92 / 164
2章 神よ、感謝します。けど、ちょっと違う叶ったけどちょっと違うんです。
92話 萌えとはかくも罪深きものか
しおりを挟む
いつの間にそんな演技できるようになったし。不覚にも演技なのにときめいてしまったじゃないか。くそう、ツンデレのツンは純粋なツンだからいいんだ!
にしても表情、言い方…実に王道だった。オリアーナからきいたの?そしたらオリアーナがよく知ってる。そこまで話した記憶ないけど、いやまあダダ漏れだったけど、ここまで分析できたのはすごい才能だよ。
「ツンデレは演技で習得するものではないのです……」
「そこまで嘆くものなのか」
「純粋培養のツンデレだからいいんだよ…ディエゴは不純なもの取り入れない、素のツンデレだったからよかったんだよ…その頃のが断然好みだったというのに…どこで染まってしまったのか……」
最近ぐいぐいだし、まあそこはこじらせ系だからありえるとしても、ダンスになんなく誘う様とか、今回のデートの誘いとか。スムーズにして紳士でイケメンらしく誘うって、そこもおいしいけど、やっぱり初期設定のツンデレがほしいわけだよ。
という私の主張を聴いたディエゴが何とも言えない顔をしていた。
「……俺が君を誘うのにどれだけ勇気が必要だったか分かっているのか?」
「え、そんな大きな決断?」
今のディエゴには告白もダンスの誘いもデートの誘いも余裕でしょと加えれば、眉間に皺を寄せて瞼を閉じた。くぐもった唸り声も聞こえたけど。
「告白だって毎回緊張してるし、ダンスの時も今も……君は断るの前提に俺と向き合ってる。それをなんとか承諾してもらう事に必死なんだ」
「おお」
「格好良く見られたいから余裕の振りをしてるだけで、内心どれだけ俺が気が気じゃないか分からないだろう?」
少し照れつつも紛れも無い本音を吐露したディエゴ。ぐいぐいなのもスマートな誘いも全部照れ隠し故の演技、俺様キャラも演技。全てはツンデレを隠すための演技とは。なにそれ震える。
「か、」
「どうした?」
「可愛いいいいいよー!!」
「ああ、やっぱりそうなるか!」
「これだよ、これ! 真実、ディエゴ、君はツンデレだよ! もっと! もっとください!」
「だから嫌だったんだ!」
何故話してしまったのかと自身を嘆いた後、可愛いはやめてくれと懇願される。可愛い以外の選択肢はないだろう。お年頃だから格好いいがほしいんだろうけど、ツンデレは可愛い以外ない!
芝生の上を両手で顔を隠してゴロゴロする。可愛いは世界を救う。少なくとも私を救うのは決定項だ。
「あああ久しぶりだね、この供給ー!」
「……くそ」
候爵令息としてあるまじき言葉が出たけど気にしない。言葉遣いは私が言える立場じゃないしね。
「うえへへ」
「妙な笑い方をするな」
「いや、もう今日は幸せな日ですな」
「っ」
芝生の上で目を合わせて急にディエゴが起き上がった。いつもの照れ隠しですね、耳が赤いからわかりますおいしいもっと。
「はあ…萌えとはかくも罪深きものか」
「またよく分からない事を…」
「ディエゴは染まらず、そのままでいてね」
「……」
ここまで楽しませてもらったのなら、お礼にいくらでも舞台を見に行こう。どちらにしろ2.5次元舞台ばりのものを見られそうだし、煩悩に忠実に従おうじゃないか。恐らくこの舞台鑑賞は私が幸せなだけで終わるタイプのやつ。
「舞台は少し先だぞ」
「いいよ、前の世界でもそんな感じだったから」
数ヶ月前のチケットをファンクラブ事前抽選、チケットサイト事前抽選、後援スポンサー事前抽選と、事前だけでもかなり多くて結構前からあったから、決戦日まで長い目で見ることには慣れている。その分楽しみも増すというもの。こういうとこは待てができる不思議。
「それまでは日々を楽しむだけだよ」
なにせ、この世界は常にイベントに満ちているから。
「イベント?」
「おっと声に出てたね。私の胸を熱くする特別な出来事のことね」
その言葉にディエゴはなにかを思い出したらしい。
「ああ、それなら」
「ん?」
「一週間後に王太子殿下とグァリジョーネ候爵令嬢の婚約を記念したものが」
「なにそれ詳しく」
前のめりに起き上がる。やっぱりと言わんばかりに呆れるディエゴに先を促した。
「非公式なものだ。学園で二人の関係にあやかって男女が菓子を贈り合うと」
「なにそれどこのバレンタインデーよ」
「勿論正式な祝いは王陛下立ち会いの元、王城で晩餐会はあるが」
「そっちも捨てがたい」
けど晩餐会は限られた者しか出られないらしい。幼馴染で仲良しな父親の力をもってしても、ガラッシア家は残念ながらお呼ばれしないというか、王族ぐらいしか集まらないとか。だからこそ、婚約を知る人々が二人を盛大に祝うために考えついた先がバレンタインデーもどきということ。
「女性から贈るとか男性からとか決まりあるの?」
「ないな。仲の良い者に渡し合うだけというのもあるし、勿論告白する者もいる」
「なんでもありですやん」
「菓子を贈り合うのは建前で、お二人の事を祝いたいという気持ちが強いのだろう」
「さすがトットとエステル」
二人がこの世界にどれだけ影響あるというのか…さすがヒーローヒロイン、世界を巻き込んでいるとはゲーム通りすぎる。
私が一人納得して頷いていると、ああそうだと、ディエゴはにんまり笑顔で私を見やった。あんまりいい予感はしない。
「俺は君に告白するために菓子を持ってこよう」
「ネタバレ予告をありがとう」
「甘いものは苦手か?」
「好物ですがなにか」
よかった、上等なものを用意しようとディエゴ。さっきの勇気が云々の話はどこへいった。それも隠した上で勇気を振り絞るということなの?それが真実だと今のにんまり笑顔も虚勢で、胸の鼓動鳴り止まない状態ってこと……妄想がすぎる、楽しい。
どちらにしろ、エステルトットを祝いたいから欠席するわけにはいかない。となると、私はディエゴから逃げながら、エステルトットを祝いかつ学園生活を営むのか。
「次回、恐怖の追いかけっこ」
「次回?」
「無視して」
「え?」
にしても表情、言い方…実に王道だった。オリアーナからきいたの?そしたらオリアーナがよく知ってる。そこまで話した記憶ないけど、いやまあダダ漏れだったけど、ここまで分析できたのはすごい才能だよ。
「ツンデレは演技で習得するものではないのです……」
「そこまで嘆くものなのか」
「純粋培養のツンデレだからいいんだよ…ディエゴは不純なもの取り入れない、素のツンデレだったからよかったんだよ…その頃のが断然好みだったというのに…どこで染まってしまったのか……」
最近ぐいぐいだし、まあそこはこじらせ系だからありえるとしても、ダンスになんなく誘う様とか、今回のデートの誘いとか。スムーズにして紳士でイケメンらしく誘うって、そこもおいしいけど、やっぱり初期設定のツンデレがほしいわけだよ。
という私の主張を聴いたディエゴが何とも言えない顔をしていた。
「……俺が君を誘うのにどれだけ勇気が必要だったか分かっているのか?」
「え、そんな大きな決断?」
今のディエゴには告白もダンスの誘いもデートの誘いも余裕でしょと加えれば、眉間に皺を寄せて瞼を閉じた。くぐもった唸り声も聞こえたけど。
「告白だって毎回緊張してるし、ダンスの時も今も……君は断るの前提に俺と向き合ってる。それをなんとか承諾してもらう事に必死なんだ」
「おお」
「格好良く見られたいから余裕の振りをしてるだけで、内心どれだけ俺が気が気じゃないか分からないだろう?」
少し照れつつも紛れも無い本音を吐露したディエゴ。ぐいぐいなのもスマートな誘いも全部照れ隠し故の演技、俺様キャラも演技。全てはツンデレを隠すための演技とは。なにそれ震える。
「か、」
「どうした?」
「可愛いいいいいよー!!」
「ああ、やっぱりそうなるか!」
「これだよ、これ! 真実、ディエゴ、君はツンデレだよ! もっと! もっとください!」
「だから嫌だったんだ!」
何故話してしまったのかと自身を嘆いた後、可愛いはやめてくれと懇願される。可愛い以外の選択肢はないだろう。お年頃だから格好いいがほしいんだろうけど、ツンデレは可愛い以外ない!
芝生の上を両手で顔を隠してゴロゴロする。可愛いは世界を救う。少なくとも私を救うのは決定項だ。
「あああ久しぶりだね、この供給ー!」
「……くそ」
候爵令息としてあるまじき言葉が出たけど気にしない。言葉遣いは私が言える立場じゃないしね。
「うえへへ」
「妙な笑い方をするな」
「いや、もう今日は幸せな日ですな」
「っ」
芝生の上で目を合わせて急にディエゴが起き上がった。いつもの照れ隠しですね、耳が赤いからわかりますおいしいもっと。
「はあ…萌えとはかくも罪深きものか」
「またよく分からない事を…」
「ディエゴは染まらず、そのままでいてね」
「……」
ここまで楽しませてもらったのなら、お礼にいくらでも舞台を見に行こう。どちらにしろ2.5次元舞台ばりのものを見られそうだし、煩悩に忠実に従おうじゃないか。恐らくこの舞台鑑賞は私が幸せなだけで終わるタイプのやつ。
「舞台は少し先だぞ」
「いいよ、前の世界でもそんな感じだったから」
数ヶ月前のチケットをファンクラブ事前抽選、チケットサイト事前抽選、後援スポンサー事前抽選と、事前だけでもかなり多くて結構前からあったから、決戦日まで長い目で見ることには慣れている。その分楽しみも増すというもの。こういうとこは待てができる不思議。
「それまでは日々を楽しむだけだよ」
なにせ、この世界は常にイベントに満ちているから。
「イベント?」
「おっと声に出てたね。私の胸を熱くする特別な出来事のことね」
その言葉にディエゴはなにかを思い出したらしい。
「ああ、それなら」
「ん?」
「一週間後に王太子殿下とグァリジョーネ候爵令嬢の婚約を記念したものが」
「なにそれ詳しく」
前のめりに起き上がる。やっぱりと言わんばかりに呆れるディエゴに先を促した。
「非公式なものだ。学園で二人の関係にあやかって男女が菓子を贈り合うと」
「なにそれどこのバレンタインデーよ」
「勿論正式な祝いは王陛下立ち会いの元、王城で晩餐会はあるが」
「そっちも捨てがたい」
けど晩餐会は限られた者しか出られないらしい。幼馴染で仲良しな父親の力をもってしても、ガラッシア家は残念ながらお呼ばれしないというか、王族ぐらいしか集まらないとか。だからこそ、婚約を知る人々が二人を盛大に祝うために考えついた先がバレンタインデーもどきということ。
「女性から贈るとか男性からとか決まりあるの?」
「ないな。仲の良い者に渡し合うだけというのもあるし、勿論告白する者もいる」
「なんでもありですやん」
「菓子を贈り合うのは建前で、お二人の事を祝いたいという気持ちが強いのだろう」
「さすがトットとエステル」
二人がこの世界にどれだけ影響あるというのか…さすがヒーローヒロイン、世界を巻き込んでいるとはゲーム通りすぎる。
私が一人納得して頷いていると、ああそうだと、ディエゴはにんまり笑顔で私を見やった。あんまりいい予感はしない。
「俺は君に告白するために菓子を持ってこよう」
「ネタバレ予告をありがとう」
「甘いものは苦手か?」
「好物ですがなにか」
よかった、上等なものを用意しようとディエゴ。さっきの勇気が云々の話はどこへいった。それも隠した上で勇気を振り絞るということなの?それが真実だと今のにんまり笑顔も虚勢で、胸の鼓動鳴り止まない状態ってこと……妄想がすぎる、楽しい。
どちらにしろ、エステルトットを祝いたいから欠席するわけにはいかない。となると、私はディエゴから逃げながら、エステルトットを祝いかつ学園生活を営むのか。
「次回、恐怖の追いかけっこ」
「次回?」
「無視して」
「え?」
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
婚約破棄の茶番に巻き込まれました。
あみにあ
恋愛
一生懸命勉強してようやく手に入れた学園の合格通知。
それは平民である私が貴族と同じ学園へ通える権利。
合格通知を高々に掲げ、両親と共に飛び跳ねて喜んだ。
やったぁ!これで両親に恩返しできる!
そう信じて疑わなかった。
けれどその夜、不思議な夢を見た。
別の私が別の世界で暮らしている不思議な夢。
だけどそれは酷くリアルでどこか懐かしかった。
窓から差し込む光に目を覚まし、おもむろにテーブルへ向かうと、私は引き出しを開けた。
切った封蝋を開きカードを取り出した刹那、鈍器で殴られたような強い衝撃が走った。
壮大な記憶が頭の中で巡り、私は膝をつくと、大きく目を見開いた。
嘘でしょ…。
思い出したその記憶は前世の者。
この世界が前世でプレイした乙女ゲームの世界だと気が付いたのだ。
そんな令嬢の学園生活をお楽しみください―――――。
短編:10話完結(毎日更新21時)
【2021年8月13日 21:00 本編完結+おまけ1話】
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる