社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ

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 ゴブリンを倒し続け、気づくともう寄ってくるモンスターはいなくなった。

「ふぅ……とりあえず草原のモンスターは全部やっつけたみたいですね」
「はい、強かったですけど……今の私たちの相手じゃありませんでしたね」

「さて、あの城まで行きたいんだが……どうするか?
 まどかさんは『大天使の羽根』でひとっ飛びだろうが我々は……」
 困り顔の虎石。

「それなら大丈夫です。ちゃんと考えてありますよ!」
 花子は得意げに言う。

 一箇所に固まる5人。
 花子は地面に向かって風魔法を放つ。

「おおっ! なるほど!」
 強風で5人が浮かび上がる。
 花子は風魔法をうまくコントロールし、空に浮かぶ城に近づく。

「うぅ……む、難しいわね……」
 器用な花子でも、なかなか上手く進むことができない。

「おい……花子さん……ここから落ちたら大ケガじゃ済まないぞ……!?」
「ま、まどかちゃん! アンタは飛べるんだから私たちをお城の方に押してちょうだい!」
「は、はい!」

 5人はフラフラと空を漂い、なんとか城の入り口までたどり着くことができた。

「ふう……ゴブリンよりこっちの方が疲れたよ……」

 ◇

 近くで見る城は、おとぎ話で見るような立派なものだった。

「おお、すげェ城だな……ここにナオコが……」
「よし、もう一度確認しておくぞ――」
 虎石が言う。

 ◆
 今回の冒険の目的はナオコの奪還だ。
 元々、崩壊寸前だったダンジョンはこの20年間はナオコの力で維持されている。
 ナオコも本来はそんな事に協力したくないが、ナオコが協力しないなら、人間界にモンスターが進出すると異世界の神に脅され協力している。

 そして、もう1つはダンジョンとは関係なく『トンネル』と呼ばれる、モンスターが人間界にやってくる異世界との通り道を使えなくすることだ。
 しかし、これは現状やり方が分からない。
 ナオコをさらった、異世界の神が関係している事は間違いない。
 ナオコを助け出した後に話を聞くことにする。
 ◆

 アキラたちの侵入に気づいたのか、城内が騒がしくなる。
 城のあちこちからモンスターが飛び出す。

「お? お出迎えみてェだな! アキラたちばっかりに頼っていられねェな!」
「ああ! 行くぞ、金剛寺!」
 襲いかかるモンスターたち。
 金剛寺は巨大な斧で擦り潰し、虎石は剣で華麗に斬る。

「すごい……あれがあの2人の実力か……」
 レベル99でトレーニングをしてきたアキラたちとは違い、レベル90までしか経験のない2人。
 はじめてのレベル100に通用するのか、少々の不安もあったがあっという間に消しとんだ。
 元世界最強冒険者は今でも最強冒険者だった。

 城内のモンスターを一蹴した2人。
「ガッハッハ! 俺たちもまだまだいけるなぁ!」
「ああ、それより……この城のどこにナオコがいるんだろうか……?」

 まさかお姫様のように、王の間に椅子に座って待っている訳は無いと分かってはいたが、モンスターがウヨウヨいるこの広い城内を探すのは大変そうだ。

「仕方ない、片っ端からナオコさんを探していきましょう!」

 その時、
『キサマらは何者だ?』
 城内に声が響く。
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