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「いました! あの川にモンスターがいます」
現場に着いた3人。
モンスターは川の中を進む。体長が10メーターほどある巨大な蛇だ。
幸い、周りには民家は無いところだった。
周りには警察も大勢集まり、空にはヘリコプターが飛んでいる。
「でかいな……あれが民家のほうに行ったら……大変なことになるぞ!」
「アキラくん!」
「え? 虎石さん!?」
モンスターが向かってくる橋の上に虎石の姿。
現場にはダンジョン省の人間が先に到着していた。
「大変なことになった……あの大きさのモンスターだ。
この世界では、君たちでも討伐は難しいだろう。
今、自衛隊が爆撃の準備をしている」
ダンジョンアイテムが使えないと思っている虎石。
「……虎石さん。大丈夫です。俺たちにやらせてください」
「な、何を言ってるんだ? 人間界では君たちだってあのモンスターを倒すことはできないぞ!?」
アキラたちは橋から飛び降りる。
常人なら落ちたらひとたまりもない高さの橋。
アキラたちはフワリと着地する。
「なっ!?」
驚く虎石。
河原に降り立つ3人にモンスターは向かってくる。
「よし……やってみます!」
花子はモンスターに向けての手を広げる。
『ゴゴゴ……!』
「あれは……ダンジョンアイテムが使えるのか!?」
虎石は橋の上から戦闘を見守る。
ダンジョン内ほどのパワーは無い火の球だが、モンスターの顔面に直撃する。
怯むモンスターにアキラとまどかが飛びかかる。
『ドラゴンの剣』と『雷神の剣』を振り下ろす。
100%の力ではない斬撃だが、レベル20のボスモンスターにはひとたまりもない攻撃。
のたうちまわるモンスターに3人は攻撃を続ける。
「はぁぁッ!」
アキラの剣がモンスターを貫いた。
巨大な蛇は砂になり消滅した。
「……ふぅ。よかった……」
◇
「3人ともご苦労だった。まさかダンジョンアイテムが使えるようになっていたとは……気付けなかったなんて情けない……」
「いえ……俺もついさっき、たまたま使えることに気づいただけなんです」
「そうか……ダンジョンアイテムを使えるほどに、この世界が異世界と繋がり始めたからこそ、この強さのモンスターが現れたと言うことか……」
「そういうことですかね……もうあまり時間がなさそうですね」
「……そういえば、明日、錬成師の婆さんに俺と金剛寺で、アキラくんの事務所に来るように言われているが……?」
「はい。その時、お話ししたいことがあります」
「……そうか」
アキラの真剣な眼差しを見て、虎石はそれ以上は何も聞かなかった。
◇
「それにしても、この世界でも魔法が使えるなんて驚きましたよ……」
「そうだよね……これからどうなってしまうんだろうか?」
「……でも、少しよかったです。私はアキラさんやまどかちゃんみたいに武器の扱いがうまいわけじゃないですから、ダンジョンアイテムが使えないと一般人と変わらないですからねっ。
これでやっと政府公認冒険者らしく、一般を守ることができそうです!」
力強く拳を握りしめる花子だった。
「花子さん……」
「それより! いよいよ明日ですね……」
「ええ、そうですわね……」
花子もまどかも緊張しているようだ。
緊張している年下の女の子2人を勇気づけようと、アキラも真剣な表情になる。
(ここはひとつ……カッコよく決めておくかっ!)
「2人とも! いよいよ明日はレベル90のダンジョンだ! 俺たちは人類最高難易度のダンジョ――」
『ピーピーピー』
カッコよくキメるアキラのスマートフォンが鳴る。
「ん? こんな時に……凛?」
『もしもし? お兄ちゃん? 今どこ?』
パーティーを抜け出したアキラに電話をかけてきた凛。
「えーっと……か、川……?」
『川!? 何してるの? デザートなくなっちゃうよ!?』
「デ、デザート……? あー……うん、戻るよ……」
『ピッ』
「…………2人とも! いよいよ明日はレベル90のダンジョンだ! 俺たちは人類最高難易度のダンジョンに挑むわけだが――」
「……早くパーティーに戻ったほうがいいですよ……今更カッコつけられても……」
「……そうするよ……2人も来る……?」
明日はレベル90のダンジョンだ。
現場に着いた3人。
モンスターは川の中を進む。体長が10メーターほどある巨大な蛇だ。
幸い、周りには民家は無いところだった。
周りには警察も大勢集まり、空にはヘリコプターが飛んでいる。
「でかいな……あれが民家のほうに行ったら……大変なことになるぞ!」
「アキラくん!」
「え? 虎石さん!?」
モンスターが向かってくる橋の上に虎石の姿。
現場にはダンジョン省の人間が先に到着していた。
「大変なことになった……あの大きさのモンスターだ。
この世界では、君たちでも討伐は難しいだろう。
今、自衛隊が爆撃の準備をしている」
ダンジョンアイテムが使えないと思っている虎石。
「……虎石さん。大丈夫です。俺たちにやらせてください」
「な、何を言ってるんだ? 人間界では君たちだってあのモンスターを倒すことはできないぞ!?」
アキラたちは橋から飛び降りる。
常人なら落ちたらひとたまりもない高さの橋。
アキラたちはフワリと着地する。
「なっ!?」
驚く虎石。
河原に降り立つ3人にモンスターは向かってくる。
「よし……やってみます!」
花子はモンスターに向けての手を広げる。
『ゴゴゴ……!』
「あれは……ダンジョンアイテムが使えるのか!?」
虎石は橋の上から戦闘を見守る。
ダンジョン内ほどのパワーは無い火の球だが、モンスターの顔面に直撃する。
怯むモンスターにアキラとまどかが飛びかかる。
『ドラゴンの剣』と『雷神の剣』を振り下ろす。
100%の力ではない斬撃だが、レベル20のボスモンスターにはひとたまりもない攻撃。
のたうちまわるモンスターに3人は攻撃を続ける。
「はぁぁッ!」
アキラの剣がモンスターを貫いた。
巨大な蛇は砂になり消滅した。
「……ふぅ。よかった……」
◇
「3人ともご苦労だった。まさかダンジョンアイテムが使えるようになっていたとは……気付けなかったなんて情けない……」
「いえ……俺もついさっき、たまたま使えることに気づいただけなんです」
「そうか……ダンジョンアイテムを使えるほどに、この世界が異世界と繋がり始めたからこそ、この強さのモンスターが現れたと言うことか……」
「そういうことですかね……もうあまり時間がなさそうですね」
「……そういえば、明日、錬成師の婆さんに俺と金剛寺で、アキラくんの事務所に来るように言われているが……?」
「はい。その時、お話ししたいことがあります」
「……そうか」
アキラの真剣な眼差しを見て、虎石はそれ以上は何も聞かなかった。
◇
「それにしても、この世界でも魔法が使えるなんて驚きましたよ……」
「そうだよね……これからどうなってしまうんだろうか?」
「……でも、少しよかったです。私はアキラさんやまどかちゃんみたいに武器の扱いがうまいわけじゃないですから、ダンジョンアイテムが使えないと一般人と変わらないですからねっ。
これでやっと政府公認冒険者らしく、一般を守ることができそうです!」
力強く拳を握りしめる花子だった。
「花子さん……」
「それより! いよいよ明日ですね……」
「ええ、そうですわね……」
花子もまどかも緊張しているようだ。
緊張している年下の女の子2人を勇気づけようと、アキラも真剣な表情になる。
(ここはひとつ……カッコよく決めておくかっ!)
「2人とも! いよいよ明日はレベル90のダンジョンだ! 俺たちは人類最高難易度のダンジョ――」
『ピーピーピー』
カッコよくキメるアキラのスマートフォンが鳴る。
「ん? こんな時に……凛?」
『もしもし? お兄ちゃん? 今どこ?』
パーティーを抜け出したアキラに電話をかけてきた凛。
「えーっと……か、川……?」
『川!? 何してるの? デザートなくなっちゃうよ!?』
「デ、デザート……? あー……うん、戻るよ……」
『ピッ』
「…………2人とも! いよいよ明日はレベル90のダンジョンだ! 俺たちは人類最高難易度のダンジョンに挑むわけだが――」
「……早くパーティーに戻ったほうがいいですよ……今更カッコつけられても……」
「……そうするよ……2人も来る……?」
明日はレベル90のダンジョンだ。
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