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ep41 彼女のための物語02
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ふだんの姿からは想像もできない、感情を露わにして泣き崩れるメルロロッティ嬢。
さすがの侍女たちもアルヴァンドも、メルロロッティ嬢のその姿に困惑していた。
呆然と立ち尽くしていた俺も、ようやく我に帰る。
メルロロッティ嬢が俺のために泣いてくれている。
なんて光栄なことだろうか。
今すぐにでも、その涙にハンカチを添え、彼女が安心する言葉をかけ、寄り添わなくては。
従者であれば、そうすべきだろう。
だが、どうしても俺は動き出せなかった。
…わかってるよ。わかってるんだ。
今それをすることはきっと間違ってる。
はじめて彼女に出会った日、俺はこう思った。
悪役令嬢という名に恥じぬ、無愛想な表情にツンとした態度だなって。
友達なんて作れちゃいないだろうなって。
だったら俺が傍にいてあげようかなって。
この子の笑顔が見たみたいなって。
そう、思ったんだ。
メルロロッティ嬢にこんな泣き顔をさせるために傍にいたんじゃない。
最初に志した、崇高な目的を思い出せ。
俺は、悪役令嬢である彼女を幸せにするために、この世界に転生して、従者になったんだろ!
俺はメルロロッティ嬢の傍に跪き、泣き止まない彼女の手をとった。
そして、忠誠と敬愛そして心からの感謝を込めて、そっとその指先にキスをする。
メルロロッティ嬢はその細い両肩をびくりと震わせ、大粒の涙に濡れた翠の瞳を俺へとむけた。
「メルロロッティお嬢様。しがない従者である私などのために泣いてくださり、ありがとうございます。
私も貴女が大好きです。叶うならずっと、一緒にいたいほどに」
そう続ける俺からメルロロッティ嬢は視線を逸らさない。
俺は彼女にめいっぱいの笑顔を向けた。
「お嬢様、竜を愛し、愛される貴女の存在は特別だ。
貴女は俺やヴァンと同じ、特異点です。
特異点だけが、望んだ未来を手繰り寄せることができる。
この世界で最初に大きく歴史を歪ませ、望んだ未来を手繰り寄せたのは誰だと思いますか?」
メルロロッティ嬢は困惑した顔を浮かべて俺を見つめている。
そうだね。君はあの時、そんなこと知らなかった。
俺だって、ずっと気づかなかった。
「お嬢様、貴女ですよ。
婚約破棄を言い渡されたあの日。貴女が最初に自分のための未来を手繰り寄せたんです」
バルツ聖国のエルメスタ女王はスノーヴィアを起点に歴史が歪曲していると言っていた。
俺は最初、予知を持つ自分がそれを招いたのかと思った。
だが、今ならわかる。
最初に歴史を大きく歪ませたのはメルロロッティ嬢だ。
俺の予知を知りながらサンドレア王国の王太子と婚約し、王室の茶会に赴き、愛する竜を侮辱され、感情任せにその特別な力を用い、婚約破棄と共にサンドレア王国と離縁し、道を違えた。
あんな壮絶な婚約破棄、ゲームイベントにはない。
そして、あの壮絶な婚約破棄があったからこそ。
俺とヴァンは出会い、王国は派閥対立が激化し、ラヴィが自身の幸福のために動き出し、ヴィルゴがゼクスと共にそれを拒んだ。レリウスだけが不動の特異点として、他の特異点を阻んだ。
特異点達が出会い、互いに作用しあい、歴史が歪曲していったのだ。
「貴女が選んだ道は、私の予知にあるどの歴史の遷移にもありませんでした。
貴女は幸せになるために、最初から王国とも帝国とも道を違えていたんです。
今の世界は貴女のための未来を紡いでいます。
貴女が幸せを掴まなきゃいけない物語なんだ」
俺はメルロロッティ嬢をまっすぐに見て、言葉を続ける。
「だから、どうか私の言葉を信じて。
…これは、私が貴女にお伝えできる最後の予知です」
「最後の、予知…?」
俺の言葉に困惑しながらも、メルロロッティ嬢は俺をまっすぐ見つめ返して、その言葉を重ねた。
最後の予知。
この言葉は、半分本当で半分嘘だ。
確かに予知をもとに導き出したが、あくまでそうあってほしいと俺が願ったこと。確証のあることなどでは当然ない。
そんなものはきっと、予知とは呼ばない。
でも、その言葉でメルロロッティ嬢がそう信じて自身の幸福をまっすぐに目指してくれるのなら、それでいい。
この予知の使い方なら、ヴィルゴだって笑って許してくれるはずだ。
アルヴァンドは俺の言葉に優しく微笑んでいた。
俺が謀ったこの小さな嘘は、アルヴァンドだけが知っていてくれたら、それでいい。
「お嬢様の望むままに未来を進んで、アグナとソネアと幸せになってください。それが貴女が辿るべき道です。
そして私は自身の幸せとスノーヴィア領のためにアルヴァンドと共に生きます。マルゴーン帝国とスノーヴィア領を繋ぐ者となり、貴女が愛するこの地と飛竜は私が守ってみせます」
俺が言わんとしている事に気づいたメルロロッティ嬢は、怯んだような目をして首を横に振りはじめた。
「…そして、私が幸せであることがお嬢様の幸せでもあるならば。
どうか私に貴女のもとを去る許可をくださいませ」
俺は彼女をまっすぐに見て、笑顔で別れの言葉を告げた。
メルロロッティ嬢は跪く俺の目の前に崩れるようにしゃがみ、震える細い腕で俺に抱きついた。
「いやよグレイ。これからも一緒がいい。
あなたが傍で笑っていてくれたから…皆が集まって来てくれたの。
家宰のみんな、騎士団のみんな、王立学園のみんな。
愛想がなくて人間を愛せない私なんかに…声をかけてくれた。
グレイ…全部よ。私が幸せだったのは、全部あなたのおかげなのよ」
「…嬉しいですお嬢様。そんな風に、思ってくれていたのですね」
俺もメルロロッティ嬢を抱きしめ返す。
「大好きよグレイ、ずっと一緒がいい。
でもあなたが幸せになってくれなきゃもっとイヤ。私だって、あなたに誰よりも幸せになってほしい。
ねえ…どうしたらいいの?
ねえ…なんで離れなくちゃいけないの?」
彼女の言葉と共に春の強く優しい風が吹き抜ける。
その風で小さな白い花びらが一斉に舞い上がり、メルロロッティ嬢の涙と、そして俺からも堪えていた涙を攫って行った。
もう、限界だった。
メルロロッティ嬢に加え、俺の涙腺も見事に崩壊してしまった。
侍女たちとアルヴァンドが見守る中、俺とメルロロッティ嬢は涙と声が枯れるまで泣き続けた。
さすがの侍女たちもアルヴァンドも、メルロロッティ嬢のその姿に困惑していた。
呆然と立ち尽くしていた俺も、ようやく我に帰る。
メルロロッティ嬢が俺のために泣いてくれている。
なんて光栄なことだろうか。
今すぐにでも、その涙にハンカチを添え、彼女が安心する言葉をかけ、寄り添わなくては。
従者であれば、そうすべきだろう。
だが、どうしても俺は動き出せなかった。
…わかってるよ。わかってるんだ。
今それをすることはきっと間違ってる。
はじめて彼女に出会った日、俺はこう思った。
悪役令嬢という名に恥じぬ、無愛想な表情にツンとした態度だなって。
友達なんて作れちゃいないだろうなって。
だったら俺が傍にいてあげようかなって。
この子の笑顔が見たみたいなって。
そう、思ったんだ。
メルロロッティ嬢にこんな泣き顔をさせるために傍にいたんじゃない。
最初に志した、崇高な目的を思い出せ。
俺は、悪役令嬢である彼女を幸せにするために、この世界に転生して、従者になったんだろ!
俺はメルロロッティ嬢の傍に跪き、泣き止まない彼女の手をとった。
そして、忠誠と敬愛そして心からの感謝を込めて、そっとその指先にキスをする。
メルロロッティ嬢はその細い両肩をびくりと震わせ、大粒の涙に濡れた翠の瞳を俺へとむけた。
「メルロロッティお嬢様。しがない従者である私などのために泣いてくださり、ありがとうございます。
私も貴女が大好きです。叶うならずっと、一緒にいたいほどに」
そう続ける俺からメルロロッティ嬢は視線を逸らさない。
俺は彼女にめいっぱいの笑顔を向けた。
「お嬢様、竜を愛し、愛される貴女の存在は特別だ。
貴女は俺やヴァンと同じ、特異点です。
特異点だけが、望んだ未来を手繰り寄せることができる。
この世界で最初に大きく歴史を歪ませ、望んだ未来を手繰り寄せたのは誰だと思いますか?」
メルロロッティ嬢は困惑した顔を浮かべて俺を見つめている。
そうだね。君はあの時、そんなこと知らなかった。
俺だって、ずっと気づかなかった。
「お嬢様、貴女ですよ。
婚約破棄を言い渡されたあの日。貴女が最初に自分のための未来を手繰り寄せたんです」
バルツ聖国のエルメスタ女王はスノーヴィアを起点に歴史が歪曲していると言っていた。
俺は最初、予知を持つ自分がそれを招いたのかと思った。
だが、今ならわかる。
最初に歴史を大きく歪ませたのはメルロロッティ嬢だ。
俺の予知を知りながらサンドレア王国の王太子と婚約し、王室の茶会に赴き、愛する竜を侮辱され、感情任せにその特別な力を用い、婚約破棄と共にサンドレア王国と離縁し、道を違えた。
あんな壮絶な婚約破棄、ゲームイベントにはない。
そして、あの壮絶な婚約破棄があったからこそ。
俺とヴァンは出会い、王国は派閥対立が激化し、ラヴィが自身の幸福のために動き出し、ヴィルゴがゼクスと共にそれを拒んだ。レリウスだけが不動の特異点として、他の特異点を阻んだ。
特異点達が出会い、互いに作用しあい、歴史が歪曲していったのだ。
「貴女が選んだ道は、私の予知にあるどの歴史の遷移にもありませんでした。
貴女は幸せになるために、最初から王国とも帝国とも道を違えていたんです。
今の世界は貴女のための未来を紡いでいます。
貴女が幸せを掴まなきゃいけない物語なんだ」
俺はメルロロッティ嬢をまっすぐに見て、言葉を続ける。
「だから、どうか私の言葉を信じて。
…これは、私が貴女にお伝えできる最後の予知です」
「最後の、予知…?」
俺の言葉に困惑しながらも、メルロロッティ嬢は俺をまっすぐ見つめ返して、その言葉を重ねた。
最後の予知。
この言葉は、半分本当で半分嘘だ。
確かに予知をもとに導き出したが、あくまでそうあってほしいと俺が願ったこと。確証のあることなどでは当然ない。
そんなものはきっと、予知とは呼ばない。
でも、その言葉でメルロロッティ嬢がそう信じて自身の幸福をまっすぐに目指してくれるのなら、それでいい。
この予知の使い方なら、ヴィルゴだって笑って許してくれるはずだ。
アルヴァンドは俺の言葉に優しく微笑んでいた。
俺が謀ったこの小さな嘘は、アルヴァンドだけが知っていてくれたら、それでいい。
「お嬢様の望むままに未来を進んで、アグナとソネアと幸せになってください。それが貴女が辿るべき道です。
そして私は自身の幸せとスノーヴィア領のためにアルヴァンドと共に生きます。マルゴーン帝国とスノーヴィア領を繋ぐ者となり、貴女が愛するこの地と飛竜は私が守ってみせます」
俺が言わんとしている事に気づいたメルロロッティ嬢は、怯んだような目をして首を横に振りはじめた。
「…そして、私が幸せであることがお嬢様の幸せでもあるならば。
どうか私に貴女のもとを去る許可をくださいませ」
俺は彼女をまっすぐに見て、笑顔で別れの言葉を告げた。
メルロロッティ嬢は跪く俺の目の前に崩れるようにしゃがみ、震える細い腕で俺に抱きついた。
「いやよグレイ。これからも一緒がいい。
あなたが傍で笑っていてくれたから…皆が集まって来てくれたの。
家宰のみんな、騎士団のみんな、王立学園のみんな。
愛想がなくて人間を愛せない私なんかに…声をかけてくれた。
グレイ…全部よ。私が幸せだったのは、全部あなたのおかげなのよ」
「…嬉しいですお嬢様。そんな風に、思ってくれていたのですね」
俺もメルロロッティ嬢を抱きしめ返す。
「大好きよグレイ、ずっと一緒がいい。
でもあなたが幸せになってくれなきゃもっとイヤ。私だって、あなたに誰よりも幸せになってほしい。
ねえ…どうしたらいいの?
ねえ…なんで離れなくちゃいけないの?」
彼女の言葉と共に春の強く優しい風が吹き抜ける。
その風で小さな白い花びらが一斉に舞い上がり、メルロロッティ嬢の涙と、そして俺からも堪えていた涙を攫って行った。
もう、限界だった。
メルロロッティ嬢に加え、俺の涙腺も見事に崩壊してしまった。
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