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「あ、そろそろダンジョン配信始めるってSNSで告知しておきますね!」

「SNS? いつの間に……」

「今の時代、ライブ配信の告知は当たり前ですよ。ライブ配信は視聴者がいてナンボなんですから!」

 SNSも活用し、『アキラちゃんねる』の登録者は増え始めている。
 花子とチームを組んで本当によかった。アキラはそう思った。


 新アイテム『黒のヘルメット』を装備し、今日もダンジョンへ向かう。

「お、いい感じのヘルメットだ! 頑丈そうだし、サイズもピッタリだ」

 ダンジョンアイテムは異世界の不思議な力で作られている。
 頭を守るヘルメットだが、頭以外の箇所も防御力は上がる。
 この不思議な力はダンジョン内限定で、現実世界で使ってもただのヘルメットになってしまうのだ。

「ふふふ、私のセンスで選んだんだから当然ですよ。私の『防御の指輪』もピッタリサイズで最高です!」

 もちろん、花子の指輪も全身の防御力がアップする。


「さて、今日はどのレベルのダンジョンにしよっか? レベル1、レベル2と来たから次はやっぱりレベル3かな!?」

 ズラッと扉が並ぶロビー、新装備にウキウキのアキラが言った。

「そうですね……今日はカメラも装備も新しいので、試す意味でも簡単なのがいいですね」

「確かに……そうなるとレベル3かな? そういえば……1回クリアしたダンジョンもまた入れるのかな?」

 アキラはレベル2の扉を開き中を覗いてみる。
 ダンジョン内は前回と同じような雰囲気。

「あっ! 何回でも冒険できるみたいだね!」

「じゃあ今日はカメラテストも兼ねて、またレベル2にしましょうか。
 コウモリのモンスターもなかなか手ごわかったですし、いいやられっぷり期待してますよ!」

「やらっれっぷりね……やらせみたいで嫌だなぁ……」

 花子は『アキラのやられる姿はウケる!』と確信していた。


「じゃあ、さっそくカメラ回しますよ」

 花子は新しい高画質のカメラで撮影を始める。

 SNSでの告知のおかげで配信前から視聴者が大勢待機している。

「ゴホン。 こんばんわ! 『アキラチャンネル』はじまりました!
 みなさん! ヘルメットを被ってますけどアキラですよ!
 今日は、前回と同じくレベル2のダンジョンへ行こうと思います!」

 ◆コメント欄◆

【名無し あれ? 目出し帽やめたんだ】


【名無し そのヘルメット見たことあるな。ダンジョンアイテムじゃないか?】


【名無し おいおい、画質メチャクチャ上がってんじゃん!】


【名無し アシスタント雇って、カメラ買って、ダンジョンアイテム装備して……新人が調子乗んなよ??】


『アキラちゃんねる』も今日で3日連続の配信だ。
 固定視聴者もだんだんついてきた。

「それでは! いざダンジョンへ!」
 アキラはレベル2の扉を開く。
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