130 / 183
130
しおりを挟む
「うーん……久しぶりの休みだけど……やることがないわね……」
花子の休日。彼女には悲しいほどにやることが無かった。
「アキラさんは召喚獣を鍛えるし、まどかちゃんは凜ちゃんとダンジョンへ行くって言うし……あの人たちは休みもダンジョンの事しか考えてないわね」
すっかりダンジョン中毒のアキラとまどかを呆れる花子。
「よし、時間もあることだし……たまにはライバルダンジョン配信者の動画をチェックでもしようかしら?」
まったく人のことを言えない花子だった。
最近はすっかりトップ冒険者でありトップ配信者になった『アキラちゃんねる』、脅かす存在は少なくなってきたが最新の配信者のチェックは怠らない、プロデューサーの鏡だった。
「ふむふむ。何よコレ? 『ダンジョンで激辛料理食べてみた』!? 『ダンジョンでモンスターと踊ってみた』!? まったく、ふざけた配信者が増えてきたわね……」
流行にすっかりついていけなくなっている25歳の花子だった。
「そうだ! 前から虎石さんや金剛寺さんの現役時代のことを調べてみようと思ったのよね……」
花子はインターネットで伝説のパーティーである彼らのことを調べた。
人類初のレベル50ダンジョンクリアなど、輝かしい記録が書かれていた。
「本当すごいわね……まだダンジョンの事があまり解明されていない時代に……」
パーティーの写真もたくさん出てくる。
「ふふ……店長若い頃は爽やかなのになぁ……虎石さんは相変わらず強そう……あら? この女の人は……?」
金剛寺や虎石と仲良さそうに映る1人の女性。
「どこかで見たことあるような……?
あっ! 前に店長のお店に持って行った、雑誌の切り抜きに写ってた人だ!」
以前、若い頃の店長の写真を見せ、昔話を聞き過ぎて、店長を怒らせてしまったことを思い出す。
「あのときの店長はガチ怒りだったな……誰なのかしら?」
花子は検索を続ける。パーティーのメンバーの名前が出てくる。
「虎石ジュンジ……金剛寺ユウキ……XXXX……XXXX…………武者小路 ナオコ……?」
有名な冒険者に並んで出てくる武者小路ナオコという聞いたことのない冒険者。
「あれ? 武者小路って……錬成師のお婆さん!? でもこの写真の女性は20歳くらいよね……?」
写真の店長と虎石も20代半ば、20年ほど前に撮られた写真だろう。
「……でも、あのお婆さんは20年前でも結構な年よね? となると、この武者小路ナオコさんはお婆さんの子供……いや、孫?」
武者小路、なかなかいる苗字ではない。きっと親族なのだろう。と、花子は思った。
花子は調べものを続ける。休日はまだ始まったばかりだ。
花子の休日。彼女には悲しいほどにやることが無かった。
「アキラさんは召喚獣を鍛えるし、まどかちゃんは凜ちゃんとダンジョンへ行くって言うし……あの人たちは休みもダンジョンの事しか考えてないわね」
すっかりダンジョン中毒のアキラとまどかを呆れる花子。
「よし、時間もあることだし……たまにはライバルダンジョン配信者の動画をチェックでもしようかしら?」
まったく人のことを言えない花子だった。
最近はすっかりトップ冒険者でありトップ配信者になった『アキラちゃんねる』、脅かす存在は少なくなってきたが最新の配信者のチェックは怠らない、プロデューサーの鏡だった。
「ふむふむ。何よコレ? 『ダンジョンで激辛料理食べてみた』!? 『ダンジョンでモンスターと踊ってみた』!? まったく、ふざけた配信者が増えてきたわね……」
流行にすっかりついていけなくなっている25歳の花子だった。
「そうだ! 前から虎石さんや金剛寺さんの現役時代のことを調べてみようと思ったのよね……」
花子はインターネットで伝説のパーティーである彼らのことを調べた。
人類初のレベル50ダンジョンクリアなど、輝かしい記録が書かれていた。
「本当すごいわね……まだダンジョンの事があまり解明されていない時代に……」
パーティーの写真もたくさん出てくる。
「ふふ……店長若い頃は爽やかなのになぁ……虎石さんは相変わらず強そう……あら? この女の人は……?」
金剛寺や虎石と仲良さそうに映る1人の女性。
「どこかで見たことあるような……?
あっ! 前に店長のお店に持って行った、雑誌の切り抜きに写ってた人だ!」
以前、若い頃の店長の写真を見せ、昔話を聞き過ぎて、店長を怒らせてしまったことを思い出す。
「あのときの店長はガチ怒りだったな……誰なのかしら?」
花子は検索を続ける。パーティーのメンバーの名前が出てくる。
「虎石ジュンジ……金剛寺ユウキ……XXXX……XXXX…………武者小路 ナオコ……?」
有名な冒険者に並んで出てくる武者小路ナオコという聞いたことのない冒険者。
「あれ? 武者小路って……錬成師のお婆さん!? でもこの写真の女性は20歳くらいよね……?」
写真の店長と虎石も20代半ば、20年ほど前に撮られた写真だろう。
「……でも、あのお婆さんは20年前でも結構な年よね? となると、この武者小路ナオコさんはお婆さんの子供……いや、孫?」
武者小路、なかなかいる苗字ではない。きっと親族なのだろう。と、花子は思った。
花子は調べものを続ける。休日はまだ始まったばかりだ。
53
お気に入りに追加
756
あなたにおすすめの小説
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる