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44話 ランチデートと不穏な目撃
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オレンから画材を買いに行く誘いを受けた。肖像画で使うものの補充だ。喜んで話に乗った。
「昼もすませよう」
「いいですね。どちらに?」
喜んだのも束の間、場所を目の前にして絶句した。
「こ、高級サロン……」
「どうした?」
ここって高爵位の、それこそオレンやコルホネン公爵令嬢のような家柄の人じゃないと入れない場所では?
「……ああ、社交はない」
そこじゃない。
サロンは貴族同士の社交・交流の場として利用することもあれば食事だけもとれる。問題は入れる人に限りがあること。オレンがいれば私もいれてもらえるだろうけど、個人で行ったら追い返されるだろう。
「ミナ、大丈夫だ」
手を差し伸べられる。
さっきまでの凛とした表情はなく、目尻を下げて表情を緩めていた。
グレーの瞳が甘く揺れる。
「ギャップ!」
「どうした?」
「あ、いえ」
「入って」
「はいっ」
手をとって入ってしまった。
休日だから服も適当で場に合っていない。
ここに来る時用の上等な服は持ってないから着替えに戻るなんて言い訳は通用しないし、買うなんてことも私の給料からだときつい。画材も買いたいし。
「ひゃ……」
当然内装も綺麗で豪華。ちらほら見える客層が明らかに違う。かなり気が引けた。
「……個室はあいているだろうか?」
「え?」
「ございます。個室になさいますか?」
「頼む」
「え?」
戸惑うまま個室に案内された。充分広い個室のソファに並んで座る。
そしてメニューを選ぶこともなく料理が出てきた。どういうシステム?
「料理は私が選んでしまったが、食べられないものはあるか?」
「いえ、全部食べれます……オレンが選んで?」
「ああ、この後画材も買うから、そちらに時間をかけたいだろう?」
なんという気遣い。しかもこの料理美味しい。軽食なのも助かる。
「口に合ったか?」
「はい! すごく美味しいです!」
「よかった」
嬉しそうに目を細めた。微笑みの破壊力すごい。眩しい。
「ミナ」
すっと手がのびて、私の口元に触れた。
「ついてる」
「ひっ」
その所作で甘い顔は反則! アウト! 破壊力が色々突破してる!
あ、いや、私がアウトか。食べ方汚いんだもの。
「これぐらいは気にするな」
「でも」
「騎士たちの方がひどいぞ?」
それはまた別の話だ。確かに騎士は食べ方が豪快で、ガツガツって効果音聞こえそうだし、かなりの量を掻っ込んでいく。
「美味しそうに食べるミナと一緒に食べる方が私は好きだ」
「そう、ですか」
なんでこんなにどぎまぎしながら食べないといけないの。全てはオレンのギャップがいけない。なのに結局、食欲に負けてデザートまで頂いてしまった。
「……美味しかった」
「気に入ったようでよかった。また来よう」
料金払えなさそうなんで遠慮します、なんて言ってもオレンのこと自分が払うとか言いそうだから、感謝の言葉で留めた。当然のように払ってくれたけど、後でどこかで精算できないだろうか。
「団長!」
「ペッタ、どうした」
休日出勤で王都見回りをしていた騎士から声をかけられる。団長は嫌な顔をせず相談に乗った。お邪魔かと思い少し距離をとると、サロンの建物端っこ、死角になっていた場所に見たことある顔を見た。
「えっと、ライネ公爵令嬢?」
対セモツ国終戦の祝賀会で絡まれたご令嬢だ。コルホネン公爵令嬢が助けてくれたから当たり障りなく終わって、すっかり忘れていた。死角になった細い路地を少し入った先にライネ公爵令嬢とお相手の男性がいる。相手は見目麗しい細身の貴族ぽい男性だ。
『全体バランス4 ただし下半身は6 足が速いです』
陸上でもしてるの?
なんかステータスの精度があがってる。細かくみられるならよしだけどね。
「ああオリヴィア、君と結ばれる日が待ち遠しいよ」
「まあヴァレデラ、わたくしもよ」
「この新しい事業で父上に認めてもらえれば君との結婚もすぐだ」
「嬉しいですわ」
恋人の逢瀬というやつか。
隠れてるってことは多少訳ありなのかな。
「庶子の僕がここまでこれたのはオリヴィアのおかげだよ」
「私にできることはなんでもするわ」
「ありがとう……今日は持ってきてくれたかい?」
「ええ。私のネックレスを」
んん?
聞いたところ障害のある恋なのは分かった。けどなんでネックレスを渡すの?
「これを担保に融資を受ければ事業が始められる」
「んんん?」
おかしい。
宝石類を担保にするのはなくはないけど、事業を興すなら公的機関がきちんと融資してくれる。平民貴族関係ない。この国のいいところでもあるけど、今は目の前に集中しないと。話が不穏になってきた。
「後で小切手を送るわ」
「助かるよ」
宝石を担保に融資をしてもらってさらにお金が必要? どんな事業なの?
ちゃんとした事業なら当面のランニングコストも考えた上での融資がある。他人から私的に担保になるものを預かったり小切手で現金を手に入れる必要がない。
事務員として働いていると、そういった話は聞くようになるから知っている。
この人、何も知らないまま事業興そうとしてるの?
「今日は君をこのサロンに招待したかった。けどごめん、今は一刻も早く君と結ばれるために事業を興したいんだ」
「ええ、承知しておりますわ。ご両親の事業につながるものなのでしょう?」
早くした方がいいとライネ公爵令嬢はうっとりした顔をして肯定した。
そんな急がなくても開業するのに国の登録と承認があって時間がかかるからお茶くらいできる。
「おや、これは」
「どうかしまして?」
「いや、今日のネックレスが一段と綺麗だなと思って……美しい君に似合ってる」
「まあ」
「それは希少性の高いパライバトルマリン?」
目利きはいいんだ。暗がりでぱっと見ただけで希少石を言い当てるなんてよく見てるわね。
「ええ、父が誕生日に贈ってくれたもので」
「……オリヴィア! 僕を助けてくれ!」
「まあどうしたの?」
「これだけ援助してもらって言いづらかったんだ。許してほしい。実はこのネックレスだけでは担保として成り立たないんだ」
何言ってるの? 足りない?
もっともらしい理由をつけて熱弁する麗しい貴族の言いたいことはつまり、彼女の持つパライバトルマリンも欲しいということだけだ。
さすがにここまできたら私でも分かる。王都で流行っていると聞いていた詐欺だ。
「昼もすませよう」
「いいですね。どちらに?」
喜んだのも束の間、場所を目の前にして絶句した。
「こ、高級サロン……」
「どうした?」
ここって高爵位の、それこそオレンやコルホネン公爵令嬢のような家柄の人じゃないと入れない場所では?
「……ああ、社交はない」
そこじゃない。
サロンは貴族同士の社交・交流の場として利用することもあれば食事だけもとれる。問題は入れる人に限りがあること。オレンがいれば私もいれてもらえるだろうけど、個人で行ったら追い返されるだろう。
「ミナ、大丈夫だ」
手を差し伸べられる。
さっきまでの凛とした表情はなく、目尻を下げて表情を緩めていた。
グレーの瞳が甘く揺れる。
「ギャップ!」
「どうした?」
「あ、いえ」
「入って」
「はいっ」
手をとって入ってしまった。
休日だから服も適当で場に合っていない。
ここに来る時用の上等な服は持ってないから着替えに戻るなんて言い訳は通用しないし、買うなんてことも私の給料からだときつい。画材も買いたいし。
「ひゃ……」
当然内装も綺麗で豪華。ちらほら見える客層が明らかに違う。かなり気が引けた。
「……個室はあいているだろうか?」
「え?」
「ございます。個室になさいますか?」
「頼む」
「え?」
戸惑うまま個室に案内された。充分広い個室のソファに並んで座る。
そしてメニューを選ぶこともなく料理が出てきた。どういうシステム?
「料理は私が選んでしまったが、食べられないものはあるか?」
「いえ、全部食べれます……オレンが選んで?」
「ああ、この後画材も買うから、そちらに時間をかけたいだろう?」
なんという気遣い。しかもこの料理美味しい。軽食なのも助かる。
「口に合ったか?」
「はい! すごく美味しいです!」
「よかった」
嬉しそうに目を細めた。微笑みの破壊力すごい。眩しい。
「ミナ」
すっと手がのびて、私の口元に触れた。
「ついてる」
「ひっ」
その所作で甘い顔は反則! アウト! 破壊力が色々突破してる!
あ、いや、私がアウトか。食べ方汚いんだもの。
「これぐらいは気にするな」
「でも」
「騎士たちの方がひどいぞ?」
それはまた別の話だ。確かに騎士は食べ方が豪快で、ガツガツって効果音聞こえそうだし、かなりの量を掻っ込んでいく。
「美味しそうに食べるミナと一緒に食べる方が私は好きだ」
「そう、ですか」
なんでこんなにどぎまぎしながら食べないといけないの。全てはオレンのギャップがいけない。なのに結局、食欲に負けてデザートまで頂いてしまった。
「……美味しかった」
「気に入ったようでよかった。また来よう」
料金払えなさそうなんで遠慮します、なんて言ってもオレンのこと自分が払うとか言いそうだから、感謝の言葉で留めた。当然のように払ってくれたけど、後でどこかで精算できないだろうか。
「団長!」
「ペッタ、どうした」
休日出勤で王都見回りをしていた騎士から声をかけられる。団長は嫌な顔をせず相談に乗った。お邪魔かと思い少し距離をとると、サロンの建物端っこ、死角になっていた場所に見たことある顔を見た。
「えっと、ライネ公爵令嬢?」
対セモツ国終戦の祝賀会で絡まれたご令嬢だ。コルホネン公爵令嬢が助けてくれたから当たり障りなく終わって、すっかり忘れていた。死角になった細い路地を少し入った先にライネ公爵令嬢とお相手の男性がいる。相手は見目麗しい細身の貴族ぽい男性だ。
『全体バランス4 ただし下半身は6 足が速いです』
陸上でもしてるの?
なんかステータスの精度があがってる。細かくみられるならよしだけどね。
「ああオリヴィア、君と結ばれる日が待ち遠しいよ」
「まあヴァレデラ、わたくしもよ」
「この新しい事業で父上に認めてもらえれば君との結婚もすぐだ」
「嬉しいですわ」
恋人の逢瀬というやつか。
隠れてるってことは多少訳ありなのかな。
「庶子の僕がここまでこれたのはオリヴィアのおかげだよ」
「私にできることはなんでもするわ」
「ありがとう……今日は持ってきてくれたかい?」
「ええ。私のネックレスを」
んん?
聞いたところ障害のある恋なのは分かった。けどなんでネックレスを渡すの?
「これを担保に融資を受ければ事業が始められる」
「んんん?」
おかしい。
宝石類を担保にするのはなくはないけど、事業を興すなら公的機関がきちんと融資してくれる。平民貴族関係ない。この国のいいところでもあるけど、今は目の前に集中しないと。話が不穏になってきた。
「後で小切手を送るわ」
「助かるよ」
宝石を担保に融資をしてもらってさらにお金が必要? どんな事業なの?
ちゃんとした事業なら当面のランニングコストも考えた上での融資がある。他人から私的に担保になるものを預かったり小切手で現金を手に入れる必要がない。
事務員として働いていると、そういった話は聞くようになるから知っている。
この人、何も知らないまま事業興そうとしてるの?
「今日は君をこのサロンに招待したかった。けどごめん、今は一刻も早く君と結ばれるために事業を興したいんだ」
「ええ、承知しておりますわ。ご両親の事業につながるものなのでしょう?」
早くした方がいいとライネ公爵令嬢はうっとりした顔をして肯定した。
そんな急がなくても開業するのに国の登録と承認があって時間がかかるからお茶くらいできる。
「おや、これは」
「どうかしまして?」
「いや、今日のネックレスが一段と綺麗だなと思って……美しい君に似合ってる」
「まあ」
「それは希少性の高いパライバトルマリン?」
目利きはいいんだ。暗がりでぱっと見ただけで希少石を言い当てるなんてよく見てるわね。
「ええ、父が誕生日に贈ってくれたもので」
「……オリヴィア! 僕を助けてくれ!」
「まあどうしたの?」
「これだけ援助してもらって言いづらかったんだ。許してほしい。実はこのネックレスだけでは担保として成り立たないんだ」
何言ってるの? 足りない?
もっともらしい理由をつけて熱弁する麗しい貴族の言いたいことはつまり、彼女の持つパライバトルマリンも欲しいということだけだ。
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