社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ

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「レ、レア度★★★★★!?」
 震え上がる花子。
 今まではずっと運が悪く、レアアイテムには縁のなかった花子だが、やっと出たレアアイテムはまさかのまさかのレア度★★★★★だった。

「す、すごいよ……花子さん……!」

「レア度★★★★★は世界でも数少ないって店長が言ってましたわ!」

 花子は『炎帝のブレスレット』を見る。炎魔法の力を大幅に上げる能力アップアイテムのようだ。
「わ、私が……こんなアイテムを使っていいのかしら?」

「もちろんだよ! むしろ炎魔法を使う花子さんにピッタリのアイテムじゃないか!」

 数百万円の価値があると言われている、世界で10個も見つかっていないレア度★★★★★のアイテム。
 花子は自分の手首に装備した。
 トップ冒険者でもなかなか持っていないレア度のアイテム、どれほどパワーアップしたのか? 早く使ってみたい花子だった。

「……うん! しっくりきます! 二人ともありがとございました!」

「しかし、ダンジョンのレベルを18に上げた途端にこのレアアイテムが出るとは……」

「ええ、もっと上のダンジョンに行きたくなっちゃいますね!」

「よし! 花子さんの炎魔法もパワーアップすることだし、一気にレベル20まであげようか!」

 やはり、レアアイテムを取るためには、ダンジョンのレベルを上げるしかない。3人はそう思い、さらなる上のダンジョンに行くことにした。

 早速、レベル20のダンジョンに入る。
 もちろん、今までで最高難易度のダンジョンだ。
 ダンジョンに入ると、今までとは違う物々しい雰囲気。
 すぐにモンスターたちが現れ、3人を取り囲む。

「来ましたね……2人とも下がってください! パワーアップした私の炎魔法を試してみます」
 やっと手に入れたレアアイテム。早く魔法使いたくてしょうがない花子は『火の杖』を構える。

「くらえ! 炎魔法!」
 花子は、杖を振り下ろす。もちろんフルパワーだ。

『ゴゴゴ……』
 巨大な火の玉が現れた。
 今までの花子の炎魔法の数十倍の大きさだ。
 ダンジョン内の温度が一気に上がる。

「……え?」
 火の玉はモンスターに向かって飛んでいき、数十体のモンスターを飲み込んだ。

「す、すごい! すご過ぎるよ、花子さん! 大魔法使いじゃないか!」

 花子の炎魔法は、一撃でダンジョン内のモンスターを全滅させた。

「これがレア度★★★★★の力なんですね……恐ろしいです……うっ!」
 花子は胸を抑え、その場にうずくまる。

「は、花子さんッ!? 大丈夫!?」
「花子姉さん! どうしましたか!?」
 心配そうに駆け寄るアキラとまどか。

「だ、大丈夫……です。ちょっと胸が苦しくなって、フラついただけです……」
 呼吸が荒い花子。

「少し休もうか……」

 しばらく休むと、体調は戻った。
「ふぅ……すみません。もう大丈夫です。あービックリしました!」

「……あれだけ強力な魔法だし、魔力を使いすぎたのかな?」

「そうかもしれません。今まで『火の杖』を使ってもこんな事はなかったので……『炎帝のブレスレット』のせいでしょうね」

 炎魔法を大幅にパワーアップさせられる『炎帝のブレスレット』、しかし、その強すぎる魔力に花子はまだ耐えられなかったようだ。

「これから炎魔法は気をつけて使っていこうね」

「そうですね。初めてだったんでフルパワーで使っちゃったんで、そのせいもあると思います。
 今後は加減して使っていきますね。それでも充分強いと思うので」

「気をつけてくださいね、花子姉さん。
 それにしても、私やアキラちゃんねるさんの剣もそうですけど、レア度の高いアイテムは強力だけど、使いこなすのが難しいようですわね……」

 レアアイテムは強力な分、使い手の力量も問われるようだ。
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