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十八、港町食べ歩き~旦那様と一緒
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「ど、どうでしたか!?」
戻るなり緊張した面持ちのニナに訊ねられる。けれど瞳の奥には隠し切れない好奇心が覗いていて、可愛いなと思った。
「不思議な人、だったわね」
「そうですか? 確かに独特の雰囲気の人でしたけど、素敵な方でしたよ」
「ニナったら、よほど占いの結果が良かったみたいね」
「も、もしかして奥様っ……何か良くない結果が出たんですか!?」
あれは、どう捉えるべきなのかしら……
「そんなことはない、と思うけれど……。占いとはあまり縁のない生活を送っていたから、どう受け止めたらいいのか、占いとの付き合い方がわからないのかもしれないわ」
あの人もそんな私の本質を見抜いていたのかもしれない。仕事ばかりの毎日では雑誌なんてもっての外。テレビの占いコーナーだって満足に試聴したのはいつが最後だろう。
「奥様……苦労されていたんですね!」
「へ?」
まあ、確かに仕事は大変だったけれど……
「いいんです! あの、私たちちゃんとわかってますから!」
「何が?」
「異国でたくさん苦労されていたんですよね!」
「そういう解釈なの?」
「解釈?」
「こちらの話です」
「だから奥様、遠慮なさらないで下さいね! このお城で働く人たちって、事情を抱えた人も多いんです。だから私たちみんな、ちゃんとわかってます。旦那様が選んだ方なら間違いはないと言うか、奥様にはこれまで苦労された分、美味しい物をたくさん食べたり、とにかく幸せになってもらいたいんです!」
「ニナったら……貴女、随分と話のわかる人なのね! そうなのよ。美味しい物を食べると幸せになれるのよ! 一緒に美味しい物を食べまくりましょうね!」
「はい!」
私たちは手を取り合って感動を分かち合う。歩いてお腹にも余裕が出来たことだし、何か食べてもいい頃合いだろう。
行きたい店はあるけれど、ニナと二人で向かっても大丈夫なものかしら……
「エスティ?」
思案する私を呼ぶのは聞き慣れた声だ。慣れ親しんだ私の愛称だけれど、それを知るのはこの国ではまだほんの一握り、それも呼ぶことを許した人物は一人だけである。振り返ると旦那様が驚いた表情で私たちを見つめていた。
「こんなところで何してるんだ?」
足早に駆け寄るなり追及される。
「ニナに頼んで町を案内してもらっていたのですわ」
「なんだ。俺に頼めばいつでも案内してやったのに」
旦那様は拗ねた口調で呟いた。
「忙しい旦那様の手を煩わせるつもりはありません。本日もお仕事だと聞いています」
「朝は悪かったな。一人にしちまって、寂しかっただろ」
「旦那様が気に病まれることはありません。私は私の夫が責任感が強く在り、人々から慕われる人間であることを心より嬉しく感じていますもの」
「お前にそう言われると嬉しいもんだな。けど、そこは寂しかったって言われたいのが男心だぜ。次はよろしく頼む」
「はあ……」
「察してくれよ」
旦那様は拗ねていたかと思えば、早急にいつものペースに戻った。となれば私の対応もいつも通りというものだ。
「なあ、仕事は終わったぜ。これから一緒に飯でも食わないか」
「喜んでご一緒しますわ! ニナ、貴女も……」
「大変です奥様!」
「え、何!?」
大袈裟ともいえるリアクションでニナが声を上げるものだから私も慌ててしまう。
「私、非常に重要で、えっと……優先的な仕事を頼まれていたことを突然思い出してしまいました!」
「確か私の世話以上に大切な仕事はないと言っていなかった?」
「あ、それは……と、とにかく至急の要件なんです! いいですか奥様、私が急いで戻らないとイデット様から雷が落ちて、お城が大変なことになるんです!」
戸惑う私の隣では旦那様が苦笑していた。
「悪いな。気を遣わせたか?」
ニナの下手な言い訳って……つまりニナったら、私と旦那様を二人きりにさせるために見え透いた芝居を?
「気を遣うだなんてそんな! 旦那様、どうか奥様のことよろしくお願いします」
旦那様の予想は当たっているらしく、ニナはすでに帰る気満々だ。
「ああ、任された。俺はこれからエスティとのんびり過ごして帰るからな、お前も今日は自由に過ごしていいぞ。イデットには俺から使いを出しておくから、たまには実家に顔でも見せてやれよ」
「あ、ありがとうございます! 凄いです奥様、早速いいことがありました!」
私の目の前では当事者を差し置いて今後の予定が決められていく。けれど家族に会えると喜ぶニナを前に反論する気にはなれなかった。
「さて、残念ながらニナは急ぎの用があるそうだ。その代わり、ここには仕事を終えた俺がいるぜ。ニナもこう言っていることだし、二人で楽しく食事して帰ろうじゃないか。なんなら案内も引き受けた」
というかほとんど私に選択権は残されていない状況ですよね? ニナったら、すでに奥様ごゆっくりとか言っているもの。仕方がないわね。女同士の町歩きも楽しかったけれど、ここからは旦那様とご一緒させていただきますわ。
ニナはぺこりと頭を下げ、旦那様に私の存在を託すと足早に駆け出して行った。
「邪魔したか?」
「いいえ。私は旦那様が一緒で心強いくらいですわ」
「おいおいどうした。嬉しいこと言ってくれるじゃねーか」
本当に嬉しそうですね、旦那様。ええ、私も嬉しいですわ!
「任せとけ! 美味しい物を食べさせるのは俺の役目だからな」
「嬉しいです。約束、憶えていてくれたのですね」
「エスティの旦那は、この俺だからな」
「そうなんです。旦那様と一緒に行ってみたいお店があるんです!」
「店かよ!」
「はい、お店が!」
ニナと二人だとどうしても浮いてしまいそうで、付き添いを頼んでいいものか躊躇っていたのよね。そこに颯爽と現れたのが旦那様というわけです。
「なんだー、何が食いたいんだー。なんでも食べさせてやるぞー……」
そう告げる旦那様は投げやりに見えたけれど、この短期間で随分と私の扱いに慣れた様子だ。
ねえ旦那様。私のこと、なんでも食べ物でつられる女だと思っていませんか? けれどなんでも食べさせてくれるだなんて、旦那様ったら乙女心を鷲掴みですわね!
「ぜひ行ってみたいお店があるのですけれど、どこかいい雰囲気の店を知りませんか?」
「おー、俺がどこへでも連れて行ってやるぞー」
旦那様は確かにそう言ってくれたのだ。けれど私が目当ての店の特徴を上げ始めると顔を顰めていく。条件はそう難しくもないはずだけれど……
一つ、お酒も提供している店。私は飲みませんよ!
一つ、船乗りが多く集まりそうな店。
一つ、賑やかで活気があること。
一つ、大通りから少し奥まったところにあること。
ああ、ネットがあればすぐに検索出来るのに! 今は口コミ、人の噂だけが頼りなんて……
「頼もしい旦那様がどこへでも連れて行ってくださると聞いたのですが?」
不満そうな旦那様に向けて、わざと可愛らしく首を傾げた。
「確かに言った。俺は言ったが! 行ってみたい店が飲み屋ってのはどうなんだ!?」
現代だと一人で居酒屋も焼き肉屋も大歓迎な時代だけれど、まだこの世界の文化には早かったようです。だからこそ旦那様がいる今がチャンスなのよ!
戻るなり緊張した面持ちのニナに訊ねられる。けれど瞳の奥には隠し切れない好奇心が覗いていて、可愛いなと思った。
「不思議な人、だったわね」
「そうですか? 確かに独特の雰囲気の人でしたけど、素敵な方でしたよ」
「ニナったら、よほど占いの結果が良かったみたいね」
「も、もしかして奥様っ……何か良くない結果が出たんですか!?」
あれは、どう捉えるべきなのかしら……
「そんなことはない、と思うけれど……。占いとはあまり縁のない生活を送っていたから、どう受け止めたらいいのか、占いとの付き合い方がわからないのかもしれないわ」
あの人もそんな私の本質を見抜いていたのかもしれない。仕事ばかりの毎日では雑誌なんてもっての外。テレビの占いコーナーだって満足に試聴したのはいつが最後だろう。
「奥様……苦労されていたんですね!」
「へ?」
まあ、確かに仕事は大変だったけれど……
「いいんです! あの、私たちちゃんとわかってますから!」
「何が?」
「異国でたくさん苦労されていたんですよね!」
「そういう解釈なの?」
「解釈?」
「こちらの話です」
「だから奥様、遠慮なさらないで下さいね! このお城で働く人たちって、事情を抱えた人も多いんです。だから私たちみんな、ちゃんとわかってます。旦那様が選んだ方なら間違いはないと言うか、奥様にはこれまで苦労された分、美味しい物をたくさん食べたり、とにかく幸せになってもらいたいんです!」
「ニナったら……貴女、随分と話のわかる人なのね! そうなのよ。美味しい物を食べると幸せになれるのよ! 一緒に美味しい物を食べまくりましょうね!」
「はい!」
私たちは手を取り合って感動を分かち合う。歩いてお腹にも余裕が出来たことだし、何か食べてもいい頃合いだろう。
行きたい店はあるけれど、ニナと二人で向かっても大丈夫なものかしら……
「エスティ?」
思案する私を呼ぶのは聞き慣れた声だ。慣れ親しんだ私の愛称だけれど、それを知るのはこの国ではまだほんの一握り、それも呼ぶことを許した人物は一人だけである。振り返ると旦那様が驚いた表情で私たちを見つめていた。
「こんなところで何してるんだ?」
足早に駆け寄るなり追及される。
「ニナに頼んで町を案内してもらっていたのですわ」
「なんだ。俺に頼めばいつでも案内してやったのに」
旦那様は拗ねた口調で呟いた。
「忙しい旦那様の手を煩わせるつもりはありません。本日もお仕事だと聞いています」
「朝は悪かったな。一人にしちまって、寂しかっただろ」
「旦那様が気に病まれることはありません。私は私の夫が責任感が強く在り、人々から慕われる人間であることを心より嬉しく感じていますもの」
「お前にそう言われると嬉しいもんだな。けど、そこは寂しかったって言われたいのが男心だぜ。次はよろしく頼む」
「はあ……」
「察してくれよ」
旦那様は拗ねていたかと思えば、早急にいつものペースに戻った。となれば私の対応もいつも通りというものだ。
「なあ、仕事は終わったぜ。これから一緒に飯でも食わないか」
「喜んでご一緒しますわ! ニナ、貴女も……」
「大変です奥様!」
「え、何!?」
大袈裟ともいえるリアクションでニナが声を上げるものだから私も慌ててしまう。
「私、非常に重要で、えっと……優先的な仕事を頼まれていたことを突然思い出してしまいました!」
「確か私の世話以上に大切な仕事はないと言っていなかった?」
「あ、それは……と、とにかく至急の要件なんです! いいですか奥様、私が急いで戻らないとイデット様から雷が落ちて、お城が大変なことになるんです!」
戸惑う私の隣では旦那様が苦笑していた。
「悪いな。気を遣わせたか?」
ニナの下手な言い訳って……つまりニナったら、私と旦那様を二人きりにさせるために見え透いた芝居を?
「気を遣うだなんてそんな! 旦那様、どうか奥様のことよろしくお願いします」
旦那様の予想は当たっているらしく、ニナはすでに帰る気満々だ。
「ああ、任された。俺はこれからエスティとのんびり過ごして帰るからな、お前も今日は自由に過ごしていいぞ。イデットには俺から使いを出しておくから、たまには実家に顔でも見せてやれよ」
「あ、ありがとうございます! 凄いです奥様、早速いいことがありました!」
私の目の前では当事者を差し置いて今後の予定が決められていく。けれど家族に会えると喜ぶニナを前に反論する気にはなれなかった。
「さて、残念ながらニナは急ぎの用があるそうだ。その代わり、ここには仕事を終えた俺がいるぜ。ニナもこう言っていることだし、二人で楽しく食事して帰ろうじゃないか。なんなら案内も引き受けた」
というかほとんど私に選択権は残されていない状況ですよね? ニナったら、すでに奥様ごゆっくりとか言っているもの。仕方がないわね。女同士の町歩きも楽しかったけれど、ここからは旦那様とご一緒させていただきますわ。
ニナはぺこりと頭を下げ、旦那様に私の存在を託すと足早に駆け出して行った。
「邪魔したか?」
「いいえ。私は旦那様が一緒で心強いくらいですわ」
「おいおいどうした。嬉しいこと言ってくれるじゃねーか」
本当に嬉しそうですね、旦那様。ええ、私も嬉しいですわ!
「任せとけ! 美味しい物を食べさせるのは俺の役目だからな」
「嬉しいです。約束、憶えていてくれたのですね」
「エスティの旦那は、この俺だからな」
「そうなんです。旦那様と一緒に行ってみたいお店があるんです!」
「店かよ!」
「はい、お店が!」
ニナと二人だとどうしても浮いてしまいそうで、付き添いを頼んでいいものか躊躇っていたのよね。そこに颯爽と現れたのが旦那様というわけです。
「なんだー、何が食いたいんだー。なんでも食べさせてやるぞー……」
そう告げる旦那様は投げやりに見えたけれど、この短期間で随分と私の扱いに慣れた様子だ。
ねえ旦那様。私のこと、なんでも食べ物でつられる女だと思っていませんか? けれどなんでも食べさせてくれるだなんて、旦那様ったら乙女心を鷲掴みですわね!
「ぜひ行ってみたいお店があるのですけれど、どこかいい雰囲気の店を知りませんか?」
「おー、俺がどこへでも連れて行ってやるぞー」
旦那様は確かにそう言ってくれたのだ。けれど私が目当ての店の特徴を上げ始めると顔を顰めていく。条件はそう難しくもないはずだけれど……
一つ、お酒も提供している店。私は飲みませんよ!
一つ、船乗りが多く集まりそうな店。
一つ、賑やかで活気があること。
一つ、大通りから少し奥まったところにあること。
ああ、ネットがあればすぐに検索出来るのに! 今は口コミ、人の噂だけが頼りなんて……
「頼もしい旦那様がどこへでも連れて行ってくださると聞いたのですが?」
不満そうな旦那様に向けて、わざと可愛らしく首を傾げた。
「確かに言った。俺は言ったが! 行ってみたい店が飲み屋ってのはどうなんだ!?」
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