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28話 今から同じベッドで寝る?(L)→(D)
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「はあ? こんなに胸元あけるわけ?」
「しかし領主様、王都の流行りはみなこのような形のものが主流でして」
試着する前から、ダーレの機嫌が悪い。どうしても花嫁衣装が気に入らないらしい。
「ダーレ、こちらは?」
「うーん、さっきのよりマシだけど……」
ようは露出が多い衣装はだめと。領民達しか見ないのだから、多少はよいのではと思うのだけど。
「やっぱり全部一から……」
「ダーレ、予算」
「いいじゃん出そうよーラウラの結婚式なんだよ?」
「ノッチュ城でも式を挙げるし、ここでやるのは領民の皆さんが日々おさめてくれたお金でしょう? そこまで使いすぎたくないの」
「う……」
「ダーレ、次はこちらよ」
「ううう」
私より好みのうるさいダーレは、あれやこれや考えて、試着するものを厳選して、試着して見せてもうんうん唸っていた。勿論、領主としての立場も考えた上で私も衣装は選んでいる。
「主人、女々しいですよ」
「王女様が候補を絞ってくれてるというのに、この体たらくとは情けない」
「言うな」
案の定言われ放題。
まあ、私が割と即決だったから、ダーレの様子はそれはもう時間がかかるように見えるでしょうね。
「あ、ダーレ」
「どうしたの?」
「私、約束が」
「ああ、そうだったね。いいよ、大丈夫」
仕立屋さんのお手伝いとまでしか言えなくて、しかも私とだけの約束という曖昧な言葉でも、ダーレは特段深くは聞かずに許してくれている。
折角だから内密に、ちょっと驚かしてやりましょうと仕立て屋の奥様に言われてからは、ダーレにばれないように一緒に作っている。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ラウラ、なんか隠してる」
「いいじゃないですか、危険な目に遭ってないとお伝えしたでしょう」
「フィーとアンが知ってて、僕だけ知らないって何」
「問題ないと申し上げました」
「そうなんだけどさあ」
ラウラがよそよそしい態度で仕立て屋に通い始めて数日、気になって早々にフィーとアンに探りを入れたら、笑顔で大丈夫ですと言われて終わった。
中身が知りたかったのに、教えてくれない。ひどいものだ。
「そうやって端から端まで知りたいというのは、王女様も息苦しいかと思いますが」
「分かってる」
「そして主人は早々に衣装を選ぶべきかと」
「知ってる」
渋々、衣装選びに戻る。
この後、僕が数時間悩むことになって、フィーとアンが心底うんざりした顔になるのは言うまでもない。
だってラウラの肌を他の男に見られるんだよ? いくら領地の人間が僕の事を十分に分かった上で、ラウラに恋愛感情抱かなくても、ただ見られてるってだけで気分が悪い。
そう言うと、悲しいかな。いつも通り引いた様子で僕を見てくる二人の侍従。仕方ないだろ、好きで仕様がないんだからさ。
* * *
「ラウラ、戻った?」
「ええ」
夕餉前に戻って来たラウラの部屋に行く。そういえば、夜更けじゃなければ割と部屋に入れてくれるようになった。こんなとこでもちょっとした幸せ感じられるから、本当凄いよ。
「ダーレ、衣装は?」
「大丈夫、決めたよ」
「そう、ありがとう」
ラウラが楽しそうな顔をして帰ってくると、何してたのってきけなくなる。
一度聞いてしどろもどろになって誤魔化そうとしたから、仕方なく何も聞かないことにした。フィーもアンも大丈夫だと言うし、ラウラが言いたくないなら仕方ないし。まあ、もやってるけど。
「紅茶でいい?」
「ああ、ありがと」
言ってラウラが用意する。ヤナは夕餉の準備でこっちの仕事を手伝ってくれてるから今はいない。そういう時、ラウラはあまり気にしてないのか自分で全部こなしてみせる。
「ん?」
ラウラにしては珍しい。片付けようとしたのか、箱からはみ出した布が視界に入った。
「ラウラ、はみ出てる」
「え? あ」
何の気なしに引っ張ってしまった。するりと箱の隙間から出てきてしまうのを見て、ラウラは小さく悲鳴を上げた。
「どうしたの?」
「だ、め!」
ラウラが慌てるから何かと思って、引き抜いてしまった布を見ると、ああ成程と思ってしまった。むしろ下着なんじゃとか思った自分どうしよう。あ、でもラウラからすれば、どっちも同じようなものか。
「これって」
「ちが、違うの!」
首から顔まで真っ赤にしたラウラが僕の手から奪おうとするのは、夫婦の夜の為に妻が着るであろうナイトウェアだった。
この領地でそういうものの流行りはないけど、王都は割と出回っている。
にしても、ラウラがこれを?
いや、すっごく好みだし、着てくれるなら大歓迎なんだけど。
「ラウラ、これ着てくれるの?」
「着ないわ!」
「え、持ってるって事は着るってことじゃ」
「それは、どうしてもって、言うから」
ラウラ曰く、仕立て屋からどうしても買ってほしいと頼まれたと。
わざわざ仕入れた当たり、僕かラウラ狙いで売ろうとしたな。よし、今度追加で仕入れてもらおう。
「ほら、僕ら式を挙げたら夫婦の寝室で一緒に寝るんだよ? こういうの着てくれると最高なんだけど」
「い、一緒に?! 寝る?!」
「そうでしょ。結婚するんだからさ」
「え、あ、そう、だけど」
「ね、着よ?」
「……だめ!」
結構テンパってるところにうまく誘導しようとしたけど、結局気づいちゃったか。残念。
持っていた衣装をばりっと素早く持って行かれ、僕は肩を落とした。
「もう! 馬鹿言わないで!」
「僕はいたって本気」
「それでも駄目なものは駄目よ!」
「ちぇー」
まあ確かに刺激強すぎて暴走しそうだから、しょっぱなそれはよしてもらうのがいいかもしれない。
にしても、ラウラは結婚したら同じベッドで寝るって意識あるのかな。さっきの反応といい、少し心配になってきたかも。
「いっそもう今から同じベッドで寝る?」
「何言ってるの!」
「しかし領主様、王都の流行りはみなこのような形のものが主流でして」
試着する前から、ダーレの機嫌が悪い。どうしても花嫁衣装が気に入らないらしい。
「ダーレ、こちらは?」
「うーん、さっきのよりマシだけど……」
ようは露出が多い衣装はだめと。領民達しか見ないのだから、多少はよいのではと思うのだけど。
「やっぱり全部一から……」
「ダーレ、予算」
「いいじゃん出そうよーラウラの結婚式なんだよ?」
「ノッチュ城でも式を挙げるし、ここでやるのは領民の皆さんが日々おさめてくれたお金でしょう? そこまで使いすぎたくないの」
「う……」
「ダーレ、次はこちらよ」
「ううう」
私より好みのうるさいダーレは、あれやこれや考えて、試着するものを厳選して、試着して見せてもうんうん唸っていた。勿論、領主としての立場も考えた上で私も衣装は選んでいる。
「主人、女々しいですよ」
「王女様が候補を絞ってくれてるというのに、この体たらくとは情けない」
「言うな」
案の定言われ放題。
まあ、私が割と即決だったから、ダーレの様子はそれはもう時間がかかるように見えるでしょうね。
「あ、ダーレ」
「どうしたの?」
「私、約束が」
「ああ、そうだったね。いいよ、大丈夫」
仕立屋さんのお手伝いとまでしか言えなくて、しかも私とだけの約束という曖昧な言葉でも、ダーレは特段深くは聞かずに許してくれている。
折角だから内密に、ちょっと驚かしてやりましょうと仕立て屋の奥様に言われてからは、ダーレにばれないように一緒に作っている。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ラウラ、なんか隠してる」
「いいじゃないですか、危険な目に遭ってないとお伝えしたでしょう」
「フィーとアンが知ってて、僕だけ知らないって何」
「問題ないと申し上げました」
「そうなんだけどさあ」
ラウラがよそよそしい態度で仕立て屋に通い始めて数日、気になって早々にフィーとアンに探りを入れたら、笑顔で大丈夫ですと言われて終わった。
中身が知りたかったのに、教えてくれない。ひどいものだ。
「そうやって端から端まで知りたいというのは、王女様も息苦しいかと思いますが」
「分かってる」
「そして主人は早々に衣装を選ぶべきかと」
「知ってる」
渋々、衣装選びに戻る。
この後、僕が数時間悩むことになって、フィーとアンが心底うんざりした顔になるのは言うまでもない。
だってラウラの肌を他の男に見られるんだよ? いくら領地の人間が僕の事を十分に分かった上で、ラウラに恋愛感情抱かなくても、ただ見られてるってだけで気分が悪い。
そう言うと、悲しいかな。いつも通り引いた様子で僕を見てくる二人の侍従。仕方ないだろ、好きで仕様がないんだからさ。
* * *
「ラウラ、戻った?」
「ええ」
夕餉前に戻って来たラウラの部屋に行く。そういえば、夜更けじゃなければ割と部屋に入れてくれるようになった。こんなとこでもちょっとした幸せ感じられるから、本当凄いよ。
「ダーレ、衣装は?」
「大丈夫、決めたよ」
「そう、ありがとう」
ラウラが楽しそうな顔をして帰ってくると、何してたのってきけなくなる。
一度聞いてしどろもどろになって誤魔化そうとしたから、仕方なく何も聞かないことにした。フィーもアンも大丈夫だと言うし、ラウラが言いたくないなら仕方ないし。まあ、もやってるけど。
「紅茶でいい?」
「ああ、ありがと」
言ってラウラが用意する。ヤナは夕餉の準備でこっちの仕事を手伝ってくれてるから今はいない。そういう時、ラウラはあまり気にしてないのか自分で全部こなしてみせる。
「ん?」
ラウラにしては珍しい。片付けようとしたのか、箱からはみ出した布が視界に入った。
「ラウラ、はみ出てる」
「え? あ」
何の気なしに引っ張ってしまった。するりと箱の隙間から出てきてしまうのを見て、ラウラは小さく悲鳴を上げた。
「どうしたの?」
「だ、め!」
ラウラが慌てるから何かと思って、引き抜いてしまった布を見ると、ああ成程と思ってしまった。むしろ下着なんじゃとか思った自分どうしよう。あ、でもラウラからすれば、どっちも同じようなものか。
「これって」
「ちが、違うの!」
首から顔まで真っ赤にしたラウラが僕の手から奪おうとするのは、夫婦の夜の為に妻が着るであろうナイトウェアだった。
この領地でそういうものの流行りはないけど、王都は割と出回っている。
にしても、ラウラがこれを?
いや、すっごく好みだし、着てくれるなら大歓迎なんだけど。
「ラウラ、これ着てくれるの?」
「着ないわ!」
「え、持ってるって事は着るってことじゃ」
「それは、どうしてもって、言うから」
ラウラ曰く、仕立て屋からどうしても買ってほしいと頼まれたと。
わざわざ仕入れた当たり、僕かラウラ狙いで売ろうとしたな。よし、今度追加で仕入れてもらおう。
「ほら、僕ら式を挙げたら夫婦の寝室で一緒に寝るんだよ? こういうの着てくれると最高なんだけど」
「い、一緒に?! 寝る?!」
「そうでしょ。結婚するんだからさ」
「え、あ、そう、だけど」
「ね、着よ?」
「……だめ!」
結構テンパってるところにうまく誘導しようとしたけど、結局気づいちゃったか。残念。
持っていた衣装をばりっと素早く持って行かれ、僕は肩を落とした。
「もう! 馬鹿言わないで!」
「僕はいたって本気」
「それでも駄目なものは駄目よ!」
「ちぇー」
まあ確かに刺激強すぎて暴走しそうだから、しょっぱなそれはよしてもらうのがいいかもしれない。
にしても、ラウラは結婚したら同じベッドで寝るって意識あるのかな。さっきの反応といい、少し心配になってきたかも。
「いっそもう今から同じベッドで寝る?」
「何言ってるの!」
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