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(第3話)嘘は良くありません。
女だ、女。
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「あんたってさぁ・・・いつもどこいってるの?」
俺が異世界へ行き来すると、毎回言われるこの言葉。
「この間も湖であんたに食わせるゲテモノ達を探してたらいつの間にかいなくなってたし。」
あれは。亜香里がちょうど起こしてくれたおかげだったな。でも・・・もう、ごまかすのは無理かもしれない。言いたくないことが多いけど、全部説明しようか-------------そう思ったとき、ユーリのある言葉が耳にはいった。
「もしかして、女か?」
最初は、「はぁ?んなわけないだろ」と返そうとしてはっと気付く。女か・・・。これはいいかもしれない。
「そ、そうなんだよ。ハニーはいつも俺を突然呼び出すからな。自分勝手だけど、とっても優しくて美人でスゴーイんだ・・・。」
突然呼び出すなんてちょっと無理があるかなとか思ってたけど、そんな心配は無用だった。
「そうよね、あんたに彼女なんて-----------え?」
「なーんて、冗談よ------------え?」
二人のえ?が重なった数秒後。
「「はぁーーーーーーー⁉」」
このあと近所のおじさんに怒鳴られたことは言うまでもない。こいつらの声は本当にうるさいからな。
「ま、ま、ま、ま、まじ?」
「・・・。」
ビアンカの動揺した様子で、家の中(狭いから一室しかないのだが)を歩き回り、その反対にユーリは全く微動たにせず、黙っている。というか、なんか魂が抜けてる気が・・・。大丈夫か、コイツ。
「あ、あんたなんかに女がいるわけないじゃないっ!本当のことを言いなさいよっ」
まぁ本当は女なんていないのだけれどな。それ関係でひどい目にあったこともあるし。だけど、もう毎回異世界に来る度に問いつめられるのは、面倒だしな。
「お前らなんかより、ずっと美人だぜ。会ってくる。」
俺はスッと立ち上がりボロボロの扉を開け、二人の顔を見らずに家を出た。ちょっと今のままじゃ、気まずいしな。どっか行って時間でも潰そう。
「う、うそ。」
ボロボロの扉をあけてアイツはどこかに行ってしまった。ま、まさかぁ。あんなやつに彼女がいただなんて・・・。全くそんな感じ表に出さないからな。分からなかった。
「う、嘘に決まってるよね。ね、ユーリ・・・ユーリ⁉」
ユーリの方をみれば固まったまま動かない。
「ねぇーユーリ!おきて!ユーリったらー・・・」
何コイツ全く動かないんだけど。いくらなんでも驚きすぎじゃない?そう思って私はある可能性を感じてしまった。
「ま、まさかユーリ、マサルのこと好きだったとか⁉」
「そ、そんなわけないじゃない‼」
ゴッ!!
「ぐはぁっ‼」
鈍い音がしたと思えばおでこが熱くなっていくのを感じた。気が付いたと思えば、そこら辺に置いてあった本が飛んできた。や、やべーよこれ。血ぃ出てるって、痛たた・・。
「こんな美しくて、優しい完璧な私があんなやつ好きになるわけないでしょ?ビアンカ、あんたこそショックうけてた顔してたじゃない。あなたが好きなんでしょ。」
いや、ユーリあんた動揺しすぎだろ。顔を真っ赤にしてそんなこと言うユーリに呆れて何も言えなくなった。
「いや、ユーリ分かりやすすぎ。自分に素直になりなよ。プッ後悔するよ?」
「な、なにを!んなわけ、無いでしょーがっ!てゆうかあんた絶対バカにしてるでしょ‼もービアンカなんて、知らないっ!」
何が知らないだよ・・・。ユーリは顔を真っ赤にしたまま、どこかに行ってしまった。というか、勢いよく出過ぎて扉が外れて壊れちゃってるし。
それにしても、ユーリがアイツのことを好きだったとは。ふふ、マサルの彼女なんてどうせマサルが遊ばれてるに決まってる。それなら私がユーリの恋を応援してあげよう。恋のキューピットになってあけるわよ、ユーリ!
なんてことをビアンカか密かに決めていたことは誰も知らない・・・。
俺が異世界へ行き来すると、毎回言われるこの言葉。
「この間も湖であんたに食わせるゲテモノ達を探してたらいつの間にかいなくなってたし。」
あれは。亜香里がちょうど起こしてくれたおかげだったな。でも・・・もう、ごまかすのは無理かもしれない。言いたくないことが多いけど、全部説明しようか-------------そう思ったとき、ユーリのある言葉が耳にはいった。
「もしかして、女か?」
最初は、「はぁ?んなわけないだろ」と返そうとしてはっと気付く。女か・・・。これはいいかもしれない。
「そ、そうなんだよ。ハニーはいつも俺を突然呼び出すからな。自分勝手だけど、とっても優しくて美人でスゴーイんだ・・・。」
突然呼び出すなんてちょっと無理があるかなとか思ってたけど、そんな心配は無用だった。
「そうよね、あんたに彼女なんて-----------え?」
「なーんて、冗談よ------------え?」
二人のえ?が重なった数秒後。
「「はぁーーーーーーー⁉」」
このあと近所のおじさんに怒鳴られたことは言うまでもない。こいつらの声は本当にうるさいからな。
「ま、ま、ま、ま、まじ?」
「・・・。」
ビアンカの動揺した様子で、家の中(狭いから一室しかないのだが)を歩き回り、その反対にユーリは全く微動たにせず、黙っている。というか、なんか魂が抜けてる気が・・・。大丈夫か、コイツ。
「あ、あんたなんかに女がいるわけないじゃないっ!本当のことを言いなさいよっ」
まぁ本当は女なんていないのだけれどな。それ関係でひどい目にあったこともあるし。だけど、もう毎回異世界に来る度に問いつめられるのは、面倒だしな。
「お前らなんかより、ずっと美人だぜ。会ってくる。」
俺はスッと立ち上がりボロボロの扉を開け、二人の顔を見らずに家を出た。ちょっと今のままじゃ、気まずいしな。どっか行って時間でも潰そう。
「う、うそ。」
ボロボロの扉をあけてアイツはどこかに行ってしまった。ま、まさかぁ。あんなやつに彼女がいただなんて・・・。全くそんな感じ表に出さないからな。分からなかった。
「う、嘘に決まってるよね。ね、ユーリ・・・ユーリ⁉」
ユーリの方をみれば固まったまま動かない。
「ねぇーユーリ!おきて!ユーリったらー・・・」
何コイツ全く動かないんだけど。いくらなんでも驚きすぎじゃない?そう思って私はある可能性を感じてしまった。
「ま、まさかユーリ、マサルのこと好きだったとか⁉」
「そ、そんなわけないじゃない‼」
ゴッ!!
「ぐはぁっ‼」
鈍い音がしたと思えばおでこが熱くなっていくのを感じた。気が付いたと思えば、そこら辺に置いてあった本が飛んできた。や、やべーよこれ。血ぃ出てるって、痛たた・・。
「こんな美しくて、優しい完璧な私があんなやつ好きになるわけないでしょ?ビアンカ、あんたこそショックうけてた顔してたじゃない。あなたが好きなんでしょ。」
いや、ユーリあんた動揺しすぎだろ。顔を真っ赤にしてそんなこと言うユーリに呆れて何も言えなくなった。
「いや、ユーリ分かりやすすぎ。自分に素直になりなよ。プッ後悔するよ?」
「な、なにを!んなわけ、無いでしょーがっ!てゆうかあんた絶対バカにしてるでしょ‼もービアンカなんて、知らないっ!」
何が知らないだよ・・・。ユーリは顔を真っ赤にしたまま、どこかに行ってしまった。というか、勢いよく出過ぎて扉が外れて壊れちゃってるし。
それにしても、ユーリがアイツのことを好きだったとは。ふふ、マサルの彼女なんてどうせマサルが遊ばれてるに決まってる。それなら私がユーリの恋を応援してあげよう。恋のキューピットになってあけるわよ、ユーリ!
なんてことをビアンカか密かに決めていたことは誰も知らない・・・。
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