社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ

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「そういえば、花子さんはダンジョンへ行ったことはあるの?」

「実はないんですよね……配信を見るのは好きなんですけど自分で冒険はいいかなって。
 運動音痴だし……入場料も高いし、なかなか行けませんよ」

 ダンジョン配信が流行り出し、ダンジョンを冒険する者も増えたが、配信だけを見て満足する視聴者も多かった。


「そっか、じゃあ今日が初ダンジョンだね!」

「はい! ちょっと楽しみです! カメラマンは任せてください!」

「あ、カメラマンと言えば……」

 ここで一つ問題に気づくアキラ。

「前の配信では、自分でスマートフォンを手に持ってたから顔が映らなかったけど、花子さんが撮影となると俺の顔映るよね? どうしよう?」

「うーん……そうですね。顔出しNGの配信者はお面やマスクを使いますけど……アキラさん何か顔隠せるもの持ってませんか?」

「お面は無いな、あっ、顔を隠すんだったらいいのがあるかも!」



 アキラはタンスの中から真っ黒の目出し帽を引っ張り出す。

「これなら目しか出ないからいいんじゃない?」

「これって……銀行強盗とかが被ってるやつじゃないですか?」

「銀行強盗じゃなくても被るよ! 昔、スキーの時に使ってたんだ。防寒用だよ」

「まあ顔は隠せますけど、なんというか……華がありませんね。
 私はアキラさんに配信者として成功してほしいですけど、若者が憧れるインフルエンサーにもなって欲しいんですよ」

「お、俺がインフルエンサー!?」

「はい! のちのちは『アキラちゃんねる』のグッズ展開も考えてるので、もっとオシャレな仮面がいいんですが……まあ、今日はこれでいきましょう。衣装は早急に考えておきます」

「頼りになるよ、プロデューサー……」


 二人は引き出しからダンジョンへと入る。

「ここからハシゴで降りるんですね。怖いですね」

 運動音痴の花子は10段程のハシゴを降りるのも一苦労だ。

「じゃあ俺が先に降りるよ」

「お願いします。もし私が落ちたら受け止めてくださいね!」


 先にハシゴを降りるアキラ。

「大丈夫かい? 花子さん?」

 アキラは視線を上の花子へ向ける。

 その時、

「!!!」

 仕事帰りの彼女はOLらしくスカートを履いていた。
 当然、アキラの目には花子のパンツが飛び込んできた。

(……これがレアアイテムってやつか!?)

「はい……怖いですね……」

 慣れないハシゴをぎこちなく降りる花子。

「ゆっくり……ゆっくり降りておいで……へへへ」

 アキラは必要以上に花子をゆっくりと下ろした。なぜかは彼女は知らない。
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