9 / 43
二、秋の終わり、そして、冬
2-1
しおりを挟む
遼一は腹が減っていた。
母屋の脇、離れの玄関へ向け、引越トラックが大きな口を開いていた。
荷物を運び込む運送業者に、甲高い声で何ごとか言いつけている母の声がした。
面倒くさい。どこに何を置いたって、大して変わりはないものを。
母は一事が万事その調子で、すべてを自分の好きなように采配しなければ気が済まない女だった。その彼女の生活の中心には、これまで長らく、自分の思うとおりにできなかったたったひとつの大きなことが存在していた。
それが晴れてこのたび、成就したのだ。
有頂天になるのもやむを得ない。
十七にもなる遼一はそれを理解してやっていた。だが、理解してやれることと、疳に障るのをガマンできるのとは、全く別のことだ。
遼一は母の声の聞こえないところまで歩こうと思った。母がギャンギャン言っている離れからさらに敷地を奥へ進むと、そこは林のようになっていた。黄色い銀杏の葉が上からザンザカ振ってきた。銀杏の葉はべっこうの櫛によく似ている。
どこかへ行ってしまいたい。引越荷物なんて、いつだって片付けられる。全てを放り出してしまいたかった。母はともかく、自分は引越なんてしたくなかった。狭くはあっても、住み慣れた我が家だったのだ。
まあ、いずれにしても、再来年は受験をする。進学して、この街を出ていく。あとたった一年半の辛抱だ。
それにしても腹が減った。遼一はポケットの財布を開いた。外食できるほどの手持ちはなかった。遼一はため息をついた。金がないと、自由もない。
これからは、多少の自由が手に入るだろうか。
小遣いの額は増えるだろうか。母のための成績表として存在する息子から、母の関心は幾分それるだろうか。
あまり期待しない方がいいだろう。遼一は諦め慣れていた。あらゆるものを。
林の中には、無造作を装って敷石が配置されていた。そのさりげない通路の先に小屋が見えた。遼一はそちらへ歩いていった。
何かの作業場のようだった。今来た方を振り返ると、木々に阻まれて離れも母屋もよく見えない。大したものだ。個人の邸宅にしてこれだ。
遼一は作業場の窓から中をのぞいてみた。窓枠も外壁も木製で、ドラマに出てくる大昔の学校のようだ。誰もいない。
入り口の扉も木製で、カギはかかっていなかった。
遼一はこっそりその扉を開けてみた。ギーッと渋い手応えがした。少しほこりっぽいが、汚いほどではなかった。何かの折に使われているのか、木製の作業台と、多分木材をカットする機械。手狭になった木工場だろうか。
そこで初めて、遼一は父の職業に思い至った。
建設資材といえば昔は木材が中心だったろう。うち捨てられたにしてはこざっぱり片付いている。誰かが使っているにしてはほこりっぽい。父が趣味の手内職でたまに使っているのだろうか。
遼一は父が普段何をしているか知らない。経営者として社屋にいるのか、現場に出てあれこれ口を出す方なのか、空き時間に昔を懐かしんで手を動かすのが好きなのか。想像もつかなかった。
遼一と母の住む家へやってくるとき、父は仕事の気配を一切見せなかった。それはそうだろう。仕事や日々の生活の憂さを晴らすために囲った別宅なのだから。
遼一のことはそれなりに可愛がってくれたし、生活にそう不自由はなかったし、遼一は母と自分の状況に不満はなかった。そもそもあまり興味もなかった。
運動会などの行事には一切参加しない、そのくせ母の用意した重箱をつつきに夜になったら現れる。そんな父の行動を不思議に思い、母にいろいろ尋ねたりもしたが、幼い頭で「そういうもん」と納得したあとは疑問にも思わなくなった。父の姓が江藤といって、母や自分とは異なることも、それと同時に呑み込んだ。
愛人、妾、二号、いろんな表現があるが、そのことをませた悪ガキ連に知られ、莫迦にされたり嫌がらせされたこともあった。遼一が腕っぷしで負けないようになってからはそんなこともなくなった。
午後の光が差し込む作業場で、しばし考えにふけっていた遼一の背後で、ギーッと渋い音がした。扉の音だ。誰か来た。
別に悪いことをしている訳じゃない。入り口だってカギはかかってなかった。遼一は言い訳を探しながら動けずにいた。
「あんた、なんでここにいるのよ」
険のある声がした。
遼一は振り返った。
長い黒髪の、若い女が戸口に立っていた。
引越初日の夕食は、母屋の食堂に呼ばれて摂った。
お手伝いさんたちは微妙に冷たい態度だったが、母は気にもしていないようだった。
荷物を解くのもそこそこに、離れの一角に衣装敷きを広げ、上機嫌で着付けたお気に入りの付下げで、乙にすまして席に着いた。母は遼一にもスーツを着るよう指示したが、遼一はそれを無視し段ボール屑がついたままのジーンズでいた。
母にとって、自分は自慢の作品なのだ。成績優秀、身長も伸びて見栄えもそう悪くない。母屋に住む全てのものにこれを見せびらかしたいのだ。そして、これからはここに君臨するのは自分なのだと知らしめたいのだ。
多分、まだその辺にいる、本妻のゆうれいに。
(本妻さんが亡くなって、四十九日過ぎるか過ぎないかで、もう乗り込んでくるなんて)
(すごいわねえ。亡くなった奥さまのご心痛が分かるわ)
食堂に続く廊下では、台所からお手伝いさんたちの陰口が聞こえた。当然だ。言われるようなことをしているのだ。
乗り込んできた母も母だが、それを許した父も父だ。この男が何を考えているのか。遼一にはサッパリ分からなかった。
母の言うように、離婚に承諾しない本妻を疎ましく思う気持ちがあったのだろうか。
別宅である母と遼一の家に来たときと、本宅での父は全く変わりがなかった。遼一には最近何が面白いかとか、成績はどうかとか、いつもと同じ話題をいつもの順番で繰り返した。
父はきっと遼一には興味ないのだ。遼一が父に興味を持たないのと同じように。
食卓には、四人分の食事が用意されていた。父と、母と、自分と、もうひとつの席は食事が終わるまで空いたままだった。
本妻との間には娘がいると聞かされていた。本妻さんが跡継ぎとなる男子に恵まれなかったのも、母が自分の勝ちだと思っている点のひとつだった。
今どき、跡継ぎとか、息子とか娘とか、関係ないだろうに。
異母姉は遼一よりも少し歳上だった。確か、二歳くらい?
後妻(というより愛人)とその子供との食事を彼女はボイコットしたのだ。歓迎される訳もなく、多感な十代の娘なら当然の行動だ。
愛人のところには息子ができてなかなか優秀らしい。そんな噂が耳に入って、彼女はどう感じていたろう。母は何が何でも本妻に勝とうと、遼一の尻を叩いてあらゆることをさせようとしたが、本妻さんは彼女をどう育てたのだろうか。
夫を奪う愛人への憎しみをことある毎に吹き込んで、決して負けるなと呪いをかけたか。それとも、愛するひとを取られた悲しみを娘に見せまいと、慈しんで優しい娘に育てたろうか。
どんなひとだろう。
ハイテンションの母にうんざりして、遼一は勉強にかこつけて先に離れに引き上げることにした。靴をはいていると、玄関の扉がゆっくりと開いた。
遼一は顔を上げた。姉の純香だった。
純香は遼一を見ると、キッと眉をつり上げた。すれ違いざま、遼一は会釈らしいものをして、さっさと出ていこうとした。純香の長い黒髪が揺れた。
「ここはあんたなんかの来るところじゃないわ」
母屋のことか。いや、この屋敷そのもののことだろう。遼一は立ち止まった。
「そうですね。俺もそう思います」
とは言え、同じ敷地に住むのなら、すれ違う事故は起こる。そのたびにからまれてはかなわない。何かひとこと、純香の気が済むような言葉をかけられれば。そう思って遼一は顔を上げ、姉の顔を見た。
不思議な感じがした。
初めて会ったのに懐かしいような、冷たいのにとても親しいひとのような。
玄関の計算された穏やかな照明が、黒い瞳に映って揺れていた。化粧っ気のなさが、かえってその造作を際立たせていた。表情はきついが、笑うと多分もっとキレイだ。
遼一は彼女から目を離せなかった。
玄関で、ふたりはしばらくお互いの顔を見つめ合っていた。
もっとも純香は遼一を見つめるというより、にらみつけていたのだったが。
母屋の脇、離れの玄関へ向け、引越トラックが大きな口を開いていた。
荷物を運び込む運送業者に、甲高い声で何ごとか言いつけている母の声がした。
面倒くさい。どこに何を置いたって、大して変わりはないものを。
母は一事が万事その調子で、すべてを自分の好きなように采配しなければ気が済まない女だった。その彼女の生活の中心には、これまで長らく、自分の思うとおりにできなかったたったひとつの大きなことが存在していた。
それが晴れてこのたび、成就したのだ。
有頂天になるのもやむを得ない。
十七にもなる遼一はそれを理解してやっていた。だが、理解してやれることと、疳に障るのをガマンできるのとは、全く別のことだ。
遼一は母の声の聞こえないところまで歩こうと思った。母がギャンギャン言っている離れからさらに敷地を奥へ進むと、そこは林のようになっていた。黄色い銀杏の葉が上からザンザカ振ってきた。銀杏の葉はべっこうの櫛によく似ている。
どこかへ行ってしまいたい。引越荷物なんて、いつだって片付けられる。全てを放り出してしまいたかった。母はともかく、自分は引越なんてしたくなかった。狭くはあっても、住み慣れた我が家だったのだ。
まあ、いずれにしても、再来年は受験をする。進学して、この街を出ていく。あとたった一年半の辛抱だ。
それにしても腹が減った。遼一はポケットの財布を開いた。外食できるほどの手持ちはなかった。遼一はため息をついた。金がないと、自由もない。
これからは、多少の自由が手に入るだろうか。
小遣いの額は増えるだろうか。母のための成績表として存在する息子から、母の関心は幾分それるだろうか。
あまり期待しない方がいいだろう。遼一は諦め慣れていた。あらゆるものを。
林の中には、無造作を装って敷石が配置されていた。そのさりげない通路の先に小屋が見えた。遼一はそちらへ歩いていった。
何かの作業場のようだった。今来た方を振り返ると、木々に阻まれて離れも母屋もよく見えない。大したものだ。個人の邸宅にしてこれだ。
遼一は作業場の窓から中をのぞいてみた。窓枠も外壁も木製で、ドラマに出てくる大昔の学校のようだ。誰もいない。
入り口の扉も木製で、カギはかかっていなかった。
遼一はこっそりその扉を開けてみた。ギーッと渋い手応えがした。少しほこりっぽいが、汚いほどではなかった。何かの折に使われているのか、木製の作業台と、多分木材をカットする機械。手狭になった木工場だろうか。
そこで初めて、遼一は父の職業に思い至った。
建設資材といえば昔は木材が中心だったろう。うち捨てられたにしてはこざっぱり片付いている。誰かが使っているにしてはほこりっぽい。父が趣味の手内職でたまに使っているのだろうか。
遼一は父が普段何をしているか知らない。経営者として社屋にいるのか、現場に出てあれこれ口を出す方なのか、空き時間に昔を懐かしんで手を動かすのが好きなのか。想像もつかなかった。
遼一と母の住む家へやってくるとき、父は仕事の気配を一切見せなかった。それはそうだろう。仕事や日々の生活の憂さを晴らすために囲った別宅なのだから。
遼一のことはそれなりに可愛がってくれたし、生活にそう不自由はなかったし、遼一は母と自分の状況に不満はなかった。そもそもあまり興味もなかった。
運動会などの行事には一切参加しない、そのくせ母の用意した重箱をつつきに夜になったら現れる。そんな父の行動を不思議に思い、母にいろいろ尋ねたりもしたが、幼い頭で「そういうもん」と納得したあとは疑問にも思わなくなった。父の姓が江藤といって、母や自分とは異なることも、それと同時に呑み込んだ。
愛人、妾、二号、いろんな表現があるが、そのことをませた悪ガキ連に知られ、莫迦にされたり嫌がらせされたこともあった。遼一が腕っぷしで負けないようになってからはそんなこともなくなった。
午後の光が差し込む作業場で、しばし考えにふけっていた遼一の背後で、ギーッと渋い音がした。扉の音だ。誰か来た。
別に悪いことをしている訳じゃない。入り口だってカギはかかってなかった。遼一は言い訳を探しながら動けずにいた。
「あんた、なんでここにいるのよ」
険のある声がした。
遼一は振り返った。
長い黒髪の、若い女が戸口に立っていた。
引越初日の夕食は、母屋の食堂に呼ばれて摂った。
お手伝いさんたちは微妙に冷たい態度だったが、母は気にもしていないようだった。
荷物を解くのもそこそこに、離れの一角に衣装敷きを広げ、上機嫌で着付けたお気に入りの付下げで、乙にすまして席に着いた。母は遼一にもスーツを着るよう指示したが、遼一はそれを無視し段ボール屑がついたままのジーンズでいた。
母にとって、自分は自慢の作品なのだ。成績優秀、身長も伸びて見栄えもそう悪くない。母屋に住む全てのものにこれを見せびらかしたいのだ。そして、これからはここに君臨するのは自分なのだと知らしめたいのだ。
多分、まだその辺にいる、本妻のゆうれいに。
(本妻さんが亡くなって、四十九日過ぎるか過ぎないかで、もう乗り込んでくるなんて)
(すごいわねえ。亡くなった奥さまのご心痛が分かるわ)
食堂に続く廊下では、台所からお手伝いさんたちの陰口が聞こえた。当然だ。言われるようなことをしているのだ。
乗り込んできた母も母だが、それを許した父も父だ。この男が何を考えているのか。遼一にはサッパリ分からなかった。
母の言うように、離婚に承諾しない本妻を疎ましく思う気持ちがあったのだろうか。
別宅である母と遼一の家に来たときと、本宅での父は全く変わりがなかった。遼一には最近何が面白いかとか、成績はどうかとか、いつもと同じ話題をいつもの順番で繰り返した。
父はきっと遼一には興味ないのだ。遼一が父に興味を持たないのと同じように。
食卓には、四人分の食事が用意されていた。父と、母と、自分と、もうひとつの席は食事が終わるまで空いたままだった。
本妻との間には娘がいると聞かされていた。本妻さんが跡継ぎとなる男子に恵まれなかったのも、母が自分の勝ちだと思っている点のひとつだった。
今どき、跡継ぎとか、息子とか娘とか、関係ないだろうに。
異母姉は遼一よりも少し歳上だった。確か、二歳くらい?
後妻(というより愛人)とその子供との食事を彼女はボイコットしたのだ。歓迎される訳もなく、多感な十代の娘なら当然の行動だ。
愛人のところには息子ができてなかなか優秀らしい。そんな噂が耳に入って、彼女はどう感じていたろう。母は何が何でも本妻に勝とうと、遼一の尻を叩いてあらゆることをさせようとしたが、本妻さんは彼女をどう育てたのだろうか。
夫を奪う愛人への憎しみをことある毎に吹き込んで、決して負けるなと呪いをかけたか。それとも、愛するひとを取られた悲しみを娘に見せまいと、慈しんで優しい娘に育てたろうか。
どんなひとだろう。
ハイテンションの母にうんざりして、遼一は勉強にかこつけて先に離れに引き上げることにした。靴をはいていると、玄関の扉がゆっくりと開いた。
遼一は顔を上げた。姉の純香だった。
純香は遼一を見ると、キッと眉をつり上げた。すれ違いざま、遼一は会釈らしいものをして、さっさと出ていこうとした。純香の長い黒髪が揺れた。
「ここはあんたなんかの来るところじゃないわ」
母屋のことか。いや、この屋敷そのもののことだろう。遼一は立ち止まった。
「そうですね。俺もそう思います」
とは言え、同じ敷地に住むのなら、すれ違う事故は起こる。そのたびにからまれてはかなわない。何かひとこと、純香の気が済むような言葉をかけられれば。そう思って遼一は顔を上げ、姉の顔を見た。
不思議な感じがした。
初めて会ったのに懐かしいような、冷たいのにとても親しいひとのような。
玄関の計算された穏やかな照明が、黒い瞳に映って揺れていた。化粧っ気のなさが、かえってその造作を際立たせていた。表情はきついが、笑うと多分もっとキレイだ。
遼一は彼女から目を離せなかった。
玄関で、ふたりはしばらくお互いの顔を見つめ合っていた。
もっとも純香は遼一を見つめるというより、にらみつけていたのだったが。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話
タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。
「優成、お前明樹のこと好きだろ」
高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。
メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
ご飯中トイレに行ってはいけないと厳しく躾けられた中学生
こじらせた処女
BL
志之(しの)は小さい頃、同じ園の友達の家でお漏らしをしてしまった。その出来事をきっかけに元々神経質な母の教育が常軌を逸して厳しくなってしまった。
特に、トイレに関するルールの中に、「ご飯中はトイレに行ってはいけない」というものがあった。端から見るとその異常さにはすぐに気づくのだが、その教育を半ば洗脳のような形で受けていた志之は、その異常さには気づかないまま、中学生になってしまった。
そんなある日、母方の祖母が病気をしてしまい、母は介護に向かわなくてはならなくなってしまう。父は単身赴任でおらず、その間未成年1人にするのは良くない。そう思った母親は就活も済ませ、暇になった大学生の兄、志貴(しき)を下宿先から呼び戻し、一緒に同居させる運びとなった。
志貴は高校生の時から寮生活を送っていたため、志之と兄弟関係にありながらも、長く一緒には居ない。そのため、2人の間にはどこかよそよそしさがあった。
同居生活が始まった、とある夕食中、志之はトイレを済ませるのを忘れたことに気がついて…?
その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました
海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。
しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。
偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。
御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。
これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。
【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】
【続編も8/17完結しました。】
「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785
↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる