19 / 38
第19話 クロエとリックと愉快な仲間たち
しおりを挟む
俺は自信満々に言った。ルナは呆然と俺の顔を見つめている。その隣で、クロエも驚いたように俺の方を見ていた。自分でも無茶苦茶なこと言っているのは分かっている。でも俺は本気だった。
「このギルドは俺たちが勝手に作ったものなので、ルナ嬢は関係ない。ルナ嬢はこれまで通り七聖剣として任務にあたることができます」
「ちょ、ちょっと待ってください! さすがにそれは無謀すぎます! そんなことをしては教団ばかりか七聖剣もあなた方を放っておきませんよ!?」
俺の発言に、ルナは思わずソファから立ち上がり声を荒げた。クロエも難しい顔をしている。
確かに無謀かもしれない。聖フランシス教団だけでなく七聖剣からも命を狙われて生き残れる自信はない。だけれど、このまま指をくわえて何もしないよりはずっとマシだと思ったのだ。それに、俺には『リジェネレーション』のユニークスキルがある。そう簡単には死なんだろう。
「覚悟の上です。俺たちは一度死にかけた身、今さら死なんて恐れません」
「勝手に私の代弁されてるのは腹立つけど、私もリッくんと同じ意見だよ」
クロエも真剣な表情でルナを見る。その迫力に気圧されたのか、ルナはしばらく目を泳がせていたが、やがて観念したかのようにため息をつくとソファに深く座り直した。
「……分かりました。そこまでおっしゃるなら、どうかお願いします。でも約束してください、無理はしないと。わたしもあまり力添えはできませんが、できる限り陰でサポートします」
ルナの言葉に、俺とクロエは強くうなずいた。
こうして新たな目標が生まれた。だがそれは決して楽なものじゃないだろう。むしろ今までよりも困難なものになるかもしれない。それでも俺はやるんだ。この世界の平和を守るために。
***
「ここがお二人のギルドハウスです。あまり目立つ場所にあると色々困ると思うのでこんなところですが……」
数日後、ルナに案内されて訪れたのは王都の外れにある一軒家だった。外観は特に目立つところもなく、ただの一般家屋といった感じだ。
「えっと、もしかしてルナさんの別荘? さすが貴族……」
クロエが戸惑った様子で言う。まあ普通は驚くよね。でも安心して欲しい。もちろん、ルナの別荘とかそんなことはない。
「いえ、違いますよ。これはわたしが以前隠れ家として使う目的で買ったものです。名義はちゃんとリックさんのものに変更してますのでご心配なく」
そう、ルナが購入したものである。
「なんで私名義じゃないわけ?」
「いやだって、お前は教団から逃げ出した身だし、身分を保証するものを何も持ってないだろ?」
「……確かに」
そうなのだ。例えば冒険者であれば、冒険者カードに刻まれたランクや名前などである程度身元を証明できるのだが、孤児であるクロエにそういった保証がない。王都にいられるのもルナの保護下にあるためなのだが、ギルドとして独立するからには誰かがこいつの身分を保証してやる必要がある。──だから
「なあクロエ。これは一つの提案なんだけど……」
俺はクロエをじっと見つめた。クロエは小さく首を傾げる。その可愛らしい仕草に一瞬ドキッとした。落ち着け、相手はクロエだぞ。俺は自分を叱咤すると、クロエに話を続けた。
「俺と結婚してくれ」
「……なんでぇ!?」
クロエが大声で叫んだ。そしてみるみると顔が真っ赤に染まっていく。彼女は口をぱくぱくさせながらこちらを見つめていると、やがて我に帰ったようにぶんぶんと頭を振って深呼吸をした。そして改めて口を開く。
「ど、どうしていきなり結婚なんて言い出すのよ! いくらリッくんでも怒るよ! バカバーカ! 死ね!」
「もう、リックさんは言葉足らずです。──クロエさんの身分を保証するために、お二人には結婚していることにしてもらう必要があるんですよ」
「……そういうことだ」
ルナが助け舟を出してくれて、クロエはポカンとしたまま固まってしまった。
「つまりどゆこと?」
「形だけ、結婚してる事にしてくれってこと。……別に養子とかでもいいんだけどな」
「リッくんの養子とか、なんか嫌」
「……だろ?」
「なるほどー。……なるほどー?」
クロエはやっと意味を理解してくれたようだ。俺も自分で言っていて少し混乱してたので助かった。というか冷静になると恥ずかしいなこれ……。俺は照れ隠しのために咳払いをする。
「それで返事はどうなんだ?」
「えっ、えっと、うん、いいよ……」
クロエはうつむきがちに言った。その頬はまだほんのりと紅潮している。その様子があまりにも可憐すぎて思わず胸が高鳴ってしまう。クロエも同じなのかチラリと視線を上げるたびに目が合うものだから余計に意識してしまう。…………ヤバイ、緊張してきた。仮に結婚するだけなのにドキドキさせられてるのは情けない。とにかくなんとか会話を繋げなくては。俺は慌てて次の話題を探す。
「そういえばギルドの名前決めないとな。どんなのがいいと思う? クロエの好きな言葉でもいいし、カッコイイ感じのとか、何でも──」
「はい、ギルド名決まりました」
突然のルナが手を挙げた。俺とクロエは驚いて彼女に注目する。
「『クロエとリックと愉快な仲間たち』です」
ルナはニコニコしながら俺とクロエを見る。なんだよクロエとリックと愉快な仲間たちって。しかもその満面の笑みはなんなんだよ。ツッコミたいけどツッコんだら負けな気がする。
「えっと……却下で……」
「なんでですか! 素晴らしい名前だと思いますよ?」
「どこがだよ。そんなんよりクロエと俺で名前考えだ方が絶対マシですって」
「ダメですよ、ここは公平にクジ引きで決めましょう」
ルナはいつの間に用意したのか箱を取り出した。中には小さな紙切れが入っている。
「どうしてそうなるんだよ!」
俺が困惑していると、ようやく正気を取り戻したらしいクロエが口を挟んできた。
「『月下の集い』の後継ギルドだから、『月』って単語は使いたいよね」
「そうだな。確かにそうかもしれない」
確かにそれは重要なことだ。ルナに任せていたら、本当に『クロエとリックと愉快な仲間たち』になってしまいそうで怖い。それは死んでも避けないといけない。俺もクロエの意見に賛成したのだが、
「えーっ!」
ルナは不満そうに声をあげた。まるで子供みたいだ。てか子供か。
どんだけ気に入ってるんだよ『クロエとリックと愉快な仲間たち』。やばい、その名前思い浮かべるだけで笑いそうになってくるぞ。
「ていうかルナ嬢はギルドメンバーじゃないんですから、勝手に名前決めないでください」
「いいじゃないですかそれくらいしても」
「ダメです」
「う~……分かりましたよぉ……」
ルナは不承不承ながらも同意してくれたようだ。物わかりのいい子で良かった。俺はホッとして息を吐いた。
「このギルドは俺たちが勝手に作ったものなので、ルナ嬢は関係ない。ルナ嬢はこれまで通り七聖剣として任務にあたることができます」
「ちょ、ちょっと待ってください! さすがにそれは無謀すぎます! そんなことをしては教団ばかりか七聖剣もあなた方を放っておきませんよ!?」
俺の発言に、ルナは思わずソファから立ち上がり声を荒げた。クロエも難しい顔をしている。
確かに無謀かもしれない。聖フランシス教団だけでなく七聖剣からも命を狙われて生き残れる自信はない。だけれど、このまま指をくわえて何もしないよりはずっとマシだと思ったのだ。それに、俺には『リジェネレーション』のユニークスキルがある。そう簡単には死なんだろう。
「覚悟の上です。俺たちは一度死にかけた身、今さら死なんて恐れません」
「勝手に私の代弁されてるのは腹立つけど、私もリッくんと同じ意見だよ」
クロエも真剣な表情でルナを見る。その迫力に気圧されたのか、ルナはしばらく目を泳がせていたが、やがて観念したかのようにため息をつくとソファに深く座り直した。
「……分かりました。そこまでおっしゃるなら、どうかお願いします。でも約束してください、無理はしないと。わたしもあまり力添えはできませんが、できる限り陰でサポートします」
ルナの言葉に、俺とクロエは強くうなずいた。
こうして新たな目標が生まれた。だがそれは決して楽なものじゃないだろう。むしろ今までよりも困難なものになるかもしれない。それでも俺はやるんだ。この世界の平和を守るために。
***
「ここがお二人のギルドハウスです。あまり目立つ場所にあると色々困ると思うのでこんなところですが……」
数日後、ルナに案内されて訪れたのは王都の外れにある一軒家だった。外観は特に目立つところもなく、ただの一般家屋といった感じだ。
「えっと、もしかしてルナさんの別荘? さすが貴族……」
クロエが戸惑った様子で言う。まあ普通は驚くよね。でも安心して欲しい。もちろん、ルナの別荘とかそんなことはない。
「いえ、違いますよ。これはわたしが以前隠れ家として使う目的で買ったものです。名義はちゃんとリックさんのものに変更してますのでご心配なく」
そう、ルナが購入したものである。
「なんで私名義じゃないわけ?」
「いやだって、お前は教団から逃げ出した身だし、身分を保証するものを何も持ってないだろ?」
「……確かに」
そうなのだ。例えば冒険者であれば、冒険者カードに刻まれたランクや名前などである程度身元を証明できるのだが、孤児であるクロエにそういった保証がない。王都にいられるのもルナの保護下にあるためなのだが、ギルドとして独立するからには誰かがこいつの身分を保証してやる必要がある。──だから
「なあクロエ。これは一つの提案なんだけど……」
俺はクロエをじっと見つめた。クロエは小さく首を傾げる。その可愛らしい仕草に一瞬ドキッとした。落ち着け、相手はクロエだぞ。俺は自分を叱咤すると、クロエに話を続けた。
「俺と結婚してくれ」
「……なんでぇ!?」
クロエが大声で叫んだ。そしてみるみると顔が真っ赤に染まっていく。彼女は口をぱくぱくさせながらこちらを見つめていると、やがて我に帰ったようにぶんぶんと頭を振って深呼吸をした。そして改めて口を開く。
「ど、どうしていきなり結婚なんて言い出すのよ! いくらリッくんでも怒るよ! バカバーカ! 死ね!」
「もう、リックさんは言葉足らずです。──クロエさんの身分を保証するために、お二人には結婚していることにしてもらう必要があるんですよ」
「……そういうことだ」
ルナが助け舟を出してくれて、クロエはポカンとしたまま固まってしまった。
「つまりどゆこと?」
「形だけ、結婚してる事にしてくれってこと。……別に養子とかでもいいんだけどな」
「リッくんの養子とか、なんか嫌」
「……だろ?」
「なるほどー。……なるほどー?」
クロエはやっと意味を理解してくれたようだ。俺も自分で言っていて少し混乱してたので助かった。というか冷静になると恥ずかしいなこれ……。俺は照れ隠しのために咳払いをする。
「それで返事はどうなんだ?」
「えっ、えっと、うん、いいよ……」
クロエはうつむきがちに言った。その頬はまだほんのりと紅潮している。その様子があまりにも可憐すぎて思わず胸が高鳴ってしまう。クロエも同じなのかチラリと視線を上げるたびに目が合うものだから余計に意識してしまう。…………ヤバイ、緊張してきた。仮に結婚するだけなのにドキドキさせられてるのは情けない。とにかくなんとか会話を繋げなくては。俺は慌てて次の話題を探す。
「そういえばギルドの名前決めないとな。どんなのがいいと思う? クロエの好きな言葉でもいいし、カッコイイ感じのとか、何でも──」
「はい、ギルド名決まりました」
突然のルナが手を挙げた。俺とクロエは驚いて彼女に注目する。
「『クロエとリックと愉快な仲間たち』です」
ルナはニコニコしながら俺とクロエを見る。なんだよクロエとリックと愉快な仲間たちって。しかもその満面の笑みはなんなんだよ。ツッコミたいけどツッコんだら負けな気がする。
「えっと……却下で……」
「なんでですか! 素晴らしい名前だと思いますよ?」
「どこがだよ。そんなんよりクロエと俺で名前考えだ方が絶対マシですって」
「ダメですよ、ここは公平にクジ引きで決めましょう」
ルナはいつの間に用意したのか箱を取り出した。中には小さな紙切れが入っている。
「どうしてそうなるんだよ!」
俺が困惑していると、ようやく正気を取り戻したらしいクロエが口を挟んできた。
「『月下の集い』の後継ギルドだから、『月』って単語は使いたいよね」
「そうだな。確かにそうかもしれない」
確かにそれは重要なことだ。ルナに任せていたら、本当に『クロエとリックと愉快な仲間たち』になってしまいそうで怖い。それは死んでも避けないといけない。俺もクロエの意見に賛成したのだが、
「えーっ!」
ルナは不満そうに声をあげた。まるで子供みたいだ。てか子供か。
どんだけ気に入ってるんだよ『クロエとリックと愉快な仲間たち』。やばい、その名前思い浮かべるだけで笑いそうになってくるぞ。
「ていうかルナ嬢はギルドメンバーじゃないんですから、勝手に名前決めないでください」
「いいじゃないですかそれくらいしても」
「ダメです」
「う~……分かりましたよぉ……」
ルナは不承不承ながらも同意してくれたようだ。物わかりのいい子で良かった。俺はホッとして息を吐いた。
0
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
肥満アラート
東門 大
大衆娯楽
R18 SMの要素満載です。イラスト注意
「肥満アラート」が発表され、全国の13〜18までの男子の肥満率を0にするよう自治体が義務付けられた。翌日、BMI28の将太は校長室に呼び出され、人権が一部剥奪されたことを知る。そして、その日から白ブリーフ一枚で学校生活を送ること、毎朝体重測定をして、増加していたら、罰を受けることなどが言い渡される。
pixivにも投稿中
聖十字騎士学院の異端児〜学園でただ1人の男の俺は個性豊かな女子達に迫られながらも、世界最強の聖剣を駆使して成り上がる〜
R666
ファンタジー
日本で平凡な高校生活を送っていた一人の少年は駅のホームでいつも通りに電車を待っていると、突如として背中を何者かに突き飛ばされ線路上に放り出されてしまい、迫り来ていた電車に轢かれて呆気なく死んでしまう。
しかし彼の人生はそこで終わることなく次に目を覚ますと、そこは聖剣と呼ばれる女性にしか扱えない武器と魔法が存在する異世界であった。
そこで主人公の【ハヤト・Ⅵ・オウエンズ】は男性でありながら何故か聖剣を引き抜く事が出来ると、有無を言わさずに姉の【サクヤ・M・オウエンズ】から聖十字騎士学院という聖剣の扱い方を学ぶ場所へと入学を言い渡される。
――そしてハヤトは女性しかいない学院で個性豊かな女子達と多忙な毎日を送り、そこで聖剣を駆使して女尊男卑の世界で成り上がることを決める――
[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる
山葉らわん
BL
【縦読み推奨】
■ 第一章(第1話〜第9話)
アラディーム国の第七王子であるノモクは、騎士団長ローエの招きを受けて保養地オシヤクを訪れた。ノモクは滞在先であるローエの館で、男奴隷エシフと出会う。
滞在初日の夜、エシフが「夜のデザート」と称し、女奴隷とともにノモクの部屋を訪れる。しかし純潔を重んじるノモクは、「初体験の手ほどき」を断り、エシフたちを部屋から追い返してしまう。
■ 第二章(第1話〜第10話)
ノモクが「夜のデザート」を断ったことで、エシフは司祭ゼーゲンの立合いのもと、ローエから拷問を受けることになってしまう。
拷問のあと、ノモクは司祭ゼーゲンにエシフを自分の部屋に運ぶように依頼した。それは、持参した薬草でエシフを治療してあげるためだった。しかしノモクは、その意図を悟られないように、エシフの前で「拷問の仕方を覚えたい」と嘘をついてしまう。
■ 第三章(第1話〜第11話)
ノモクは乳母の教えに従い、薬草をエシフの傷口に塗り、口吻をしていたが、途中でエシフが目を覚ましてしまう。奴隷ごっこがしたいのなら、とエシフはノモクに口交を強要する。
■ 第四章(第1話〜第9話)
ノモクは、修道僧エークから地下の拷問部屋へと誘われる。そこではギーフとナコシュのふたりが、女奴隷たちを相手に淫らな戯れに興じていた。エークは、驚くノモクに拷問の手引き書を渡し、エシフをうまく拷問に掛ければ勇敢な騎士として認めてもらえるだろうと助言する。
◾️第五章(第1話〜第10話)
「わたしは奴隷です。あなたを悦ばせるためなら……」
こう云ってエシフは、ノモクと交わる。
◾️第六章(第1話〜第10話)
ノモクはエシフから新しい名「イェロード」を与えられ、またエシフの本当の名が「シュード」であることを知らされる。
さらにイェロード(=ノモク)は、滞在先であるローエの館の秘密を目の当たりにすることになる。
◾️第七章(第1話〜第12話)
現在、まとめ中。
◾️第八章(第1話〜第10話)
現在、まとめ中。
◾️第九章(第一話〜)
現在、執筆中。
【地雷について】
「第一章第4話」と「第四章第3話」に男女の絡みシーンが出てきます(後者には「小スカ」もあり)。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。
「第二章第10話」に拷問シーンが出てきます。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。
極道達に閉じ込められる少年〜監獄
安達
BL
翔湊(かなた)はヤクザの家計に生まれたと思っていた。組員からも兄達からも愛され守られ1度も外の世界に出たことがない。しかし、実際は違い家族と思っていた人達との血縁関係は無く養子であることが判明。そして翔湊は自分がなぜこの家に養子として迎え入れられたのか衝撃の事実を知る。頼れる家族も居なくなり外に出たことがない翔湊は友達もいない。一先この家から逃げ出そうとする。だが行く手を阻む俵積田会の極道達によってーーー?
最後はハッピーエンドです。
【R18】超女尊男卑社会〜性欲逆転した未来で俺だけ前世の記憶を取り戻す〜
広東封建
ファンタジー
男子高校生の比留川 游助(ひるかわ ゆうすけ)は、ある日の学校帰りに交通事故に遭って童貞のまま死亡してしまう。
そして21XX年、游助は再び人間として生まれ変わるが、未来の男達は数が極端に減り性欲も失っていた。対する女達は性欲が異常に高まり、女達が支配する超・女尊男卑社会となっていた。
性欲の減退した男達はもれなく女の性奴隷として扱われ、幼い頃から性の調教を受けさせられる。
そんな社会に生まれ落ちた游助は、精通の日を境に前世の記憶を取り戻す。
異次元の少子化対策「イケメンは女性とセックスするの禁止」
重音社あかね
BL
2025年、日本政府は深刻な少子高齢化問題に対抗するため、前代未聞の「イケメン法」を制定する。この法律は、美形男性の異性との恋愛や性行為を禁止するというもの。
「挿れる側」になるか、「挿れられる側」になるか…究極の選択。
これは「挿れられる側」を選んだイケメン達のストーリー。
ストーリー:重音社あかね
表紙プロデュース:つるシン
見習いサキュバス学院の転入生【R18】
悠々天使
恋愛
【R18】ただただ主人公が性的に襲われるだけの小説【R18】
21話以降かなりシナリオ重視になっていきます。
《以下本文抜粋》第14話。体育館裏の花蜜
「ほら、早く脱いで!」
渋々、膝のところで引っかかっているスラックスを脱ぎ、ワイシャツのボタンを外す。
外で裸になったのは、いつぶりだろう。
園児くらいの頃に、家庭用の簡易プールで泳いだ時くらいかもしれない。
その時と違うのは、身体が一人前の大人に成長していることと、目の前の美少女の股間を見て勃起していることだ。
風が素肌に当たるが、陽の光も同時に浴びているので、ちょうど良い気温だった。
とても良い気持ちだ。
「セイシくん、何だか気持ち良さそうね。そんな情け無い格好してるのに」
「そうだね、素肌に直接風が当たって良い感じなんだ」
「へぇー、そうなんだ。じゃあ私もなろっかな」
「え? ちょ、それはまずいよ」
ゆかが半脱げのブラウスを脱ぎ、産まれたままの姿になる。
これは、ヘアヌード。
「へ? 何でまずいの? ここまでくれば、何にも着なくても一緒でしょ、うーんしょ、ハイ! 素っ裸、完成っ」
ゆかの裸。白い肌に、揺れる黒髪のボブヘアー。
陽の光で身体の曲線が強調され、まるで天使のようだった。
ゆかが、大きく伸びをする。
「ふぅーっ、すっごい開放感。これ、体育館裏じゃなかったら、絶対不可能な体験よね」
「う、うん、そうだね」
「だねー!いぇーい」
素っ裸で芝生の上を小走りして一回りする美少女。
「ねぇねぇ、芝生の上で、ブリッジするから、見てて」
「え? ブリッジって、体育の時間にやってる、寝転がって足と手でやる、あのブリッジ?」
「そうそう、風と太陽が最高だから」
すごく楽しそうなゆか。
僕は彼女の正面に立つと、たわわな胸に目を奪われる。
「ふふっ、そんなにびんびんのカッチカッチにしちゃって、じゃあ、ゆか様の、華麗なるブリッジをお見せしますよ! はいっ」
ゆかは、立ったままで、ゆっくりガニ股になり、膝を曲げながら、地面に両手を着けて、腰を高く突き出す。
【説明文】
※趣味全開の作品。若干Mの方むけの内容。主人公はノーマル。
両親の都合により、なぜか聖天使女学院へ転入することになった玉元精史(たまもとせいし)は、のちにその学院がただの学校ではなく、普段は世に隠れている見習いサキュバスたちが集められた特殊な学校だということを知る。
注)見習いサキュバス(正式:未成熟な淫魔)とは、普通家庭で唐突に産まれ、自分がサキュバスと知らないまま育った子が多く、自分は通常の人間だと思っている。
入学する理由は、あまりにも性欲が強すぎるため、カウンセラーに相談した結果、この学院を紹介されるというケースが主である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる