39 / 54
39話 プレケスの英雄戦 五
しおりを挟む
※注意
殺陣のみです。40話までヴォックスが出てきません。
35~40話まで本日中に2時間間隔でUPされます。
「甘い」
左足を再び正面へ踏み込み反時計回りで動き身体を戻す。地面から剣を抜いた男が下から上へ斬り込んでくるのを左の剣で受け止め、勢いのまま左側へいなして転がす。右側からの攻撃を右の剣で受けながら再び左側へいなした。その後ろに控えていた者を袈裟斬りにして一人減らす。
今度は左手から頭部を狙った横からの攻撃を上半身屈んで避けた。右からの縦に振り下ろす攻撃を左に半歩寄せて避け、左からくる追撃を剣を横に構えて受ける。身体を正面に戻し向き直り、受けていた剣を右の剣で払い落とし、顔が俯き気味に体勢を崩したところを右足で蹴りを入れた。
背後から来る気配を察し、時計回りに向き直るついでに下から振り上げて相手の剣をはじき返す。そのまま左の剣で米神を叩いて地に伏せた。
「っ」
囲まれてしまうと常に背後から攻撃が来る。再び来る背後からの男の剣を右腕を振るって肩にかけて背中を剣で防御する形をとった。剣同士がぶつかり、振動が直に伝わる。正面からの攻撃を左の剣で受け、追撃が来る前に両腕を大きく振りぬいて両腕で受けている相手の剣を浮かせた。正面の敵は足払いをしてこちら側に倒れさせ、真上から後頭部を叩く。ほぼ同時に左手を外側へ振るってもう一人をみぞおちに食らわせた。
左から突きがくるのを少し下がって避け、右側からの振り下ろされた剣も捻って避け、振り下ろした敵に向け高く足を上げて顔面を蹴り飛ばした。
「よっと」
真正面から左から右へ横一線がくるも、狙いが顔だったので首を傾けて避けるだけで問題ない。その後に足を狙った払うような攻撃があり、軽く飛ぶことで避けた。飛んだ瞬間を狙った突きがあるも、左の剣で受け空中で捻りながら右の剣で防具のある部分を突いた。力加減がうまくいかず壁まで吹っ飛んでしまったが巻き添えで男と壁の間にいたもう一人もついでに倒すことが出来たのでまあいいだろう。
「……笑えるな」
時間をかけても私をどうにかできない焦りからか手練れを投入してきた。大きめの剣を持つ男、先程も見た異国の双刀使いが加わる形で現れる。
大剣を真上から振り下ろす速さは他の者と明らかに違った。相手の一線を一歩引いて避けると双刀が既に右寄りから振り下ろされている。
「!」
苦く笑うしかない。
双刀を両手の剣を交じらせ受け、右に流しながら地面に双刀をめり込ませる。大剣が横から振りかぶる形で迫ってきていた。この大きさのものをこの速さで扱うとは中々の使い手だ。
再び交じらせた剣で受ける。右に流して体勢を立て直し済んでこちらに向かう双刀使いと衝突させた。さすがに気づいた二人が互いに急所を避けた為、ここで倒れてはくれない。
背後に回った別の男が低い姿勢で突きをしてくるのを避けてそのまま突っ込んでくる顔面に肘鉄を食らわした。このぐらいの速さだと助かるのに、それ以上が二人もいるなんて困った状況だ。
「ふっ」
双刀使いが右から向かってくる。右の剣を左側に上半身を捻りながら持ってきて、その捻りを解放する形で左から右へ横一線する。高すぎる剣先を双刀使いは膝をおって避け、その弾みで違う男の腹を叩き一人昏倒した。結果オーライとしよう。
けど仲間の事など気にもとめない様子はあまり気分のいいものではなかった。
低い姿勢で地を削りながら足元から狙って双刀使いが突っ込んでくる。右の剣を斜めに地に刺して力がかかりにくいところは足で止めて受けきった。
左から横に振り回しながら突っ込んでくる男を屈んで避けつつ足をかけて体制を崩させる。その男が膝をついたところに、双刀使いが突っ込んできた。身体を捻りながら進み肉薄し肩を掴んで膝を折った男に投げつけると昏倒したのは向う脛を打たれた男だけだった。そううまくはいかない。
「チッ」
大剣使いが再び真上から斬りかかってくる。背後を狙う辺り慎重な男だ。翻って避け、向こう脛を蹴るとさすがに膝をついた。
左側から双刀使いが現れる。速さに舌打ちしか出てこないが、ここまでの手練れをいれてきたのなら先見隊は潮時ということだろう。双刀使いの剣を、右は右、左は左でそれぞれ受けきり、鍔迫りあいの末押し勝ち双刀を浮かせる。脇が甘くなったところで追撃し隙ができた身体に袈裟斬りをいれ、きちんと手応え通り打撃が入り崩れ落ちた。
「!」
再び大剣が背後より降ってくる。振り向きざま避けつつ胸の防具に一発あてるが、それだけでは倒れなかった。やはり今までとは勝手が違う。大剣二擊目を右の剣で受けとめ、左の剣でみぞおちを叩くも浅いのか倒れない。
背後から別の男が振り下ろしてくるのを大剣を左に流してから身体を捻って避ける。避けるついでに後頭部を蹴ってやった。やはり一撃で倒れるあたり、大剣使いと双刀使いが規格外なのがよく分かる。(
「いい加減、倒れてくれよ?」
大剣が完全にあがる前に両手の剣を使って地面に落とし、続けざまに両手の剣を体重をかけて斬り込んだ。脳天にあたったのがよかったのか、そのままずるりと地面に倒れる。
殺陣のみです。40話までヴォックスが出てきません。
35~40話まで本日中に2時間間隔でUPされます。
「甘い」
左足を再び正面へ踏み込み反時計回りで動き身体を戻す。地面から剣を抜いた男が下から上へ斬り込んでくるのを左の剣で受け止め、勢いのまま左側へいなして転がす。右側からの攻撃を右の剣で受けながら再び左側へいなした。その後ろに控えていた者を袈裟斬りにして一人減らす。
今度は左手から頭部を狙った横からの攻撃を上半身屈んで避けた。右からの縦に振り下ろす攻撃を左に半歩寄せて避け、左からくる追撃を剣を横に構えて受ける。身体を正面に戻し向き直り、受けていた剣を右の剣で払い落とし、顔が俯き気味に体勢を崩したところを右足で蹴りを入れた。
背後から来る気配を察し、時計回りに向き直るついでに下から振り上げて相手の剣をはじき返す。そのまま左の剣で米神を叩いて地に伏せた。
「っ」
囲まれてしまうと常に背後から攻撃が来る。再び来る背後からの男の剣を右腕を振るって肩にかけて背中を剣で防御する形をとった。剣同士がぶつかり、振動が直に伝わる。正面からの攻撃を左の剣で受け、追撃が来る前に両腕を大きく振りぬいて両腕で受けている相手の剣を浮かせた。正面の敵は足払いをしてこちら側に倒れさせ、真上から後頭部を叩く。ほぼ同時に左手を外側へ振るってもう一人をみぞおちに食らわせた。
左から突きがくるのを少し下がって避け、右側からの振り下ろされた剣も捻って避け、振り下ろした敵に向け高く足を上げて顔面を蹴り飛ばした。
「よっと」
真正面から左から右へ横一線がくるも、狙いが顔だったので首を傾けて避けるだけで問題ない。その後に足を狙った払うような攻撃があり、軽く飛ぶことで避けた。飛んだ瞬間を狙った突きがあるも、左の剣で受け空中で捻りながら右の剣で防具のある部分を突いた。力加減がうまくいかず壁まで吹っ飛んでしまったが巻き添えで男と壁の間にいたもう一人もついでに倒すことが出来たのでまあいいだろう。
「……笑えるな」
時間をかけても私をどうにかできない焦りからか手練れを投入してきた。大きめの剣を持つ男、先程も見た異国の双刀使いが加わる形で現れる。
大剣を真上から振り下ろす速さは他の者と明らかに違った。相手の一線を一歩引いて避けると双刀が既に右寄りから振り下ろされている。
「!」
苦く笑うしかない。
双刀を両手の剣を交じらせ受け、右に流しながら地面に双刀をめり込ませる。大剣が横から振りかぶる形で迫ってきていた。この大きさのものをこの速さで扱うとは中々の使い手だ。
再び交じらせた剣で受ける。右に流して体勢を立て直し済んでこちらに向かう双刀使いと衝突させた。さすがに気づいた二人が互いに急所を避けた為、ここで倒れてはくれない。
背後に回った別の男が低い姿勢で突きをしてくるのを避けてそのまま突っ込んでくる顔面に肘鉄を食らわした。このぐらいの速さだと助かるのに、それ以上が二人もいるなんて困った状況だ。
「ふっ」
双刀使いが右から向かってくる。右の剣を左側に上半身を捻りながら持ってきて、その捻りを解放する形で左から右へ横一線する。高すぎる剣先を双刀使いは膝をおって避け、その弾みで違う男の腹を叩き一人昏倒した。結果オーライとしよう。
けど仲間の事など気にもとめない様子はあまり気分のいいものではなかった。
低い姿勢で地を削りながら足元から狙って双刀使いが突っ込んでくる。右の剣を斜めに地に刺して力がかかりにくいところは足で止めて受けきった。
左から横に振り回しながら突っ込んでくる男を屈んで避けつつ足をかけて体制を崩させる。その男が膝をついたところに、双刀使いが突っ込んできた。身体を捻りながら進み肉薄し肩を掴んで膝を折った男に投げつけると昏倒したのは向う脛を打たれた男だけだった。そううまくはいかない。
「チッ」
大剣使いが再び真上から斬りかかってくる。背後を狙う辺り慎重な男だ。翻って避け、向こう脛を蹴るとさすがに膝をついた。
左側から双刀使いが現れる。速さに舌打ちしか出てこないが、ここまでの手練れをいれてきたのなら先見隊は潮時ということだろう。双刀使いの剣を、右は右、左は左でそれぞれ受けきり、鍔迫りあいの末押し勝ち双刀を浮かせる。脇が甘くなったところで追撃し隙ができた身体に袈裟斬りをいれ、きちんと手応え通り打撃が入り崩れ落ちた。
「!」
再び大剣が背後より降ってくる。振り向きざま避けつつ胸の防具に一発あてるが、それだけでは倒れなかった。やはり今までとは勝手が違う。大剣二擊目を右の剣で受けとめ、左の剣でみぞおちを叩くも浅いのか倒れない。
背後から別の男が振り下ろしてくるのを大剣を左に流してから身体を捻って避ける。避けるついでに後頭部を蹴ってやった。やはり一撃で倒れるあたり、大剣使いと双刀使いが規格外なのがよく分かる。(
「いい加減、倒れてくれよ?」
大剣が完全にあがる前に両手の剣を使って地面に落とし、続けざまに両手の剣を体重をかけて斬り込んだ。脳天にあたったのがよかったのか、そのままずるりと地面に倒れる。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。
とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する
春夏秋冬/光逆榮
恋愛
クリバンス王国内のフォークロス領主の娘アリス・フォークロスは、母親からとある理由で憧れである月の魔女が通っていた王都メルト魔法学院の転入を言い渡される。
しかし、その転入時には名前を偽り、さらには男装することが条件であった。
その理由は同じ学院に通う、第二王子ルーク・クリバンスの鼻を折り、将来王国を担う王としての自覚を持たせるためだった。
だがルーク王子の鼻を折る前に、無駄にイケメン揃いな個性的な寮生やクラスメイト達に囲まれた学院生活を送るはめになり、ハプニングの連続で正体がバレていないかドキドキの日々を過ごす。
そして目的であるルーク王子には、目向きもなれない最大のピンチが待っていた。
さて、アリスの運命はどうなるのか。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる