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♡もふもふショタっ子と第1回イベント1日目♡
ランダム召喚! 〜初戦の相手は幸運極振り!〜
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◇ ◆ ◇
ユメちゃんに告知されたイベント期間。「明後日の0時」っていうのは、告知されたのが午後9時だったから2日間あるように思えて、実際は1日と3時間しかなかったっていうオチだった! なんか騙された気分だよ。
でも、あの後数回ダンジョンに潜って、私のレベルは11に、ミルクちゃんのレベルは7になった。そして、ゴールドも稼ぐことができたので、装備も買い揃える事ができた。
一段落した所で私はログアウトして、翌日、イベントが始まるまでの数時間の間に少しレベルを上げようと思ったけど、結局クラウスさんやアオイちゃんがログインしてきたのはイベント開始の30分前になってからだった。
今、私とミルクちゃん、そしてクラウスさんとアオイちゃんは、『グラツヘイム』の街の噴水広場で静かにイベント開始を待っている。
ちなみな今の私とミルクちゃんのステータスを見ると、こんな感じになっています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
名前︰ココア
性別︰『女』
種族︰『ホムンクルス』
ジョブ︰『闇霊使い』
ステータス
レベル︰11
HP︰630
MP︰80
STR︰7
VIT︰9
INT︰14
RES︰14
AGI︰8
DEX︰10
RUK︰11
スキル
【即死回避】 【幻惑】 【自動反撃(オートカウンター)】 【究極背水】 【初心者の証】 【殺戮者】
魔法
【完全脱衣(フルパージ)】 【ディストラクション】 【看破】
装備
武器︰精霊の杖 / 混沌精霊龍・カオスフェアリードラゴン
頭︰生命のサークレット
体︰精霊のワンピース
腕︰生命の腕輪
足︰生命のアンクレット
装飾品︰エンゲージリング
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
名前︰ミルク
性別︰『女』
種族︰『精霊』
ステータス
レベル︰7
HP︰80
MP︰60
STR︰12
VIT︰10
INT︰13
RES︰9
AGI︰8
DEX︰7
RUK︰8
スキル
【闇属性強化】
魔法
【リトルボム】 【身代わり】 【変身(メタモルフォーゼ)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
だいぶ強くなったと思う。ちなみに、『エンゲージリング』の効果で私が【変身】を使って邪龍の姿に変身しようとすると……何故か【完全脱衣(フルパージ)】を唱えた時と同じように……すっぽんぽんになってしまった。意味がわからない。運営さんは私にどうしても裸になってほしいらしい。
「で、クラウスさん。アオイちゃん。聞きそびれてましたけど昨日のアレはなんなんですか?」
「昨日のアレ?」
もう、分かってるくせに……。首を傾げるクラウスさんに私は続ける。
「【多重強化】とかいうスキルですよ。あのおかげで強化(バフ)が重ねがけされたみたいなんですけど」
「アオイには詳しくはわからないですが、どうやらアオイの『器用さ極振り』ステータスと、チュートリアルで選んだ【多重強化】のスキルの相性が良かったみたいで……」
「というと?」
なおもよく分かっていない私が微妙な表情をしていると、クラウスさんが説明を引き継いだ。
「【多重強化】は、強化魔法でクリティカルを出すと、同じ魔法が再度かけられるというスキルで、連続発動は2回まで。つまり、器用さを上げてクリティカル発生率を上げてやれば、1度唱えるだけで最大3回強化魔法が対象にかけられる。昨日の場合は装備によるステータス上昇が大きかったお陰で、ほぼ確実に発動してたな。まったく、お嬢ちゃんもとんでもないものをアオイに与えたもんだぜ」
「ほんとに……ありがとうございました……!」
私に向けて頭を下げるアオイちゃん。可愛い。
「なるほど、だから『器用さ極振り』の『プリースト』なんですね!」
「あぁ、本人は無自覚で選んだスキルとジョブだったらしいが、その組み合わせの良さに気づいた瞬間に『これだ!』って思ってパーティに勧誘したのさ」
私の『HP極振り』と『自爆魔法』と【即死回避】の組み合わせの良さと同じように、アオイちゃんもステータスの極振りとジョブ、チュートリアルのスキルが上手く噛み合った結果、昨日のようなチートじみたことができた……らしい。
たまたまその構成にしてしまうアオイちゃんもアオイちゃんだけど、その組み合わせの良さに気づいて活かそうとするクラウスさんもクラウスさんだ。
彼ならもしかしたら、私の新しい可能性も引き出してくれるかもしれない。そう思わせてくれるくらい、クラウスさんは頼もしかった。
そうこうしているうちに、時刻は午前0時になった。と同時に――
――パンパカパーン!!
高らかに鳴り響くファンファーレ。そして、噴水広場の上空に大きくて透明なスクリーンが展開された。
『トロイメア・オンラインをお楽しみの皆さん! お待ちかね、イベントのお時間となりました!』
『【第1回イベント トロイメ杯】始まるよー!』
スクリーンの中では、サポートNPCのユメちゃんとレーヴくんがイベントの開始を告げている。
『ただ今より順次マッチングを開始します。マッチングが終了し次第、参加者の皆さんをバトルフィールドに転送させていただきますので、装備、アイテム等を確認しながらお待ちください♪』
『それじゃあみんな、優勝目指して頑張ろう!』
『『いい夢を!』』
と、二人で同時に告げて、サポートNPCたちは画面からフェードアウトしていった。
「いよいよだな。俺はベータテスター側のトーナメントに参加することになるから、1回でも勝てたら良しとするか」
「アオイは今回は不参加なので……おふたりの応援をさせていただくですね……」
「私の自爆がどこまで通じるか、やってみるよ」
「ご主人様んことは、うちがしっかりと守るばい」
私たち4人はそれぞれ顔を見合わせて健闘を祈りあった。やがて、私の目の前のウィンドウにこんな表示が出現した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
トロイメ杯 第1回戦を開始します。
バトルフィールドに転送します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
同時に目の前がすーっと暗くなっていき――
――再び目を開けると、そこは一見すると砂漠のような場所だった。
どこまでも続く茶色い砂。抜けるような青い空。強い風が時折砂を巻き上げる。足の裏に感じる感触もサラサラしていて、油断すると足をとられてしまいそう。
動くのは大変だけれどそれは相手も同じはず。むしろ『アサシン』なんかはその素早さが十分に活かせないから不利なのではないだろうか。
対戦相手は、15メートルほど離れた場所に立っていた。全身を覆う黒いローブを纏っていて、性別やジョブはよく分からない。なんにしたって警戒するに越したことはない。
「ミルクちゃん!」
「はい、ご主人様! いくばい! 【変身】っ!」
私が傍らに立っていたミルクちゃんに指示をすると、ミルクちゃんの全身は紫の光に包まれて、徐々に巨大化し、その姿を変えていく。
そしてついに、ウナギのような胴体のうねうねした『邪龍 アジ・ダカーハ』の姿へと変貌した。
――シャァァァァァァァァァッ!!
咆哮して威嚇するミルクちゃん。
すると、対戦相手がゆっくりとそのローブのフード部分を脱いだ。
赤いメッシュが入った短い黒髪と、キリッとした凛々しい顔があらわになった。私は息を飲んだ。その顔に見覚えがあったからだ。
「ま、まさか……い、1回戦で当たるなんて……こ、これは運命……ですよね? ココアさん?」
「ビックリ、あの時の……ヘタレくんじゃない!」
「はぁ、や、やっぱり覚えてない……ぼ、僕の名前はキラ……ですよ!」
――キシャァァァァァァァ!!!!
ミルクちゃんが激しく威嚇の声を上げる。おー、ミルクちゃんやっぱりキラくんのことが嫌いみたいだ。私はとりあえずウィンドウを操作して【ディストラクション】の詠唱を開始した。
「キラくん。悪いけどこの勝負私が勝つからね!」
「じ、じゃあ僕も本気でいかせてもらいます……よ!」
キラくんは、右手をシュッと上下に振る。するとその手に小ぶりの黒い杖が出現した。そしてその杖で地面の砂にサッサッサッと何か模様を描くと、こう叫んだ。
「これが『幸運極振り』の真骨頂です……! 【ランダムサモン】ッ!!」
や、やばい魔法だ! 何とかしないと!
ミルクちゃんがシュッと素早く飛び出して、キラくんを襲撃する。ミルクちゃんの口がキラくんをとらえる前に、地面の模様から白い光と共になにか巨大なものが出現して、ミルクちゃんの攻撃を弾き返した。な、何が起きたの!?
その巨大なものは、大きな羽の生えた白く輝く……ドラゴンだ!
「――『輝龍 ファフニール』召喚成功。……悪いですけど、僕の勝ち……ですよ?」
ユメちゃんに告知されたイベント期間。「明後日の0時」っていうのは、告知されたのが午後9時だったから2日間あるように思えて、実際は1日と3時間しかなかったっていうオチだった! なんか騙された気分だよ。
でも、あの後数回ダンジョンに潜って、私のレベルは11に、ミルクちゃんのレベルは7になった。そして、ゴールドも稼ぐことができたので、装備も買い揃える事ができた。
一段落した所で私はログアウトして、翌日、イベントが始まるまでの数時間の間に少しレベルを上げようと思ったけど、結局クラウスさんやアオイちゃんがログインしてきたのはイベント開始の30分前になってからだった。
今、私とミルクちゃん、そしてクラウスさんとアオイちゃんは、『グラツヘイム』の街の噴水広場で静かにイベント開始を待っている。
ちなみな今の私とミルクちゃんのステータスを見ると、こんな感じになっています。
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名前︰ココア
性別︰『女』
種族︰『ホムンクルス』
ジョブ︰『闇霊使い』
ステータス
レベル︰11
HP︰630
MP︰80
STR︰7
VIT︰9
INT︰14
RES︰14
AGI︰8
DEX︰10
RUK︰11
スキル
【即死回避】 【幻惑】 【自動反撃(オートカウンター)】 【究極背水】 【初心者の証】 【殺戮者】
魔法
【完全脱衣(フルパージ)】 【ディストラクション】 【看破】
装備
武器︰精霊の杖 / 混沌精霊龍・カオスフェアリードラゴン
頭︰生命のサークレット
体︰精霊のワンピース
腕︰生命の腕輪
足︰生命のアンクレット
装飾品︰エンゲージリング
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名前︰ミルク
性別︰『女』
種族︰『精霊』
ステータス
レベル︰7
HP︰80
MP︰60
STR︰12
VIT︰10
INT︰13
RES︰9
AGI︰8
DEX︰7
RUK︰8
スキル
【闇属性強化】
魔法
【リトルボム】 【身代わり】 【変身(メタモルフォーゼ)】
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だいぶ強くなったと思う。ちなみに、『エンゲージリング』の効果で私が【変身】を使って邪龍の姿に変身しようとすると……何故か【完全脱衣(フルパージ)】を唱えた時と同じように……すっぽんぽんになってしまった。意味がわからない。運営さんは私にどうしても裸になってほしいらしい。
「で、クラウスさん。アオイちゃん。聞きそびれてましたけど昨日のアレはなんなんですか?」
「昨日のアレ?」
もう、分かってるくせに……。首を傾げるクラウスさんに私は続ける。
「【多重強化】とかいうスキルですよ。あのおかげで強化(バフ)が重ねがけされたみたいなんですけど」
「アオイには詳しくはわからないですが、どうやらアオイの『器用さ極振り』ステータスと、チュートリアルで選んだ【多重強化】のスキルの相性が良かったみたいで……」
「というと?」
なおもよく分かっていない私が微妙な表情をしていると、クラウスさんが説明を引き継いだ。
「【多重強化】は、強化魔法でクリティカルを出すと、同じ魔法が再度かけられるというスキルで、連続発動は2回まで。つまり、器用さを上げてクリティカル発生率を上げてやれば、1度唱えるだけで最大3回強化魔法が対象にかけられる。昨日の場合は装備によるステータス上昇が大きかったお陰で、ほぼ確実に発動してたな。まったく、お嬢ちゃんもとんでもないものをアオイに与えたもんだぜ」
「ほんとに……ありがとうございました……!」
私に向けて頭を下げるアオイちゃん。可愛い。
「なるほど、だから『器用さ極振り』の『プリースト』なんですね!」
「あぁ、本人は無自覚で選んだスキルとジョブだったらしいが、その組み合わせの良さに気づいた瞬間に『これだ!』って思ってパーティに勧誘したのさ」
私の『HP極振り』と『自爆魔法』と【即死回避】の組み合わせの良さと同じように、アオイちゃんもステータスの極振りとジョブ、チュートリアルのスキルが上手く噛み合った結果、昨日のようなチートじみたことができた……らしい。
たまたまその構成にしてしまうアオイちゃんもアオイちゃんだけど、その組み合わせの良さに気づいて活かそうとするクラウスさんもクラウスさんだ。
彼ならもしかしたら、私の新しい可能性も引き出してくれるかもしれない。そう思わせてくれるくらい、クラウスさんは頼もしかった。
そうこうしているうちに、時刻は午前0時になった。と同時に――
――パンパカパーン!!
高らかに鳴り響くファンファーレ。そして、噴水広場の上空に大きくて透明なスクリーンが展開された。
『トロイメア・オンラインをお楽しみの皆さん! お待ちかね、イベントのお時間となりました!』
『【第1回イベント トロイメ杯】始まるよー!』
スクリーンの中では、サポートNPCのユメちゃんとレーヴくんがイベントの開始を告げている。
『ただ今より順次マッチングを開始します。マッチングが終了し次第、参加者の皆さんをバトルフィールドに転送させていただきますので、装備、アイテム等を確認しながらお待ちください♪』
『それじゃあみんな、優勝目指して頑張ろう!』
『『いい夢を!』』
と、二人で同時に告げて、サポートNPCたちは画面からフェードアウトしていった。
「いよいよだな。俺はベータテスター側のトーナメントに参加することになるから、1回でも勝てたら良しとするか」
「アオイは今回は不参加なので……おふたりの応援をさせていただくですね……」
「私の自爆がどこまで通じるか、やってみるよ」
「ご主人様んことは、うちがしっかりと守るばい」
私たち4人はそれぞれ顔を見合わせて健闘を祈りあった。やがて、私の目の前のウィンドウにこんな表示が出現した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
トロイメ杯 第1回戦を開始します。
バトルフィールドに転送します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
同時に目の前がすーっと暗くなっていき――
――再び目を開けると、そこは一見すると砂漠のような場所だった。
どこまでも続く茶色い砂。抜けるような青い空。強い風が時折砂を巻き上げる。足の裏に感じる感触もサラサラしていて、油断すると足をとられてしまいそう。
動くのは大変だけれどそれは相手も同じはず。むしろ『アサシン』なんかはその素早さが十分に活かせないから不利なのではないだろうか。
対戦相手は、15メートルほど離れた場所に立っていた。全身を覆う黒いローブを纏っていて、性別やジョブはよく分からない。なんにしたって警戒するに越したことはない。
「ミルクちゃん!」
「はい、ご主人様! いくばい! 【変身】っ!」
私が傍らに立っていたミルクちゃんに指示をすると、ミルクちゃんの全身は紫の光に包まれて、徐々に巨大化し、その姿を変えていく。
そしてついに、ウナギのような胴体のうねうねした『邪龍 アジ・ダカーハ』の姿へと変貌した。
――シャァァァァァァァァァッ!!
咆哮して威嚇するミルクちゃん。
すると、対戦相手がゆっくりとそのローブのフード部分を脱いだ。
赤いメッシュが入った短い黒髪と、キリッとした凛々しい顔があらわになった。私は息を飲んだ。その顔に見覚えがあったからだ。
「ま、まさか……い、1回戦で当たるなんて……こ、これは運命……ですよね? ココアさん?」
「ビックリ、あの時の……ヘタレくんじゃない!」
「はぁ、や、やっぱり覚えてない……ぼ、僕の名前はキラ……ですよ!」
――キシャァァァァァァァ!!!!
ミルクちゃんが激しく威嚇の声を上げる。おー、ミルクちゃんやっぱりキラくんのことが嫌いみたいだ。私はとりあえずウィンドウを操作して【ディストラクション】の詠唱を開始した。
「キラくん。悪いけどこの勝負私が勝つからね!」
「じ、じゃあ僕も本気でいかせてもらいます……よ!」
キラくんは、右手をシュッと上下に振る。するとその手に小ぶりの黒い杖が出現した。そしてその杖で地面の砂にサッサッサッと何か模様を描くと、こう叫んだ。
「これが『幸運極振り』の真骨頂です……! 【ランダムサモン】ッ!!」
や、やばい魔法だ! 何とかしないと!
ミルクちゃんがシュッと素早く飛び出して、キラくんを襲撃する。ミルクちゃんの口がキラくんをとらえる前に、地面の模様から白い光と共になにか巨大なものが出現して、ミルクちゃんの攻撃を弾き返した。な、何が起きたの!?
その巨大なものは、大きな羽の生えた白く輝く……ドラゴンだ!
「――『輝龍 ファフニール』召喚成功。……悪いですけど、僕の勝ち……ですよ?」
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