堕ちた英勇の子

正海広竜

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第十三話

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 翌日。

 エドワードは学院に向かう途中、アルティナに詰め寄られていた。

「あんた、あたしを生贄にして逃げたわねっ」

「人聞きが悪い。戦略的撤退という奴だ」

「親友を見捨てて戦略的撤退も何も無いでしょうがっ」

「逃げるのを送れたお前が悪い」

 怒るアルティナにエドワードは適当にあしらっていた。
 
『おうおう、天下の路上で痴話喧嘩とか。仲が良い事で』

 テッドの声が頭にエドワードの頭に響いた。

(ふん。何が痴話喧嘩だ。こいつが絡んで来るだけだ)

 エドワードがテッドにそう言うと、テッドは楽しそうに笑い出した。

『ひひひ、お前は本当に鈍感だから面白いんだよな。その内、刺されるか。それとも、一転して面白いハーレムを築くのか。どうなるのかねぇ~。いひひひ』

 不気味な笑い声をあげるテッド。
 
 その笑い声を不快に感じながらエドワードは視線をアルティナに向ける。

「ちょっと、エド兄に絡むの止めてよ。迷惑しているでしょう」

「迷惑? こっち方が迷惑を掛けられているわよっ」

「はぁ? エド兄に絡んでおいて何を言っているのよ。それとも、エド兄以外に不満をぶつける相手がいないの?」

「そんな訳ないでしょうっ!」

「じゃあ、その人に言えば良いじゃない。優しく慰めてくれるわよ~」

「あんたね。良い度胸ね。ここいらで年功序列というのを叩き込んであげるわ」

「へへ~んだ。そう言って負けた時は何て言い訳するのかしらね~」

 ストラーとアルティナが仲良く(?)話している所であった。

「お前等。こんな公道で喧嘩するなよ」

「「でも、こいつがっ」」
 
 アルティナ達は互いを指差した。それで、二人は睨み合った。

「はぁ。お前等って、どうしてこんなに相性が悪いんだろうな」

 溜め息を吐くエドワード。

(誰のせいだとっ)

(ほんと、エド兄は鈍感なんだからっ)

 エドワードの言葉にアルティナ達は足を蹴りだした。

「いた、いたいんだが・・・・・・」

「ふん。知らないわよ」

「エド兄が悪いっ」

 そう言って二人は暫くエドワードを蹴り続けた。
 

 午前中の授業を終えて昼休み。

 いつもの如くエドワードは幼馴染達と使っている憩いの場に向かおうとした。

(今日はストラー達は今日は級友たちとお昼を食べると言っていたからな。今日は何処で昼を食べようか)

 渡された昼ご飯を何処で食べようか考えていると、目の前に壁が現れた。

 よく見てみると、それは壁ではなく背丈が大きいだけの人間であった。

 エドワードは顔を上げると、其処にあったのは幼馴染の一人のランドルフの顔であった。

「どうした? ランディ」

「エド。大変だ」

「うん?」

「秘密の場所があいつにばれた」

 その一言でエドワードはランドルフが何を言っているのか分かり走り出した。
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