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第一章 勇者パーティーの魔法使い
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そのまま荒野を進み、アムハイナ王国へと戻ってきた2人。
「おぉ……だいぶきれいな街並みだな……」
アルカンタラは100年ぶりに帰還した故郷を見て驚いた。昔の砂利道とは違い整備された道に、きれいな建物が並んでいる。
「お? 地面が硬い!?」
舗装された道を触るアルカンタラ。
「ふふ、平和な時代が長く続いてるからね。川や道路の整備なんかは昔よりもしっかりしているはずよ。
アルカンタラは生まれもこの国?」
「ああそうだ。両親は生まれてすぐにモンスターに襲われて死んだらしくてな。俺は孤児院で育ったんだ」
「そうなのね……じゃあアルカンタラは家族や親戚はいないの?」
「いないな。天外孤独ってやつだ。まあ100年ぶりに親戚が戻ってきてもビックリするだろうからな。ちょうどよかった」
アルカンタラは珍しいものを見るように、故郷の景色を眺めていた。
◇
さっそく王宮に向かう2人。
石とレンガで出来た立派な王宮。
小綺麗になっているものの、100年前とは大きく変わっていない王宮の姿にホッとするアルカンタラだった。
「ミルリーフ様、おかえりなさいませ」
王宮の前には数人の役人がミルリーフを出迎える。
「ただいま。実は国王に緊急でお話があるんだけど」ミルリーフは役人に言う。
「国王に? 少々お待ちください……あの、そちらのお連れ様は……?」
役人達は汚いボロボロの鎧姿のアルカンタラを怪訝な目でジロジロと見る。
「あー……えーっと、新しい調査団のメンバー?よ……大丈夫。悪い人じゃないわ。……たぶん」
ミルリーフは役人達にそう告げる。
「ほう、『ミルリーフ様』、ねぇ。国王とすぐ話ができるなんてお前なかなか偉いんだな」
役人を待つ間、アルカンタラが言う。
「ふふ、これでも私は王国調査団の団長ですからね。それに魔王倒した勇者と賢者の子孫よ! 魔法だってこの国じゃなかなかの腕前よ」
ミルリーフは自信たっぷりに微笑む。
「……それなのにあんなクソ雑魚なのか……?」
呆れたような表情がアルカンタラ。
「う、うるさいわねっ! ほら、アンタもいつまでモンスターの死骸を持ってるのよ。国王に会うのよ? 早く捨てなさいよ。そんな入れ墨だらけの両腕で、バカデカい鳥の死骸を持ってたら変な目で見られちゃったじゃない!」
先ほど倒したサンダーバードを大事そうに持つアルカンタラ。
「ま、待て! サンダーバードの羽は軽くて暖かいから服のいい材料になるんだよ」
「いいから置いていきなさいよ。今はもっと軽くて暖かい素材があるわよ」
「なに!? サンダーバードの羽よりもか? そんな夢のような素材があるのか……言われてみればお前の鎧、俺の鎧よりペラペラなのに丈夫そうだな?」
アルカンタラはミルリーフの鎧にコンコンと叩く。
「まったく、本当に原始人ね。世の中が平和になってからこういう工業とか医療は100年前とは比べ物にならないほど進歩しているはずよ」
「なるほど……俺の腕に刺した針もそうなのか?」
アルカンタラは腕に残る痛みを思い出す。
「ああ、点滴ね。そうよ、アンタの腕入れ墨だらけで刺しづらかったわ。
その入れ墨はなんなの? 若気の至ってやつ?」
「お前な……これは入れ墨じゃなくて――」
「お待たせしました。国王がお待ちです」
アルカンタラの話の途中で2人は国王の待つ部屋へと向かった。
「ちょっとアルカンタラいい? 国王とは私が話をするからアンタは余計なこと言わないでよ? いきなり100年前の勇者パーティーの生き残りなんて言ったら国王ビックリして倒れちゃうわ」
「……そりゃそうだろうな。俺だってビックリしてるんだからな。お前に任せるよ」
「おぉ……だいぶきれいな街並みだな……」
アルカンタラは100年ぶりに帰還した故郷を見て驚いた。昔の砂利道とは違い整備された道に、きれいな建物が並んでいる。
「お? 地面が硬い!?」
舗装された道を触るアルカンタラ。
「ふふ、平和な時代が長く続いてるからね。川や道路の整備なんかは昔よりもしっかりしているはずよ。
アルカンタラは生まれもこの国?」
「ああそうだ。両親は生まれてすぐにモンスターに襲われて死んだらしくてな。俺は孤児院で育ったんだ」
「そうなのね……じゃあアルカンタラは家族や親戚はいないの?」
「いないな。天外孤独ってやつだ。まあ100年ぶりに親戚が戻ってきてもビックリするだろうからな。ちょうどよかった」
アルカンタラは珍しいものを見るように、故郷の景色を眺めていた。
◇
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小綺麗になっているものの、100年前とは大きく変わっていない王宮の姿にホッとするアルカンタラだった。
「ミルリーフ様、おかえりなさいませ」
王宮の前には数人の役人がミルリーフを出迎える。
「ただいま。実は国王に緊急でお話があるんだけど」ミルリーフは役人に言う。
「国王に? 少々お待ちください……あの、そちらのお連れ様は……?」
役人達は汚いボロボロの鎧姿のアルカンタラを怪訝な目でジロジロと見る。
「あー……えーっと、新しい調査団のメンバー?よ……大丈夫。悪い人じゃないわ。……たぶん」
ミルリーフは役人達にそう告げる。
「ほう、『ミルリーフ様』、ねぇ。国王とすぐ話ができるなんてお前なかなか偉いんだな」
役人を待つ間、アルカンタラが言う。
「ふふ、これでも私は王国調査団の団長ですからね。それに魔王倒した勇者と賢者の子孫よ! 魔法だってこの国じゃなかなかの腕前よ」
ミルリーフは自信たっぷりに微笑む。
「……それなのにあんなクソ雑魚なのか……?」
呆れたような表情がアルカンタラ。
「う、うるさいわねっ! ほら、アンタもいつまでモンスターの死骸を持ってるのよ。国王に会うのよ? 早く捨てなさいよ。そんな入れ墨だらけの両腕で、バカデカい鳥の死骸を持ってたら変な目で見られちゃったじゃない!」
先ほど倒したサンダーバードを大事そうに持つアルカンタラ。
「ま、待て! サンダーバードの羽は軽くて暖かいから服のいい材料になるんだよ」
「いいから置いていきなさいよ。今はもっと軽くて暖かい素材があるわよ」
「なに!? サンダーバードの羽よりもか? そんな夢のような素材があるのか……言われてみればお前の鎧、俺の鎧よりペラペラなのに丈夫そうだな?」
アルカンタラはミルリーフの鎧にコンコンと叩く。
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「なるほど……俺の腕に刺した針もそうなのか?」
アルカンタラは腕に残る痛みを思い出す。
「ああ、点滴ね。そうよ、アンタの腕入れ墨だらけで刺しづらかったわ。
その入れ墨はなんなの? 若気の至ってやつ?」
「お前な……これは入れ墨じゃなくて――」
「お待たせしました。国王がお待ちです」
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「ちょっとアルカンタラいい? 国王とは私が話をするからアンタは余計なこと言わないでよ? いきなり100年前の勇者パーティーの生き残りなんて言ったら国王ビックリして倒れちゃうわ」
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