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 アキラと神の戦いは最終局面を迎える。

 竜人化したアキラは、神の放つ魔法を剣で斬り裂き、拳で叩き落とす。
 全身が凶器となったアキラは神に反撃する。
 竜神化したアキラの身体能力は神をも圧倒した。
『くそ……!』

 ボロボロの神は両手に魔力を貯める。
 空間が歪むほどの魔力が神の手のひらに集まった。

『はぁはぁ……ここまで追い詰められたのは初めてじゃ……素晴らしい力だったぞ。お前の生まれ育った人間界を……滅ぼすのが楽しみになったわいッ!』

 神は魔法を放つ。最大の攻撃だ。
 ドス黒い炎の渦がアキラを襲う。
『死ねぇえ! アキラ!』

「はぁはぁ……これで終わりだ……!」
 アキラは両手で剣を強く握りしめる。
『竜神の剣 レア度★★★★★』

 ど素人のサラリーマンだったアキラがここまで来た。
 部屋に突然できたダンジョン。
 花子やまどかと出会い、今では異世界の神を圧倒する世界最強の冒険者になった。
 神を倒せばダンジョンアイテムは消滅し、アキラはただの無職になる。

『もったいないけど仕方ないか』
 アキラはそんな事を思いながら、黒い炎の渦に向かって走り出す。

「うおおおお!」
 襲いかかる炎に剣を突き刺す。
 分厚い炎の渦が2つに裂ける。
『なにぃぃ!?』

 アキラそのまま一直線に神を目がけ飛びかかる。

「終わりだぁぁあッ!」
『ザッ!』

 アキラは剣を振り下ろす。
 剣は神の胸に深く突き刺さる。

「はぁはぁ……勝った……!」
 アキラの竜人化がとける。

『……ぐ。無念だ……』
 神の体が砂に変わり始める。

『ふ……ワシが死ねば……この世界はすぐに崩壊する……扉を壊されたお前らは……逃げることはでき……ん……』

 神は消滅した。

 ◇

 神を倒しボロボロのアキラはその場に倒れ込む。

「アキラさーーん!」
「……ん?」
 遠くから自分を呼ぶ声。アキラは空を見上げると城から落ちてくる花子とまどかの姿。

「は、花子さんとまどかちゃん!?」
「あれ? 風魔法が上手く使えない……!?」
「ちょ、ちょっと花子姉さん!?」
「「キャー!」」

 地面が近づいてもスピードが緩まない2人。
 神が消滅しダンジョンアイテムの力が安定しないのだ。

「あ、あぶな――ぐぇっ!」
 2人はアキラの上に落ちてきた。

「うぅ……ごめんなさい。魔法がうまくコントロールできなくて。なんででしょう?」
「アキラちゃんねるさん! 神を倒したんですわね! 無事でよかった……」
「……た、たった今、死にかけたよ……」

 2人の下敷きになるアキラだった。
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