社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ

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『ちっ、人間界にいった槍使いもやられたか……まあよい、扉は壊せたようだな』
 槍使いの消滅を感知した神は草原を進む。
 向かうは草原の片隅の地面にドス黒い渦。人間界へのトンネルだ。

「ま、待て!」
『ん?』
 アキラが神に追いつく。異世界の神で魔族の長老。小柄な体から発する威圧感にアキラは怯む。

『魔族は女に任せてきたのか? 舐められたものだな。アイツの力は四天王でも最強だぞ?』

「あの2人なら大丈夫だ。お前を……人間界へは行かせない!」
 アキラは剣を構える。

『ふふ……もう諦めんか。知らないだろうが、貴様らが帰ろうとしている扉はすでに破壊したわい』
「なに……!?」
『ありえない話じゃが貴様がワシを倒したところで、お前たちは皆ここで死ぬしかないんじゃ。ワシが死んでも、人間界への行ってもこの世界は崩壊する』

「それでも……お前を倒せば人間界は救われる……!」
 剣を握りしめ、飛び掛かるアキラ。

 人間界の存亡をかけた神との戦いが始まった。

 ◇

 その頃、魔法使いの魔族と対峙する花子とまどか。

「……まさか、ダンジョン配信者で一儲けしようと思ってたら、こんなことになるなんて、思ってもみなかったわね……」
「私もですわ。こいつらも倒したらダンジョンが崩壊するみたいですね……
 残念ながらダンジョン配信はもうできなくなっちゃいますけど……その時は私と大食い配信でもやりましょう、花子姉さん!」
「ふふ、それも楽しそうね! さあ、いきましょう!」

 花子は弓を引き、炎の矢を放つ。
『なんだこの弱々しい攻撃は?』

 一発一発は小さい矢、魔族はあっという間に衝撃波で放ち撃ち落とす。
「くっ、やっぱりこんな攻撃じゃ効かないわね……」

 花子の使う『聖なる弓』は魔力の消費を抑えつつ、連続で魔法を射ることができる便利なアイテムだ。
 しかし、魔族を相手には甘い魔法は通用しない。

 花子は手のひらに力を込める。
「はぁっ!」
『炎帝のブレスレット』を使い、強大な炎の渦を放つ。

『く……本当に信じられんな。人間がこのこれほどの魔力を……だが、魔族を舐めるなよ!』
 魔族は同じく炎魔法を放つ。花子の炎に負けず劣らずに巨大な炎で防ぐ。

「くぅ……炎魔法も使えるのね!」

 その隙にまどかは相手の背後に回り込み、剣を振り下ろすまどか。
「くらえっ!」
 背後からとらえた剣、魔族には見えていない。

 斬ったと思ったその時、魔族は氷の塊を作り出す。
『カンッ!』
「えっ!?」
 まどかの剣は氷の盾に阻まれる。

 そのまま魔族は2人を風魔法で吹き飛ばす。
「うっ! 氷魔法に……風魔法? なによアイツ……全部の魔法が使えるの?」
 同じ魔法使いの花子は恐怖する。

『ふっ、魔法は元々、我々魔族が創り出したものだ。
 人間の魔法使いが敵うわけないだろ』
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