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二十七、潜入捜査を始めましょう
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馬車に揺られること数時間。私たちは伯爵の屋敷に到着する。貴族社会で目にするもののすべてが初めてとなる私にとって、伯爵邸というのは圧倒されるものだった。
旦那様のお城も含め、どうして貴族のお屋敷はこうも揃って広いのか。掃除が大変だとは思わないのだろうか。仮にこの屋敷に人魚がいたとしても探す出すのは困難だ。
まずは伯爵様とお近づきになることから始めるべきかしら?
美術品に宝石だとか、ましてや絵画にもまったく興味はないけれど、それらしく振る舞ってみせましょう。
思案に耽る私の手を握ってくれるのは旦那様で、叶うことならまだその手を離したくはない。
「おっ、歩く姿も様になってきたじゃないか」
「素敵な旦那様の隣に立たせていただくのですから、自然と背筋も伸びるというものですわ。ところで、旦那様」
見上げたお屋敷は夜のせいか少し悲し気に映る。というか不気味に見える。賑やかな会場からは眩しいほどの灯りが漏れているが、灯りの消えた部屋はいくつもあるのだ。
まさか本当に、出たりしないわよね?
「どうした?」
不安から、私の腕を握る力は強くなっていたらしい。
「参考までにお聞きしたいのですが、喧嘩は強い方ですか?」
突然の質問に驚きながらも旦那様は真面目に考え込んでくれる。
「そこそこじゃないか? 少なくともエリクよりは強いと思うぜ。昔エリクと握手した時の話なんだが、あいつが手に力を入れてきてな。少しやり返してやったら、この馬鹿力! 僕の手が砕けたらどうしてくれるのと理不尽に怒られた」
「エリクらしいですね」
「だろ? まあたとえ喧嘩に弱かったとしてもだ。大事な奥さんはしっかり守るから安心しとけ」
「旦那様っ……!」
これほど旦那様に感動したのは初めてかもしれない。幽霊相手に腕力が役に立つかは別として。
「私を一人にしないで下さいね!」
「そりゃいい誘い文句だが、俺がそばにいると伯爵が遠慮するかもしれないぜ」
「遠慮、ですか?」
「そっ。伯爵はな、とにかく話が長い。大抵はコレクションの自慢だが、さすがに長い話は相手を選ぶ。俺はどうせ話しても興味がないって諦められてるからな。お前はとにかく同意しまくって伯爵に心を開かせろ。そして相手の懐に入りこめ!」
旦那様からの無茶ぶりにしっかりと頷き、私は初めての夜会へと足を踏み入れた。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
屋敷に入った瞬間から私たちは手厚い歓迎を受けた。急ぎ足でこちらへと向かって来る男性が主催者だろう。
「ラージェス様、ようこそお越し下さいました。お忙しいところ足を運んでいただき、光栄にございます。どうか今宵は存分にお楽しみいただけますよう」
見た感じには好意的な態度だ。楽しげに談笑し、旦那様も笑顔で答えている。でもこの人は旦那様が人魚を保護することに否定的なのだという。
「ところでラージェス様。そちらの美しい方が?」
視線を向けられた私は自ら名乗りを上げた。
「初めまして。妻のエスティーナと申します。このたびはお招きありがとうございます」
「これはエスティーナ様、貴女のようなお美しい方とお会い出来ましたこと嬉しく思います。聞くところによるとエスティーナ様は大層目が肥えていらっしゃるのだとか。ぜひこれまで目にされた品についての話を伺いたいものですな」
初対面の私にも変わらない笑顔。でも少し、過剰ににこにこしすぎている気もするけれど。
――て、そうじゃなくて! えーと、えーと、ここで夫を困らせていそうな妻の演技の出番ね!?
「私、今日を楽しみにしていましたのよ。主人から、伯爵様なら私を満足させて下さると聞いていますの」
「それは嬉しいお言葉ですな! ぜひゆっくりとお話させていただきたいものです。まずは飲み物でも、どうぞゆっくりと過ごされて下さい」
主催者というだけあって忙しくしているようだし、私たちが独り占めすることも難しそうだ。少し残念に思いながらも去っていく伯爵の背中を注意深く見つめた。そんな私の肩を力を抜けとでも言うように旦那様が叩く。
「動向には気を配っておくが、まずは俺たちにも仕事が待ってるぜ」
俺たち?
「何かありましたか?」
「ここは社交場だからな。お前と話したいって奴がお待ちかねだ」
旦那様が目配せした先には私たちの到着を今か今かと待ちわびている、そんな熱意を感じた。
あ、はい、王子様……ひいてはその妻である私とお近づきになりたい人は多いようで。
それこそ挨拶の列が出来るほどにね!
「しっかり頼むぞ、奥さん」
主催者である伯爵も忙しそうにしているけれど、私たちの忙しさだって負けていないと思う。挨拶のしすぎで挨拶とは何か、自分の名前とは何かまでを哲学的に考えそうになってしまった。
私は旦那様に連れられてたくさんの人に挨拶をした。私を見せびらかすという話は本当だったのか、この会場だけで覚えきれないほどの人と言葉を交わした。
これからは、これが私の日常になる。私のために力を尽くしてくれた旦那様に恥をかかせるわけにはいかないと気を引き締めた。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
妻である私と、本物の王子様である旦那様。どちらがより挨拶の列が長いかと言えば、もちろん後者だ。挨拶から解放された私は未だ囲まれている旦那様を横目に、壁の絵画を見つめていた。
本当は今すぐ料理に突撃したいけれど、他のお客様からはしたないと思われてもいけない。私の行動はちらちらと遠巻きに観察されているのだ。
でも、美味しそうよねえ……
「はあ……」
旦那様も美味しいと言っていたし、食べたいわ……
「美しいでしょう?」
そんな私に話しかけてきたのは伯爵様でした。
「突然失礼致しました。随分と熱心に見入っていらっしゃいましたので、気に入っていただけたのかと」
もしかして感嘆のため息だと思われました?
「ええ、とても素晴らしいと感じていたところです」
私は台詞に合わせて恍惚とした表情を作る。私にとって会場に用意されていたケーキのイチゴの方が魅力的だとしてもだ。
ゆっくり食べたかったわ……
だとしてもケーキのことしか考えていなかったなんて言えないんだから! 旦那様だって満足に手をつけられずに社交をしているのよ。私だって我慢しないといけないわ!
私が意気込む横では伯爵が延々と絵の自慢をしている。そこからは長い長い自慢話が始まったとだけ記しておこう。つまり、詳細は私もほとんど覚えていない。旦那様が言っていたように話は長く、どうやって手に入れただの、どこが良いだの、私には縁遠い話ばかりだった。
「貴重なお話をありがとうございます。とても、興味深いお話でしたわ」
「おおっ! エスティーナ様は随分と話がわかる方のようですな」
当たり障りのない感想のつもりだったけれど、伯爵はとても喜んでくれた。
「私、こんなにも興味深いお話を聞いたのは初めてですわ。あの人ったら、ちっとも私のことをわかって下さらないんですもの。いつも退屈なお話ばかり。ですから私、今日はとても楽しいのですわ」
「ええ、ええ、わかりますとも。私たちは少しばかり、他人には理解し難いのでしょうな」
私の答えが気に入ったのか、伯爵は周囲に気を配ってから声を潜めた。
「ところでエスティーナ様、これから少し時間をいただけませんでしょうか。ぜひ見ていただきたいものがあるのです」
これは……もしかして釣られてくれたのかしら!?
旦那様のお城も含め、どうして貴族のお屋敷はこうも揃って広いのか。掃除が大変だとは思わないのだろうか。仮にこの屋敷に人魚がいたとしても探す出すのは困難だ。
まずは伯爵様とお近づきになることから始めるべきかしら?
美術品に宝石だとか、ましてや絵画にもまったく興味はないけれど、それらしく振る舞ってみせましょう。
思案に耽る私の手を握ってくれるのは旦那様で、叶うことならまだその手を離したくはない。
「おっ、歩く姿も様になってきたじゃないか」
「素敵な旦那様の隣に立たせていただくのですから、自然と背筋も伸びるというものですわ。ところで、旦那様」
見上げたお屋敷は夜のせいか少し悲し気に映る。というか不気味に見える。賑やかな会場からは眩しいほどの灯りが漏れているが、灯りの消えた部屋はいくつもあるのだ。
まさか本当に、出たりしないわよね?
「どうした?」
不安から、私の腕を握る力は強くなっていたらしい。
「参考までにお聞きしたいのですが、喧嘩は強い方ですか?」
突然の質問に驚きながらも旦那様は真面目に考え込んでくれる。
「そこそこじゃないか? 少なくともエリクよりは強いと思うぜ。昔エリクと握手した時の話なんだが、あいつが手に力を入れてきてな。少しやり返してやったら、この馬鹿力! 僕の手が砕けたらどうしてくれるのと理不尽に怒られた」
「エリクらしいですね」
「だろ? まあたとえ喧嘩に弱かったとしてもだ。大事な奥さんはしっかり守るから安心しとけ」
「旦那様っ……!」
これほど旦那様に感動したのは初めてかもしれない。幽霊相手に腕力が役に立つかは別として。
「私を一人にしないで下さいね!」
「そりゃいい誘い文句だが、俺がそばにいると伯爵が遠慮するかもしれないぜ」
「遠慮、ですか?」
「そっ。伯爵はな、とにかく話が長い。大抵はコレクションの自慢だが、さすがに長い話は相手を選ぶ。俺はどうせ話しても興味がないって諦められてるからな。お前はとにかく同意しまくって伯爵に心を開かせろ。そして相手の懐に入りこめ!」
旦那様からの無茶ぶりにしっかりと頷き、私は初めての夜会へと足を踏み入れた。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
屋敷に入った瞬間から私たちは手厚い歓迎を受けた。急ぎ足でこちらへと向かって来る男性が主催者だろう。
「ラージェス様、ようこそお越し下さいました。お忙しいところ足を運んでいただき、光栄にございます。どうか今宵は存分にお楽しみいただけますよう」
見た感じには好意的な態度だ。楽しげに談笑し、旦那様も笑顔で答えている。でもこの人は旦那様が人魚を保護することに否定的なのだという。
「ところでラージェス様。そちらの美しい方が?」
視線を向けられた私は自ら名乗りを上げた。
「初めまして。妻のエスティーナと申します。このたびはお招きありがとうございます」
「これはエスティーナ様、貴女のようなお美しい方とお会い出来ましたこと嬉しく思います。聞くところによるとエスティーナ様は大層目が肥えていらっしゃるのだとか。ぜひこれまで目にされた品についての話を伺いたいものですな」
初対面の私にも変わらない笑顔。でも少し、過剰ににこにこしすぎている気もするけれど。
――て、そうじゃなくて! えーと、えーと、ここで夫を困らせていそうな妻の演技の出番ね!?
「私、今日を楽しみにしていましたのよ。主人から、伯爵様なら私を満足させて下さると聞いていますの」
「それは嬉しいお言葉ですな! ぜひゆっくりとお話させていただきたいものです。まずは飲み物でも、どうぞゆっくりと過ごされて下さい」
主催者というだけあって忙しくしているようだし、私たちが独り占めすることも難しそうだ。少し残念に思いながらも去っていく伯爵の背中を注意深く見つめた。そんな私の肩を力を抜けとでも言うように旦那様が叩く。
「動向には気を配っておくが、まずは俺たちにも仕事が待ってるぜ」
俺たち?
「何かありましたか?」
「ここは社交場だからな。お前と話したいって奴がお待ちかねだ」
旦那様が目配せした先には私たちの到着を今か今かと待ちわびている、そんな熱意を感じた。
あ、はい、王子様……ひいてはその妻である私とお近づきになりたい人は多いようで。
それこそ挨拶の列が出来るほどにね!
「しっかり頼むぞ、奥さん」
主催者である伯爵も忙しそうにしているけれど、私たちの忙しさだって負けていないと思う。挨拶のしすぎで挨拶とは何か、自分の名前とは何かまでを哲学的に考えそうになってしまった。
私は旦那様に連れられてたくさんの人に挨拶をした。私を見せびらかすという話は本当だったのか、この会場だけで覚えきれないほどの人と言葉を交わした。
これからは、これが私の日常になる。私のために力を尽くしてくれた旦那様に恥をかかせるわけにはいかないと気を引き締めた。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
妻である私と、本物の王子様である旦那様。どちらがより挨拶の列が長いかと言えば、もちろん後者だ。挨拶から解放された私は未だ囲まれている旦那様を横目に、壁の絵画を見つめていた。
本当は今すぐ料理に突撃したいけれど、他のお客様からはしたないと思われてもいけない。私の行動はちらちらと遠巻きに観察されているのだ。
でも、美味しそうよねえ……
「はあ……」
旦那様も美味しいと言っていたし、食べたいわ……
「美しいでしょう?」
そんな私に話しかけてきたのは伯爵様でした。
「突然失礼致しました。随分と熱心に見入っていらっしゃいましたので、気に入っていただけたのかと」
もしかして感嘆のため息だと思われました?
「ええ、とても素晴らしいと感じていたところです」
私は台詞に合わせて恍惚とした表情を作る。私にとって会場に用意されていたケーキのイチゴの方が魅力的だとしてもだ。
ゆっくり食べたかったわ……
だとしてもケーキのことしか考えていなかったなんて言えないんだから! 旦那様だって満足に手をつけられずに社交をしているのよ。私だって我慢しないといけないわ!
私が意気込む横では伯爵が延々と絵の自慢をしている。そこからは長い長い自慢話が始まったとだけ記しておこう。つまり、詳細は私もほとんど覚えていない。旦那様が言っていたように話は長く、どうやって手に入れただの、どこが良いだの、私には縁遠い話ばかりだった。
「貴重なお話をありがとうございます。とても、興味深いお話でしたわ」
「おおっ! エスティーナ様は随分と話がわかる方のようですな」
当たり障りのない感想のつもりだったけれど、伯爵はとても喜んでくれた。
「私、こんなにも興味深いお話を聞いたのは初めてですわ。あの人ったら、ちっとも私のことをわかって下さらないんですもの。いつも退屈なお話ばかり。ですから私、今日はとても楽しいのですわ」
「ええ、ええ、わかりますとも。私たちは少しばかり、他人には理解し難いのでしょうな」
私の答えが気に入ったのか、伯爵は周囲に気を配ってから声を潜めた。
「ところでエスティーナ様、これから少し時間をいただけませんでしょうか。ぜひ見ていただきたいものがあるのです」
これは……もしかして釣られてくれたのかしら!?
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