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2章 神よ、感謝します。けど、ちょっと違う叶ったけどちょっと違うんです。
87話 胸の鼓動が鳴り止まないのを確かめてみなよ
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「そうだな、今でも苦手だ」
「無理しなくていいんだよ」
「ああ…………いや、君とのは、その、俺が一緒に踊りたくてしたことで」
「別に今このことを指して言ってるわけじゃないよ」
「そうか……」
あからさまにほっとしている。忙しないな。今まで女の子取っ替え引っ替えしてたら、もっとそつなくこなしているんだろうけど、そのバックグラウンドがあったら今こんなこじらせツンデレになってないだろう。社交も女性の相手も同じく日々の積み重ねだ。
「ん?」
おっと、今視界に眩しさを感じて目線をそちらに向ければ、距離はあるけどエステルとトットが周囲からきゃーきゃー言われていた。
そりゃそうだ、あの輝き、完璧なダンス。これはイベント用だと言わんばかりのシチュエーションというか、画がもう言葉にならない。
「おお……」
神よ、感謝します。確かにダンスイベントはいい。
そしてエステルトットの奥にエドアルドとオリアーナも見えた。あっちはあっちで可愛いなあ。幼馴染ってそれだけで空気が違うのが分かる。こう通じ合ってる感が半端ない。挙句イベントクリア後で、それはそれは幸せオーラが滲み出てる挙句、所作も品がありお手本のよう。
オリアーナ、楽しめてる?楽しめてればなによりだよ。
「いい…!」
エステルトットにオリアーナエドアルドの輝き素晴らしかった。けどできれば私は参加ではなく鑑賞専門が良かったです。
感慨深い思いに浸っていると、目の前から不穏な雰囲気を感じた。少しだけ低い声で、少しだけ棘がある言い方して私に届く言葉。
「チアキ」
「ごめんて」
よそ見がすぐばれちゃうんですよねえ。顔が緩み過ぎと突かれる始末だ。仕様ですよ、残念ながら。
そうやって不機嫌むっすり顔してると、私にはそれはご褒美にしかならないんだよね、どんまいツンデレ。
「注意力散漫なのはどうなんだ」
「目の前に御馳走あって数時間待てができる?」
「……君は出来ないんだな」
「そういうことだよ」
呆れている。なんだ、ディエゴは御馳走目の前で待てる派か。
ひとまずこの例えで、いかに初動対応が大事か説明してみる。好機と思った時がその時だ。それは知っていると軽く言われた。確かにここ数日のディエゴの暴走ぶりはこの言葉を鑑みてのことだろう。
はあ、これがきちんとオルネッラに告白していれば、私はどれだけ鑑賞で幸せを感じられるか。体験じゃない、鑑賞を求む。
「あ」
「……」
思い切りディエゴの足を踏んでしまった。
うっかり尊いイベントに想いを馳せていたのが仇になってしまった。
「ご、ごめん」
急いで修正に入らないと。次のステップで、うまいこと足を外してずらして。
「おっふ」
「……」
また踏んだわ。
集中力よと嘆くエステルの姿がよぎった。
妄想ばかり先行して、ダンスは集中力途切れのち失敗しやすいという弱点があって、エステルトットはいつも困っていた。ええいこの世界が私の煩悩に優しすぎるだけだ、それだけだ。
「うわあ」
「……」
三連続、綺麗にディエゴの足を踏んだ。
ああ、やってしまった。いくら彼が恋は盲目状態でも、これだけ足を踏み続けてたら気持ちが落ちるだろう。それに社交界での失態はそのままソラーレ候爵家の評判にも関わる。煩悩には勝てない、けど彼の評判を落とすのは気が引ける。
ちらりと彼の表情を窺うとなんとも読めない顔をしていた。詰んだな。
「……」
「大変申し訳ございません」
正しく謝るしかない。土下座は手と手を取り合うこの状況では難しいから、せめて言葉で誠意を伝えるしかない。
謝罪の後の沈黙、その後彼の表情ががらりと変わった。
「……ふっ」
「え?」
破顔するのとほぼ同時、私の視界から彼の顔は見えなくなった。
「…はは!」
「?!」
「チアキ、君は本当に面白いな!」
抱きしめられた。
彼の笑う声は私の耳元だ。肩口に顔を埋めて、背中に手を回されている。
うわあああイケメンいい匂いするう。くすぐったいわあああ。
「ちょ、ま」
「君を見ていると飽きないな」
ふわっと舞ういい匂いはなんだ、イケメンだけの特権なのか。挙句耳元で囁かれる声はイケボだ、イケボ。4次元マイクで録音したい。
イケメンとは存在自体もイケメンだけど、五感すべてにおいてイケメンだと訴えてくるとは本当破壊力。世界はイケメンによって尊さに沈んでしまうぞ。
「ディエゴ」
「!」
名前を呼んでぱっと身体が離れた。そのまま片手をとられ、連れていかれる。
ダンスは丁度終了していた。
抵抗もなく進んで行けば、彼のお気に入りのバルコニーに進んで行くのが分かり、成すがままにした。
イケメンに抱きしめられて軽く動揺したこの心をどうにかするには丁度良かった。たぶんそれはディエゴも同じだろう。耳が真っ赤、ああ可愛いですねえ。
「自分から抱き着いてきて恥ずかしがるとか」
「言うな」
「私にはご褒美だから気にしなくていいよ」
「また、そう言って俺をからかうんだな」
からかってるわけじゃない。供給を正しく受け入れているだけ。
「私だって急に抱き着かれて驚いたよ?」
「それにしては余裕じゃないか」
ああん?
何を持ってそう判断した。心外です、私だって乙女の心はそれなりに残っている。突然の事に動揺だってするというのに。
「余裕なもんか、イケメンが抱きしめてきたんだよ? ちょっと手貸して」
「え?」
「胸の鼓動が鳴り止まないのを確かめてみなよ」
「いや待て止めろ」
物凄い抵抗にあった。何故だ、手っ取り早く証明できるというのに。
けど、彼はついには顔まで赤くして止めろと叫んだ。さすがに可哀想になって諦めて手を離せば、明らかに安堵してきてなんだ全くと思わざるを得なかった。
「あ、耳を胸に当てればいいのか」
「止めろ、より駄目だ」
「無理しなくていいんだよ」
「ああ…………いや、君とのは、その、俺が一緒に踊りたくてしたことで」
「別に今このことを指して言ってるわけじゃないよ」
「そうか……」
あからさまにほっとしている。忙しないな。今まで女の子取っ替え引っ替えしてたら、もっとそつなくこなしているんだろうけど、そのバックグラウンドがあったら今こんなこじらせツンデレになってないだろう。社交も女性の相手も同じく日々の積み重ねだ。
「ん?」
おっと、今視界に眩しさを感じて目線をそちらに向ければ、距離はあるけどエステルとトットが周囲からきゃーきゃー言われていた。
そりゃそうだ、あの輝き、完璧なダンス。これはイベント用だと言わんばかりのシチュエーションというか、画がもう言葉にならない。
「おお……」
神よ、感謝します。確かにダンスイベントはいい。
そしてエステルトットの奥にエドアルドとオリアーナも見えた。あっちはあっちで可愛いなあ。幼馴染ってそれだけで空気が違うのが分かる。こう通じ合ってる感が半端ない。挙句イベントクリア後で、それはそれは幸せオーラが滲み出てる挙句、所作も品がありお手本のよう。
オリアーナ、楽しめてる?楽しめてればなによりだよ。
「いい…!」
エステルトットにオリアーナエドアルドの輝き素晴らしかった。けどできれば私は参加ではなく鑑賞専門が良かったです。
感慨深い思いに浸っていると、目の前から不穏な雰囲気を感じた。少しだけ低い声で、少しだけ棘がある言い方して私に届く言葉。
「チアキ」
「ごめんて」
よそ見がすぐばれちゃうんですよねえ。顔が緩み過ぎと突かれる始末だ。仕様ですよ、残念ながら。
そうやって不機嫌むっすり顔してると、私にはそれはご褒美にしかならないんだよね、どんまいツンデレ。
「注意力散漫なのはどうなんだ」
「目の前に御馳走あって数時間待てができる?」
「……君は出来ないんだな」
「そういうことだよ」
呆れている。なんだ、ディエゴは御馳走目の前で待てる派か。
ひとまずこの例えで、いかに初動対応が大事か説明してみる。好機と思った時がその時だ。それは知っていると軽く言われた。確かにここ数日のディエゴの暴走ぶりはこの言葉を鑑みてのことだろう。
はあ、これがきちんとオルネッラに告白していれば、私はどれだけ鑑賞で幸せを感じられるか。体験じゃない、鑑賞を求む。
「あ」
「……」
思い切りディエゴの足を踏んでしまった。
うっかり尊いイベントに想いを馳せていたのが仇になってしまった。
「ご、ごめん」
急いで修正に入らないと。次のステップで、うまいこと足を外してずらして。
「おっふ」
「……」
また踏んだわ。
集中力よと嘆くエステルの姿がよぎった。
妄想ばかり先行して、ダンスは集中力途切れのち失敗しやすいという弱点があって、エステルトットはいつも困っていた。ええいこの世界が私の煩悩に優しすぎるだけだ、それだけだ。
「うわあ」
「……」
三連続、綺麗にディエゴの足を踏んだ。
ああ、やってしまった。いくら彼が恋は盲目状態でも、これだけ足を踏み続けてたら気持ちが落ちるだろう。それに社交界での失態はそのままソラーレ候爵家の評判にも関わる。煩悩には勝てない、けど彼の評判を落とすのは気が引ける。
ちらりと彼の表情を窺うとなんとも読めない顔をしていた。詰んだな。
「……」
「大変申し訳ございません」
正しく謝るしかない。土下座は手と手を取り合うこの状況では難しいから、せめて言葉で誠意を伝えるしかない。
謝罪の後の沈黙、その後彼の表情ががらりと変わった。
「……ふっ」
「え?」
破顔するのとほぼ同時、私の視界から彼の顔は見えなくなった。
「…はは!」
「?!」
「チアキ、君は本当に面白いな!」
抱きしめられた。
彼の笑う声は私の耳元だ。肩口に顔を埋めて、背中に手を回されている。
うわあああイケメンいい匂いするう。くすぐったいわあああ。
「ちょ、ま」
「君を見ていると飽きないな」
ふわっと舞ういい匂いはなんだ、イケメンだけの特権なのか。挙句耳元で囁かれる声はイケボだ、イケボ。4次元マイクで録音したい。
イケメンとは存在自体もイケメンだけど、五感すべてにおいてイケメンだと訴えてくるとは本当破壊力。世界はイケメンによって尊さに沈んでしまうぞ。
「ディエゴ」
「!」
名前を呼んでぱっと身体が離れた。そのまま片手をとられ、連れていかれる。
ダンスは丁度終了していた。
抵抗もなく進んで行けば、彼のお気に入りのバルコニーに進んで行くのが分かり、成すがままにした。
イケメンに抱きしめられて軽く動揺したこの心をどうにかするには丁度良かった。たぶんそれはディエゴも同じだろう。耳が真っ赤、ああ可愛いですねえ。
「自分から抱き着いてきて恥ずかしがるとか」
「言うな」
「私にはご褒美だから気にしなくていいよ」
「また、そう言って俺をからかうんだな」
からかってるわけじゃない。供給を正しく受け入れているだけ。
「私だって急に抱き着かれて驚いたよ?」
「それにしては余裕じゃないか」
ああん?
何を持ってそう判断した。心外です、私だって乙女の心はそれなりに残っている。突然の事に動揺だってするというのに。
「余裕なもんか、イケメンが抱きしめてきたんだよ? ちょっと手貸して」
「え?」
「胸の鼓動が鳴り止まないのを確かめてみなよ」
「いや待て止めろ」
物凄い抵抗にあった。何故だ、手っ取り早く証明できるというのに。
けど、彼はついには顔まで赤くして止めろと叫んだ。さすがに可哀想になって諦めて手を離せば、明らかに安堵してきてなんだ全くと思わざるを得なかった。
「あ、耳を胸に当てればいいのか」
「止めろ、より駄目だ」
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