2 / 38
二、取引しましょう?
しおりを挟む
これは陸に暮らす彼らにとって、そして海に暮らす私たちにとって、歴史的な事件となることでしょう。
引き金を引くのは、私――
海面へと浮上すれば、巨大な帆船は砂浜に打ち上げられるように停泊していた。船底には大きな穴が、強い風を受けるための帆は力なく垂れ下がっている。この船の状態では再び海を進むことは難しいだろう。
乗船していた者たちはすでに船から下り、島には多くの男性たちが立ち尽くしていた。ただし島といってもここは砂浜と僅かばかりの草木で構成された小さな島だ。そんな心許ない状況が彼らの表情に影を落とさせる。空気には絶望の色が濃く浮かんでいた。
まさに声を掛けるのを躊躇われるような静寂ではあるけれど、怖気付いてはいられない。私は彼らの注目を集めるためにわざと尾ひれで派手な水音を立てた。
「おいあれ、人魚じゃないか!?」
作戦は成功。私の存在に気付いた人間たちの表情は困り顔から瞬く間に驚きへと塗り替えられていく。
疑問系であることは仕方がないことだ。なにしろ上半身だけを見せたところで私たちは人間と変わらない。人魚であることを証明したいのなら足を見せなければ。
自分の中でもとびきり友好的な笑みを作り、自信たっぷりに声を発することから始めた。幸い私の顔立ちは得意げな表情が様になると身内からの評判も高く交渉にはうってつけらしい。
「ご機嫌よう。人間のみなさま」
気まぐれで姿を見せたわけではない。会話をする意思があることを伝えるため、まずは挨拶を交わす。生憎彼らの前に立つことは出来ないので、そばに飛び出していた大きめの岩に腰掛けた。
腰を落ち着け髪をなびかせ、優雅に尾ひれの存在を見せつける。すると見計らったように海中から仲間たちが姿を現し背後に並ぶ。人間を相手に取引を持ちかけようという私の心強い護衛だ。
「青い人魚だ……」
距離が近づいた分、人間たちの表情をより鮮明に判断することが出来る。彼らの視線は私へと注がれているのだから、もちろん私のことだろう。今回護衛としてついてきてくれた仲間たちの中でも青という色彩を持つ人魚は私だけだ。
青い鱗に被われた鰭、青い瞳、神秘的な美しさだと仲間たちはよく褒めてくれた。けれどこの色の何がそれほど気になるのか。疑問ではあるけれど、今は話を進めることを優先する。
「お困りのようね。どうかしら、私たちと取引をする気はない?」
彼らの間に動揺が走る。人間に交渉する人魚など初めてのはず。動揺を仕方のないことだと受け流し、私は笑顔を崩さなかった。
この世界において、人魚は空想上の生き物ではない。一見してお伽噺のような存在ではあるけれど、その存在は確かなものとして人々の間で語られている。
上半身は人間と同じ。けれど下半身は魚の鱗に覆われ鰭を持つ。海の中を自在に泳ぎ回り、海の世界に生きる海の支配者――それが私たち人魚であると、この世界の人間たちには伝わっているらしい。陸に生きる者と海に生きる者、両者は相容れることはなく、その必要もないとされている。
けれど私は違う。嵐に遭遇した人間がいれば助けたいと思うのだ。
「お困りなのでしょう?」
私たちだって嵐は好まない。海の生き物たちは怯え、嵐の海に光は届かない。海全体にもどんよりとした空気が立ち込め、嵐の日にはいいことがないというのは人魚の間では有名な格言だ。私もお気に入りのイヤリングを失くし、大切なものを流されてしまったことがある。
だからこそ、彼らについても同じ嵐を快く思わない者としては可哀想だと思うし、無償で助けてあげたいという元人間の良心もある。けれど人魚たちの未来のためにも今回ばかりはそうはいかない。
「交渉するつもりがあるのなら、そちらの代表者の名前を伺いたいわ」
お前たちの状況は理解している。断れると思うなよ? という思惑を滲ませながら私は対等な、あるいは有利な位置を確保しようと言葉を選ぶ。どんなに人と同じ見た目をしていても、彼らにとって人魚は自分たちとは違う異質な存在だということは理解しているつもりだ。
さあ、誰が名乗りを上げるのかしら?
疑問に答えるように動きを見せたのは、一番若く見える青年だった。
船乗りらしい格好をしてはいるが、船長にしては明らかに若く感じてしまう。他の船乗りたちが屈強な体格をしているせいか随分と身体つきも細くも見える。さらに言うと人当たりの良さそうな顔立ちに、爽やかな薄緑の髪は優し気だ。
本当に彼が代表者で間違いないのかしら。明らかに彼よりも年長で、強そうな人物が大勢控えているのだけれど……。
「貴方が話し相手になって下さるの?」
舐められないように挑発的にもとれる口調で問いかける。
彼は一歩前に出るだけかと思えば、長い脚を交互に動かしたまま、止まることなくこちらへと進んだ。まっすぐに私の姿だけを目に映し、一直線に向かってくる。瞳は大きく見開かれ、誰よりも私の存在に驚愕しているようだった。
声は聞こえるはずだけれど、限界まで近付いてくれるつもりなのかしら?
そんな風にのんびりと構えていた私だけれど、彼が躊躇わず海の中に足を踏み入れたことで疑問は驚きへと変わる。そしてやはり疑問は疑問のままだ。
「あの、海に入っているわよ?」
えっと……この人は何をしているのかしら? 濡れてるわよ?
「……ちょっと、ねえ! もうっ、聞いているの!?」
押し寄せる波をかき分けるように進み、いよいよ私の元へと迫っていた。腰まで海に浸かっている癖に、気にも留めようとしない。人間は服や靴が濡れることを煩わしく思うはずなのに、それよりも別のことに集中しているようだった。
「姫!」
おそらく彼の目的は私。周囲を警戒している仲間たちにも緊張が広がっていた。手にした槍状の武器を構え、今にも彼を敵として排除しようとしている。彼も非道な人間と同じ。人魚を捕らえるつもりかもしれないと、そんな心配を抱いたのだろう。けれど私はまだ希望を捨てられない。
「待って。私は大丈夫よ」
せっかく良い交渉相手が見つかったんですもの!
それにまだ、この行動の真意を掴めていない。いざとなれば奥の手もあることは仲間たちも知っている。この力があるからこそ、私なら大丈夫だと説き伏せ人間との交渉を許されたのだから。
「そんなに人魚が珍しいのかしら」
目前にまで迫られた私は少し低い位置にある青年の顔を見つめながら言った。人間としてなら彼の方が背は高いのだろうけれど、岩に座っている分、今は私の方が目線が高い。しかし彼の視線は私の鰭ではなく顔に固定されていた。
彼が肯定も否定もせずに腕を伸ばしたことで仲間の敵意が私たちの肌を刺す。静まりかえった海で、波音だけがこの現実を見守っていた。
私を捕らえようとしたって無駄よ。いざとなれば――
何をするつもりかと挙動を観察していると、彼は私の腕を掴んで自らに引き寄せた。私は悲鳴を上げる間もなく体制を崩し、あっけなく前のめりに倒れて行く。岩から滑り落ち、その先には白いシャツが待ち受けていた。固い異性の身体に受け止められた衝撃に僅かに目を瞑る。
「ふえ?」
私の口から零れたのは間抜けな呟きだ。
二本の腕が私の身体を捕らえている。
その点、私の腕は行き場を失いあたふたと彷徨っているわね!
まるで音がしそうなほど強く抱きしめられている。広げた両腕にすっぽりと身体を拘束されてはいるが、決して苦しくはない。
「会いたかった」
抱きしめたまま、耳元で囁かれた呟きはとても小さなものだった。けれど近さゆえに難なく音を拾うことが出来てしまう。会いたかったと、たった一言には深い感情が込められていた。
けれどそんなこと、今の私にとってはまったく関係のないことだ。
「きゃああああああ――――!!」
この人、誰!?
引き金を引くのは、私――
海面へと浮上すれば、巨大な帆船は砂浜に打ち上げられるように停泊していた。船底には大きな穴が、強い風を受けるための帆は力なく垂れ下がっている。この船の状態では再び海を進むことは難しいだろう。
乗船していた者たちはすでに船から下り、島には多くの男性たちが立ち尽くしていた。ただし島といってもここは砂浜と僅かばかりの草木で構成された小さな島だ。そんな心許ない状況が彼らの表情に影を落とさせる。空気には絶望の色が濃く浮かんでいた。
まさに声を掛けるのを躊躇われるような静寂ではあるけれど、怖気付いてはいられない。私は彼らの注目を集めるためにわざと尾ひれで派手な水音を立てた。
「おいあれ、人魚じゃないか!?」
作戦は成功。私の存在に気付いた人間たちの表情は困り顔から瞬く間に驚きへと塗り替えられていく。
疑問系であることは仕方がないことだ。なにしろ上半身だけを見せたところで私たちは人間と変わらない。人魚であることを証明したいのなら足を見せなければ。
自分の中でもとびきり友好的な笑みを作り、自信たっぷりに声を発することから始めた。幸い私の顔立ちは得意げな表情が様になると身内からの評判も高く交渉にはうってつけらしい。
「ご機嫌よう。人間のみなさま」
気まぐれで姿を見せたわけではない。会話をする意思があることを伝えるため、まずは挨拶を交わす。生憎彼らの前に立つことは出来ないので、そばに飛び出していた大きめの岩に腰掛けた。
腰を落ち着け髪をなびかせ、優雅に尾ひれの存在を見せつける。すると見計らったように海中から仲間たちが姿を現し背後に並ぶ。人間を相手に取引を持ちかけようという私の心強い護衛だ。
「青い人魚だ……」
距離が近づいた分、人間たちの表情をより鮮明に判断することが出来る。彼らの視線は私へと注がれているのだから、もちろん私のことだろう。今回護衛としてついてきてくれた仲間たちの中でも青という色彩を持つ人魚は私だけだ。
青い鱗に被われた鰭、青い瞳、神秘的な美しさだと仲間たちはよく褒めてくれた。けれどこの色の何がそれほど気になるのか。疑問ではあるけれど、今は話を進めることを優先する。
「お困りのようね。どうかしら、私たちと取引をする気はない?」
彼らの間に動揺が走る。人間に交渉する人魚など初めてのはず。動揺を仕方のないことだと受け流し、私は笑顔を崩さなかった。
この世界において、人魚は空想上の生き物ではない。一見してお伽噺のような存在ではあるけれど、その存在は確かなものとして人々の間で語られている。
上半身は人間と同じ。けれど下半身は魚の鱗に覆われ鰭を持つ。海の中を自在に泳ぎ回り、海の世界に生きる海の支配者――それが私たち人魚であると、この世界の人間たちには伝わっているらしい。陸に生きる者と海に生きる者、両者は相容れることはなく、その必要もないとされている。
けれど私は違う。嵐に遭遇した人間がいれば助けたいと思うのだ。
「お困りなのでしょう?」
私たちだって嵐は好まない。海の生き物たちは怯え、嵐の海に光は届かない。海全体にもどんよりとした空気が立ち込め、嵐の日にはいいことがないというのは人魚の間では有名な格言だ。私もお気に入りのイヤリングを失くし、大切なものを流されてしまったことがある。
だからこそ、彼らについても同じ嵐を快く思わない者としては可哀想だと思うし、無償で助けてあげたいという元人間の良心もある。けれど人魚たちの未来のためにも今回ばかりはそうはいかない。
「交渉するつもりがあるのなら、そちらの代表者の名前を伺いたいわ」
お前たちの状況は理解している。断れると思うなよ? という思惑を滲ませながら私は対等な、あるいは有利な位置を確保しようと言葉を選ぶ。どんなに人と同じ見た目をしていても、彼らにとって人魚は自分たちとは違う異質な存在だということは理解しているつもりだ。
さあ、誰が名乗りを上げるのかしら?
疑問に答えるように動きを見せたのは、一番若く見える青年だった。
船乗りらしい格好をしてはいるが、船長にしては明らかに若く感じてしまう。他の船乗りたちが屈強な体格をしているせいか随分と身体つきも細くも見える。さらに言うと人当たりの良さそうな顔立ちに、爽やかな薄緑の髪は優し気だ。
本当に彼が代表者で間違いないのかしら。明らかに彼よりも年長で、強そうな人物が大勢控えているのだけれど……。
「貴方が話し相手になって下さるの?」
舐められないように挑発的にもとれる口調で問いかける。
彼は一歩前に出るだけかと思えば、長い脚を交互に動かしたまま、止まることなくこちらへと進んだ。まっすぐに私の姿だけを目に映し、一直線に向かってくる。瞳は大きく見開かれ、誰よりも私の存在に驚愕しているようだった。
声は聞こえるはずだけれど、限界まで近付いてくれるつもりなのかしら?
そんな風にのんびりと構えていた私だけれど、彼が躊躇わず海の中に足を踏み入れたことで疑問は驚きへと変わる。そしてやはり疑問は疑問のままだ。
「あの、海に入っているわよ?」
えっと……この人は何をしているのかしら? 濡れてるわよ?
「……ちょっと、ねえ! もうっ、聞いているの!?」
押し寄せる波をかき分けるように進み、いよいよ私の元へと迫っていた。腰まで海に浸かっている癖に、気にも留めようとしない。人間は服や靴が濡れることを煩わしく思うはずなのに、それよりも別のことに集中しているようだった。
「姫!」
おそらく彼の目的は私。周囲を警戒している仲間たちにも緊張が広がっていた。手にした槍状の武器を構え、今にも彼を敵として排除しようとしている。彼も非道な人間と同じ。人魚を捕らえるつもりかもしれないと、そんな心配を抱いたのだろう。けれど私はまだ希望を捨てられない。
「待って。私は大丈夫よ」
せっかく良い交渉相手が見つかったんですもの!
それにまだ、この行動の真意を掴めていない。いざとなれば奥の手もあることは仲間たちも知っている。この力があるからこそ、私なら大丈夫だと説き伏せ人間との交渉を許されたのだから。
「そんなに人魚が珍しいのかしら」
目前にまで迫られた私は少し低い位置にある青年の顔を見つめながら言った。人間としてなら彼の方が背は高いのだろうけれど、岩に座っている分、今は私の方が目線が高い。しかし彼の視線は私の鰭ではなく顔に固定されていた。
彼が肯定も否定もせずに腕を伸ばしたことで仲間の敵意が私たちの肌を刺す。静まりかえった海で、波音だけがこの現実を見守っていた。
私を捕らえようとしたって無駄よ。いざとなれば――
何をするつもりかと挙動を観察していると、彼は私の腕を掴んで自らに引き寄せた。私は悲鳴を上げる間もなく体制を崩し、あっけなく前のめりに倒れて行く。岩から滑り落ち、その先には白いシャツが待ち受けていた。固い異性の身体に受け止められた衝撃に僅かに目を瞑る。
「ふえ?」
私の口から零れたのは間抜けな呟きだ。
二本の腕が私の身体を捕らえている。
その点、私の腕は行き場を失いあたふたと彷徨っているわね!
まるで音がしそうなほど強く抱きしめられている。広げた両腕にすっぽりと身体を拘束されてはいるが、決して苦しくはない。
「会いたかった」
抱きしめたまま、耳元で囁かれた呟きはとても小さなものだった。けれど近さゆえに難なく音を拾うことが出来てしまう。会いたかったと、たった一言には深い感情が込められていた。
けれどそんなこと、今の私にとってはまったく関係のないことだ。
「きゃああああああ――――!!」
この人、誰!?
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる