見て欲しい。そして見返してやりたい。

 やられっぱなしだなんて性に合わないわ。

「男の人って何が好きなの?」

 ほぼ全てをさらけ出しているルイスに今更何をしたって無駄だとわかっているが、それでも何かしたいと思うのが乙女心。生まれつき枯れていると思っていたが一応私にも備わっているらしい。

「乗馬」
「ギャンブル」
「お酒」
「狩猟」
「ボードゲーム」

 小鳥ちゃんたちが次々と繰り出す言葉に私は頭を悩ませる。私とルイスの共通の趣味はチェスくらいしかない。チェスしている間はほぼ私が一方的にペラペラ喋っているだけで、ルイスから積極的に話すことも何かをすることもほとんどない。接点が少ないと自分をアピールするには非常に不利だ。

「乗馬ならできるんだけど、ルイスはあまりそういうの好きじゃなさそう。前に故郷の軍馬の話をしたけど生返事だった気がする」
「あら、そんなに話題にこだわらなくてもいいのでは?」
「そうよ!話題なんて男性側に任せておけばいいわ!」

 そうは言ってもルイスは私に興味ないもの。いや、興味がないだけならまだマシ、以前に彼は私のことを“ペット”だと言っていた。

「やはり男性は甘える女性が好きなのでは?」
「なるほど」

 オリヴィアさんの言葉に深く頷く。

 甘える、か。超不得意分野だけどやらなきゃ何も変わらない。やらない後悔よりやった後悔、当たって砕けろ、だわ。

「ありがとう、参考にするわね」

 私はニッコリと笑い、ルイスが帰ってくる夜に向けて気合を入れるために紅茶を一気飲みした。
















 意気込んだのはいいものの、ルイスが部屋へ帰って来た時にはミランダ様も一緒に居た。「ひとりじゃ寂しいだろうから一緒に食事をと思って」と殊勝顔で言うルイスに、私は目を細めて無感情な顔をしてしまった。またいい人アピールですか、と。

 ミランダ様にオリヴィアさんからもらった服や化粧品を分けて差し上げようと思っていたからちょうどよかったけども。

「本当にドローシアの料理は美味しいですね。一品一品とてもこだわっていて多彩で」
「気に入ってもらって良かった。苦手なものはない?」
「私は元々野菜があまり得意ではなくて・・・。でもドローシアのお料理はほとんど調理してあるので美味しくいただいています」
「それは良かった」

 和気あいあいと仲良く食事を進めるルイスとミランダ様。家族と好きな人が仲良くしているというのは不思議な気分で妙に緊張してしまう。

「聞いているよ、子が4人もいるんだってね。すごく若く見えるから驚いたよ」
「まあ、ルイス殿下ってお上手」
「ミランダ様がお若く見えるのは事実ですよ。実際にまだまだお若いし」

 嫁いできたのはまだ15歳の時だったと聞いている。私よりもずっと女子力の高い彼女は今でもみんなから可愛がられる普通のお嬢さんだ。

「ルイス、ミランダ様は裁縫の達人なのよ」
「へえ」
「そんな・・・達人だなんて」
「針の速さが私の倍なんですから達人の域ですよ」

 おかげで縫物が楽で助かります、とミランダ様に言うと、彼女はにっこりと花のように笑った。

「私こそ、シンシア様にいつも助けられていますよ。子どもたちの面倒見も良くて、何事も率先してしてやってくださるから優柔不断な私は尊敬しています」

 尊敬ですって。ちょっと嬉し恥ずかしい。

 十分な誉め言葉を貰ったのにミランダ様はルイスに向かってまだまだ私のことをペラペラしゃべり続ける。

「それにとても逞しくっていらっしゃるから頼もしいんです。以前なんて、城にやってきた賊を1人で怒鳴って追い払ったんですよ、しかも丸腰で」
「ブッ」

 ちょーっとその話題はルイスに聞かせたくないかな。
 スープを吹き出しかけた私は慌ててナフキンで口元を拭い制止しようとしたが、それよりも先にニヤニヤしたルイスがこちらを見ながら先手を打ってきた。

「へえ、その話詳しく聞きたいな」

 私が嫌がってるの分かってわざとやってるわ・・・!

 ミランダ様はルイスが食いついたのが嬉しかったのか、嬉々として詳細を語り始めた。

「あれはもう一年以上前のことになるんですが・・・」







 ざわざわと騒がしい城下が一層騒がしくなり、何事かと不思議に思って窓の外を見れば人々は口々に何かを言いながら走って逃げていた。何か危険なことでも起こったのかと血相を変えた私は走って町へ降り、皆に問いかける。

「ねえ、どうしたの?何があったの?」
「姫様!早くお逃げください、賊が来たそうで・・・!」

 賊!?こんな城下のど真ん中に!?

 仰天した私は皆が逃げていく方向と逆へと走って向かった。城下は貧しくても治安は悪い方ではなく、ましてや賊が現れるなんて今まではなかったのに。

 とにかく皆無事でいて欲しい。そう願いながら城門へ着けばそこには20人ほどの農民らしき男たちが斧や鍬を持って叫んでいた。とても賊には見えない。

「食料を出せ!食料を!」
「早く寄越さないと家ごと滅茶苦茶に荒らしてやるからな!」

 彼らの表情には怒気が滲み、同時に自らの行いに怯えているのも見てわかった。私にも彼らの気持ちはわかる、ただ飢えて生きるためには他の手段がないのだ。奪わなければ彼らに未来は来ない。

「やめなさい、あなたたち。他人から強奪するのは許されない行為よ」

 声を張り上げることなく男たちの前へ出ると、物陰から様子を伺っている城下の人々は悲鳴を上げた。

「姫様!逃げて!」
「貴女に何かあったら!」

 自分だって怖いはずなのに、逃げろ、隠れろと叫ぶ皆。しかし私は初めから逃げるつもりは毛頭ない。

 斧や鍬を持った男たちは震えて泣きそうになりながら話しかけてくる。

「姫様、お願いです!見逃してください!このままじゃ冬を越せないんてす!」
「家に子どもがいるんです!飢えて死んでしまう・・・!」

 そんなの痛いほどわかってる。だけどここで食料を渡せば別の人が飢えるだけだ。城にはもう余剰はない、分ければ分けるほど死者が出る。

「力になれず申し訳なく思うわ。だけど冬籠もりまでもう少し時間があるはずなのに、その貴重な時間にあなたたちは一体何をやっているの?」

 彼らは私の言葉に動揺しているようだった。まさか王女直々に姿を現して説得されるとは思わなかっただろう。

 それでも生半可な覚悟でやって来た訳ではない彼らは、武器を振りかぶりながら大声を上げた。

「今更!今更引き返せるわけねえんです!」
「そうだ!手ぶらじゃ帰れねえ!」
「退いてください、姫様!俺たちはあなたを傷つけるつもりはありません!」
「食料を手に入れるまでは何があっても・・・!」

 決意は固い。だったら、こちらも相応のものを差し出さなければならない。

 私は腰に手を当てて大声を上げた。

「いい加減にしなさい!グレスデンは略奪を決して許しません!ここで見逃した所であなたたちには未来はない!」

 時が来れば、周辺警備に出ている兵士が帰ってくる。犯罪を犯した彼らは当然裁かれる。略奪の先にいい結果なんてないのだ。

「でも・・・!」
「どうしても食料を奪うというのならここで私を斬って捨ててから行きなさい!」

 自らの命を差し出した私に男のみならず住民たちも仰天していた。

「そんなことできるはずがない!姫様には関係ない!」
「関係ないわけないでしょ!ここにいるのは皆グレスデンの民なのよ!?
食料を奪うということは命を奪うということ!人を殺す覚悟もなく食料を奪うなんて大口叩くんじゃないの!」
「だからって姫様が・・・!」
「いくらなんでも!姫様を傷つけたら家族に顔向けできませんよ!」

 方々から抗議の声が届いてきたが私は一切の無視をして、丸腰のまま男たちの集団へ一目散に突撃・・した。武器も力もない、とるに足らない戦力しかない私だというのに、全速力で迫ってくるのはそれなりに恐ろしかったらしく、彼らは武器を投げ捨て大慌てで引き返していった。さすがに私を殺す勇気はなかったみたいだ。

 ふう、とりあえずこれでこの場は収まったかしら。

 足を止めて大きく息を吐き出すと、周りからわーっと拍手が沸き起こった。









「あれは絶対に私には真似できません。あの時のシンシア様の雄姿はきっと後世に渡って語り継がれるはずです」
「へえ、とてもいい話を聞いたよ。丸腰で突撃、ね」

 感慨深く語るミランダ様に、笑いを堪えるように肩をピクピクさせてこちらに視線を寄越すルイス。私は思いきり顔を引きつらせながら微笑んだ。

「必死だったのよ、私も」

 そんなに笑うことないでしょうが。
 私はテーブルの下で彼の足を軽く蹴飛ばした。

 ミランダ様は更に続ける。

「シンシア様はグレスデンの誇りなんですよ」

 ―――・・・っ!

 ミランダ様の言葉に脳を金槌で殴られたような衝撃が走る。
 そうだ、私は一体何を浮かれているんだろう。ルイスに恋ですって?―――冗談じゃない。ルイスとの偽装恋人関係はグレスデンにとって生命線だ。

 もしルイスが私の気持ちを知って面倒だからと匙を投げたら?一緒には居られないと拒否されたら?
 関係にヒビが入るようなことがあれば今までの苦労が水の泡、それだけはあってはならない事態なのに。

 なにもしないのが最善ということもある、私の場合はきっとそう。

 余計なことをする前に気づいてよかった。私がルイスを好きだということは絶対に彼に告げてはいけない。私はなのだから。

 私は未だに笑い続けるルイスにもう一度蹴りを入れながら何でもないように微笑んだ。





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