55 / 164
1章 推しがデレを見せるまで。もしくは、推しが生きようと思えるまで。
55話 生きてるだけで運がいい
しおりを挟む
「オリアーナ、後で」
「オリアーナ?」
「え、あ、失礼。違うんです、エドアルドのせいじゃありません」
「…優しいんだね」
「優しいとかそういう問題ではないんですよ。現状私からは何も言えないし、判断がつかない」
今にも泣きそうなハニーフェイスがおいしいけど、そこじゃない。
この子、真逆のようでオリアーナとやっぱり似ている。
容赦なく自分を責める真面目っぷりがもう。
「事故は起きてしまっただけです。それに貴方は充分な年月自分を責めたでしょう?もう終わりでいいんじゃないですか」
「…オリアーナ」
「私はエドアルドと変わらず付き合いたい」
オリアーナが頷く。
私の言うことは正解だ。
「あの、エドアルド」
「なに?」
「オリアーナはかならず戻ってくるから、というか戻ってもらうから…だから待っててもらえます?」
「……え?」
さすがに中身違うとは言えないし、いや言いたいところなんだけど、ずっと言わないほうがいいと思ってた。
それもまた違うの?
今の状況、幼馴染がハッピーエンドを迎えられるかもしれない可能性をここで潰してどうする。
幼なじみに悲恋はない、そうだハッピーエンドしかない。
後はオリアーナの気持ち次第だけど。
「話をしてくれて嬉しいです。そして私は特段エドアルドをボコボコにする気もない」
「ボコボコ?」
「あ、こらしめるという意味です」
前にも言ったな…トットにだったっけ?
オルネッラの問題は少しばかりこみいっているから、精査してからだ。
エドアルドにすべての責任があると断言できないし、そもそも今この瞬間エドアルドが私に何某かの危害を加えたわけじゃない。
だから今はここまで。
「…それにエドアルドのことは私が決める事じゃない」
「え?」
オリアーナが決めることだ。
私がボコボコにするしないを決める立場じゃない。
今起きたことに関しては私が決めるけど、過去は範囲外。
それは父にしろ叔父にしろエスタジ嬢にしろ同じ事だ。
「…うん、わかった」
しばらくの間の後、エドアルドは微笑んだ。
可愛いなあ、もう天使じゃん、天使。
「オリアーナがそう言うんだ、僕は僕のことを考えてみるよ」
「うん」
「ぼこぼこ?にしたくなったら言ってね」
「うん、わかった。遠慮くなくいく」
そして、ぎこちなさを残しつつも最後は少しだけ笑ってエドアルドは帰って行った。
ハニーフェイスは尊い。
なんとかあそこまで持ちあげられた。
少しは改善されたはずだ。
彼の中の溜まっていたものを吐き出せもしたわけだし、少しは変わってくれると信じてる。
「しかしまあオリアーナ、急にびっくりしたよ」
「エドアルドのせいではなかったので、つい…」
「エドアルドが好きなんだねえ。さすが幼馴染」
「はい」
「?!」
それはデレなの?
それとも幼なじみとしてなの?
やっと恋バナに花咲かせることができるの?
「チアキ、姉の件が私のせいなのは事実なのです」
「あ、うん、そっちね…」
そうだね、シリアスな展開だもの、恋バナにはいかないよね。
でもちょっとしょんぼりだ…恋バナ。
話をするために自室に戻る。
紅茶を嗜みながら、なるたけ明るくきいてみることにした。
「いいよ、話そう」
「…私は、あの日…母と姉が乗る馬車の車輪に魔法をかけました」
「どんな?」
「車輪が壊れるものを」
「でも壊れなかったんじゃないの?」
エドアルドのとこまで馬車は進み、遠回りの道変えまでしている。
その間に壊れてもいいのに。
「私の魔法が未熟だったのです。車輪が壊れるまで時間がかかりました。最悪のタイミングで…」
「時間差ってことか」
でもそれ確実に事故の瞬間に起きたか分からないんじゃないだろうか。
そんな私の言いたいことを悟ったのオリアーナが続ける。
「魔法の痕跡を辿る事が出来ます」
「へえ」
「そして、あの、学園の」
「あ、教授?」
あの真実知ってもよく考えろと言った、あの。
どうやら学園代表でガラッシア家へ見舞いに来た時に知られたらしい。
確かに魔法がかけられていた痕跡が見られたという。
それをあの教授が気づき、オリアーナは認めた。
そこから教授はオリアーナに全部のせで責任を負わせたと。
教授の言う事との繋がりに違和感はないけど。
「私はあの日、学園で臨時の講義があり、母と姉と共に行く事が出来ませんでした。後々父と追う予定で」
「うん」
年齢的に小学校のことかな。
10年前ならオリアーナの年齢は一桁、休み期間に小学生に臨時授業するとか、どれだけハードなのこの世界。
「姉と離れるのが嫌だったんです。だから馬車が動かなければ、次の馬車で一緒に行けると思って…」
「ふむ」
小さいオリアーナ可愛いだろうな。
そんな子に好かれまくるオルネッラ羨ましい。
さておき、子供の可愛い嫉妬が大惨事に繋がった、それをオリアーナは自分のせいだと思ってる。
「あの教授なんだけどね」
「?」
「全部オリアーナのせいにするのが手っ取り早いと思って、そうオリアーナに吹き込んだって言ったんだよ」
「それは…」
「エドアルドの言う事もなんだけど、オルネッラの事故は他にもまだあるかなと思ってる」
「そんな」
「だから、オリアーナはエドアルドと一緒ね」
「一緒、とは」
「まずは自分の味方をする練習しなよ」
責任感強いのはいいけど、やりすぎはだめ。
にしてもなあ、ここにきて二人から暴露くるとは。
「オリアーナへの告白だけで充分なのに…あれは実においしかった」
「…チアキ」
「呆れないでよ、オリアーナ。あれは不可抗力だよ」
「いいえ、とても不思議でした」
「不思議?」
好かれていることが?
今まで意識したことないから尚更かな。
「命手放さなくてよかったじゃん」
「そうでしょうか」
「そうだよ、愛されてるんだよ、オリアーナは」
「…エドアルドに?」
「そう。父親だってメイドさん達だってオリアーナのこと大好きじゃん」
「父も…」
「そうだよ。でなきゃ自分の子供に大切な宝物なんて意味の名前つけないでしょ」
なかなか素晴らしいと思う、オリアーナの名前。
頑張ってつけたんだろうなとしみじみ感じるよ。
オリアーナは自分の名前について考えた事なかったのだろう…見るからに驚いている。
「ほら、命あっての物種、だっけ」
ちょっと違うか?まあいいだろう。
「ものだね?」
「生きてるだけで運がいいねって。初めて知る事たくさんあるでしょ?」
「…生きてるだけで」
それに初めて気づきましたみたいな顔をするオリアーナ。
視野が狭くなってたんだね、それぐらい余裕がなく一生懸命だったということ。
彼女の10年、想像を超える道のりだったんだろうな。
「エドアルドの告白の返事考えてみてね」
「…はい」
「後、身体に戻ることも」
「……はい」
この肯定の言葉がどれだけ大切な事か。
やっとオリアーナから受け入れて肯定する言葉がでた。
少しは前向きに考えてくれてるということ。
そして出来ればオリアーナとして戻ってきた暁には告白(返事)を生で見せてほしい。
「オリアーナ?」
「え、あ、失礼。違うんです、エドアルドのせいじゃありません」
「…優しいんだね」
「優しいとかそういう問題ではないんですよ。現状私からは何も言えないし、判断がつかない」
今にも泣きそうなハニーフェイスがおいしいけど、そこじゃない。
この子、真逆のようでオリアーナとやっぱり似ている。
容赦なく自分を責める真面目っぷりがもう。
「事故は起きてしまっただけです。それに貴方は充分な年月自分を責めたでしょう?もう終わりでいいんじゃないですか」
「…オリアーナ」
「私はエドアルドと変わらず付き合いたい」
オリアーナが頷く。
私の言うことは正解だ。
「あの、エドアルド」
「なに?」
「オリアーナはかならず戻ってくるから、というか戻ってもらうから…だから待っててもらえます?」
「……え?」
さすがに中身違うとは言えないし、いや言いたいところなんだけど、ずっと言わないほうがいいと思ってた。
それもまた違うの?
今の状況、幼馴染がハッピーエンドを迎えられるかもしれない可能性をここで潰してどうする。
幼なじみに悲恋はない、そうだハッピーエンドしかない。
後はオリアーナの気持ち次第だけど。
「話をしてくれて嬉しいです。そして私は特段エドアルドをボコボコにする気もない」
「ボコボコ?」
「あ、こらしめるという意味です」
前にも言ったな…トットにだったっけ?
オルネッラの問題は少しばかりこみいっているから、精査してからだ。
エドアルドにすべての責任があると断言できないし、そもそも今この瞬間エドアルドが私に何某かの危害を加えたわけじゃない。
だから今はここまで。
「…それにエドアルドのことは私が決める事じゃない」
「え?」
オリアーナが決めることだ。
私がボコボコにするしないを決める立場じゃない。
今起きたことに関しては私が決めるけど、過去は範囲外。
それは父にしろ叔父にしろエスタジ嬢にしろ同じ事だ。
「…うん、わかった」
しばらくの間の後、エドアルドは微笑んだ。
可愛いなあ、もう天使じゃん、天使。
「オリアーナがそう言うんだ、僕は僕のことを考えてみるよ」
「うん」
「ぼこぼこ?にしたくなったら言ってね」
「うん、わかった。遠慮くなくいく」
そして、ぎこちなさを残しつつも最後は少しだけ笑ってエドアルドは帰って行った。
ハニーフェイスは尊い。
なんとかあそこまで持ちあげられた。
少しは改善されたはずだ。
彼の中の溜まっていたものを吐き出せもしたわけだし、少しは変わってくれると信じてる。
「しかしまあオリアーナ、急にびっくりしたよ」
「エドアルドのせいではなかったので、つい…」
「エドアルドが好きなんだねえ。さすが幼馴染」
「はい」
「?!」
それはデレなの?
それとも幼なじみとしてなの?
やっと恋バナに花咲かせることができるの?
「チアキ、姉の件が私のせいなのは事実なのです」
「あ、うん、そっちね…」
そうだね、シリアスな展開だもの、恋バナにはいかないよね。
でもちょっとしょんぼりだ…恋バナ。
話をするために自室に戻る。
紅茶を嗜みながら、なるたけ明るくきいてみることにした。
「いいよ、話そう」
「…私は、あの日…母と姉が乗る馬車の車輪に魔法をかけました」
「どんな?」
「車輪が壊れるものを」
「でも壊れなかったんじゃないの?」
エドアルドのとこまで馬車は進み、遠回りの道変えまでしている。
その間に壊れてもいいのに。
「私の魔法が未熟だったのです。車輪が壊れるまで時間がかかりました。最悪のタイミングで…」
「時間差ってことか」
でもそれ確実に事故の瞬間に起きたか分からないんじゃないだろうか。
そんな私の言いたいことを悟ったのオリアーナが続ける。
「魔法の痕跡を辿る事が出来ます」
「へえ」
「そして、あの、学園の」
「あ、教授?」
あの真実知ってもよく考えろと言った、あの。
どうやら学園代表でガラッシア家へ見舞いに来た時に知られたらしい。
確かに魔法がかけられていた痕跡が見られたという。
それをあの教授が気づき、オリアーナは認めた。
そこから教授はオリアーナに全部のせで責任を負わせたと。
教授の言う事との繋がりに違和感はないけど。
「私はあの日、学園で臨時の講義があり、母と姉と共に行く事が出来ませんでした。後々父と追う予定で」
「うん」
年齢的に小学校のことかな。
10年前ならオリアーナの年齢は一桁、休み期間に小学生に臨時授業するとか、どれだけハードなのこの世界。
「姉と離れるのが嫌だったんです。だから馬車が動かなければ、次の馬車で一緒に行けると思って…」
「ふむ」
小さいオリアーナ可愛いだろうな。
そんな子に好かれまくるオルネッラ羨ましい。
さておき、子供の可愛い嫉妬が大惨事に繋がった、それをオリアーナは自分のせいだと思ってる。
「あの教授なんだけどね」
「?」
「全部オリアーナのせいにするのが手っ取り早いと思って、そうオリアーナに吹き込んだって言ったんだよ」
「それは…」
「エドアルドの言う事もなんだけど、オルネッラの事故は他にもまだあるかなと思ってる」
「そんな」
「だから、オリアーナはエドアルドと一緒ね」
「一緒、とは」
「まずは自分の味方をする練習しなよ」
責任感強いのはいいけど、やりすぎはだめ。
にしてもなあ、ここにきて二人から暴露くるとは。
「オリアーナへの告白だけで充分なのに…あれは実においしかった」
「…チアキ」
「呆れないでよ、オリアーナ。あれは不可抗力だよ」
「いいえ、とても不思議でした」
「不思議?」
好かれていることが?
今まで意識したことないから尚更かな。
「命手放さなくてよかったじゃん」
「そうでしょうか」
「そうだよ、愛されてるんだよ、オリアーナは」
「…エドアルドに?」
「そう。父親だってメイドさん達だってオリアーナのこと大好きじゃん」
「父も…」
「そうだよ。でなきゃ自分の子供に大切な宝物なんて意味の名前つけないでしょ」
なかなか素晴らしいと思う、オリアーナの名前。
頑張ってつけたんだろうなとしみじみ感じるよ。
オリアーナは自分の名前について考えた事なかったのだろう…見るからに驚いている。
「ほら、命あっての物種、だっけ」
ちょっと違うか?まあいいだろう。
「ものだね?」
「生きてるだけで運がいいねって。初めて知る事たくさんあるでしょ?」
「…生きてるだけで」
それに初めて気づきましたみたいな顔をするオリアーナ。
視野が狭くなってたんだね、それぐらい余裕がなく一生懸命だったということ。
彼女の10年、想像を超える道のりだったんだろうな。
「エドアルドの告白の返事考えてみてね」
「…はい」
「後、身体に戻ることも」
「……はい」
この肯定の言葉がどれだけ大切な事か。
やっとオリアーナから受け入れて肯定する言葉がでた。
少しは前向きに考えてくれてるということ。
そして出来ればオリアーナとして戻ってきた暁には告白(返事)を生で見せてほしい。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる