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115.武闘大会が始まるよ
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ドワーフの女性……エンジェの目的は女神アースに対する復讐だった。
女神アースの闇に触れて、ウータは改めて女神を倒すことを決意した……わけではない。
「さーて、今日は何して遊ぼっかなー?」
宿屋の朝。
その驚くべき事実を知らされたものの……ウータが特に気にした様子はない。
今日は何を食べようかな。どこに行こうかな。何をして遊ぼうかなくらいしか考えていなかった。
「神殿に近づくのは大変そうだし、ダンジョンはもう見てきたから……今日は食べ歩きとかどうかな?」
「あの……ウータさん、そろそろ武闘大会に出る準備をした方が良いんじゃないですか?」
「アレ? そういえば……?」
「もうそろそろ、本戦が始まりますよ。ウータさんは予選を突破していますよね?」
そうなのである。
ウータはすでに女神アースの名の下に行われる武闘大会の予選をクリアしており、本戦出場の資格がある。
そろそろ、本戦が始まるはずなのだが……組み合わせや日時などはどうなっているのだろう?
「失礼いたします。起きていますか?」
宿屋の店員が扉をノックしてから、部屋に入ってきた。
現れた店員の手には一通の手紙が握られている。
「朝食を持ってきました……それから、郵便が届いていますよ。『土』の神殿からですね」
「ああ、ありがとうございます」
ステラが店員から朝食のトレーと手紙を受け取った。
店員が出ていってから、手紙を開くと……噂をすれば影というやつである。
それは武闘大会本戦の案内だった。
ウータが参加するのは明日の第三試合である。対戦相手に付いては書かれていない。
不正行為などを利用するために、事前に知らせないようにしているのだろう。
「試合開始の十分前までに闘技場でエントリーすること、ミスリル製の武器を持参すること……だそうです。魔法は補助的な使用は認められるが、直接的な攻撃魔法を使用してはいけないとも書いてありますね」
「あ、そうなんだ……ミスリル製の武器、持ってないねー」
ウータが「それよりも……」と朝食をパクパクと食べながら、適当に言う。
「はひか、ほんへんにでふぇいたらみひゅりるがへにはひるんはったはな?」
「ちゃんと飲み込んでから話してください。ミスリル製の武器は本戦に出場できれば、簡単に手に入ると言っていましたよ。武器屋や鍛冶師の宣伝にもなるそうですから」
戦士と武器はワンセットである。
ある武器を手にした出場者が武闘大会で優勝すれば、それを作った鍛冶師や売っている店の宣伝にもなるということだった。
自分が作った武器を持った戦士が武闘大会で優勝することは、鍛冶師にとって誉れであるらしい。
「ウータさんの試合は明日ですから……今日中にミスリル製の武器を用意しておいた方が良いですね」
「うーん、そうだねえ……」
ウータはゴクゴクとミルクを飲んでから、面倒臭そうに首を傾げる。
この国にやってきた目的は女神アースと会うためだったが……正直、そんな目的は忘れかけていた。
武闘大会についても、だんだん面倒臭くなってしまったのである。
「まあ……やるけどさ。面倒臭いからって後回しにしちゃダメだって、お母さんにも言われたからねえ」
「……ウータさんに母親がいるんですか?」
「いるけど……何で?」
「何でって……」
ステラが言葉を濁した。
ウータが人の胎から生まれてきたとは思えないから……などとは、さすがに口に出すことができなかった。
「コホン……まあ、面倒臭がらずにやるのは良いことですね。それじゃあ、食事を食べたら武器屋を探しましょうか」
「うんうん、わかった……って、辛いっ!」
またしても、辛味の強い料理に当たってしまったらしい。
ウータが口を両手で押さえて、悶絶し始めたのであった。
今日の予定が決まった。
武器屋巡り。目的はミスリル製の武器の入手である。
女神アースの闇に触れて、ウータは改めて女神を倒すことを決意した……わけではない。
「さーて、今日は何して遊ぼっかなー?」
宿屋の朝。
その驚くべき事実を知らされたものの……ウータが特に気にした様子はない。
今日は何を食べようかな。どこに行こうかな。何をして遊ぼうかなくらいしか考えていなかった。
「神殿に近づくのは大変そうだし、ダンジョンはもう見てきたから……今日は食べ歩きとかどうかな?」
「あの……ウータさん、そろそろ武闘大会に出る準備をした方が良いんじゃないですか?」
「アレ? そういえば……?」
「もうそろそろ、本戦が始まりますよ。ウータさんは予選を突破していますよね?」
そうなのである。
ウータはすでに女神アースの名の下に行われる武闘大会の予選をクリアしており、本戦出場の資格がある。
そろそろ、本戦が始まるはずなのだが……組み合わせや日時などはどうなっているのだろう?
「失礼いたします。起きていますか?」
宿屋の店員が扉をノックしてから、部屋に入ってきた。
現れた店員の手には一通の手紙が握られている。
「朝食を持ってきました……それから、郵便が届いていますよ。『土』の神殿からですね」
「ああ、ありがとうございます」
ステラが店員から朝食のトレーと手紙を受け取った。
店員が出ていってから、手紙を開くと……噂をすれば影というやつである。
それは武闘大会本戦の案内だった。
ウータが参加するのは明日の第三試合である。対戦相手に付いては書かれていない。
不正行為などを利用するために、事前に知らせないようにしているのだろう。
「試合開始の十分前までに闘技場でエントリーすること、ミスリル製の武器を持参すること……だそうです。魔法は補助的な使用は認められるが、直接的な攻撃魔法を使用してはいけないとも書いてありますね」
「あ、そうなんだ……ミスリル製の武器、持ってないねー」
ウータが「それよりも……」と朝食をパクパクと食べながら、適当に言う。
「はひか、ほんへんにでふぇいたらみひゅりるがへにはひるんはったはな?」
「ちゃんと飲み込んでから話してください。ミスリル製の武器は本戦に出場できれば、簡単に手に入ると言っていましたよ。武器屋や鍛冶師の宣伝にもなるそうですから」
戦士と武器はワンセットである。
ある武器を手にした出場者が武闘大会で優勝すれば、それを作った鍛冶師や売っている店の宣伝にもなるということだった。
自分が作った武器を持った戦士が武闘大会で優勝することは、鍛冶師にとって誉れであるらしい。
「ウータさんの試合は明日ですから……今日中にミスリル製の武器を用意しておいた方が良いですね」
「うーん、そうだねえ……」
ウータはゴクゴクとミルクを飲んでから、面倒臭そうに首を傾げる。
この国にやってきた目的は女神アースと会うためだったが……正直、そんな目的は忘れかけていた。
武闘大会についても、だんだん面倒臭くなってしまったのである。
「まあ……やるけどさ。面倒臭いからって後回しにしちゃダメだって、お母さんにも言われたからねえ」
「……ウータさんに母親がいるんですか?」
「いるけど……何で?」
「何でって……」
ステラが言葉を濁した。
ウータが人の胎から生まれてきたとは思えないから……などとは、さすがに口に出すことができなかった。
「コホン……まあ、面倒臭がらずにやるのは良いことですね。それじゃあ、食事を食べたら武器屋を探しましょうか」
「うんうん、わかった……って、辛いっ!」
またしても、辛味の強い料理に当たってしまったらしい。
ウータが口を両手で押さえて、悶絶し始めたのであった。
今日の予定が決まった。
武器屋巡り。目的はミスリル製の武器の入手である。
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