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異変
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「──んで、折角だから皆と食べようと思って屋敷を抜け出してきた訳だ。 とまあ、だいたいこんな感じ。 どう? あらかた理解出来た?」
「「「「………………」」」」
話の途中から段々口数が少なくなっていたのは気付いていたが、今では全員が豆鉄砲を食らったかの如く呆然としている。
だが暫く経つと、一人また一人と疲れた声を絞り出していった。
「リュート様が規格外なのは今に始まった話じゃないけど……」
「運まで規格外とか、女神に愛され過ぎだろ……」
すまんな、運もカンストしてるんだ。
その女神様のお陰で。
「ホントよ、ホント! ずるいったら無いわ! 一つくらいあたしにも寄越しなさいよね、バカリュート!」
「嫌だよ、渡したら楽出来なくなるじゃん。 俺はこれからもこの力でのんびりライフを満喫するんだ。 だから絶対渡さねえ。 ていうかバカって言うなよ。 俺、こんなんでも一応領主の息子だからな?」
「でも、ある意味わたし達も運が良いよね」
「なんでよ?」
アリンが間を置かず尋ねると、リーリンは俺に微笑んでこう言った。
「だって、こんな凄い人が未来の領主様なんだよ? ならわたし達って、この世界で一番幸運なんじゃないかな」
「あー、言われてみたら確かにそうかもなぁ。 リュートは他のクソ貴族と違って、俺らの事見下したりしないしな」
「それに、なんていうか……安心感? が、あるよね。 リュート様が居たらこの先何があっても、ヴァレンシール村は大丈夫っていう、不思議な安心感がさ」
「……そうね。 だからこそあたし達は、リュートに少しでも楽をさせてあげなきゃならないのよ。 守られるだけなんてまっぴらだもの」
アリン、お前……。
「へっ……だな」
「うん」
「だね」
どうやら前世と違って今生の俺は、本当に運が良いらしい。
こいつらと出会わせてくれた事に、最大級の感謝をします、女神様。
俺は絶対にこいつらと、こいつらの居るここを守る。
どんな災厄が降りかかろうとも、絶対に誰も死なせやしない。
こいつらと最後まで最高な人生を堪能する。
それがきっとこの世界で俺がすべき事なんだと、改めて認識した。
「なっ、なにこっ恥ずかしい事言ってんだよ、お前ら! 良いからさっさと菓子食おうぜ! 折角の紅茶が冷めちゃうぞ!」
「ふふっ」
「はいはーい」
流石は長年の付き合い。
照れ隠しの裏に隠した本音がすぐにバレてしまったようで、四人は嬉しそうにはにかんでいる。
「んじゃ食べようぜ! いっただっきまーす!」
「あむっ……んん! 美味しー! 流石はこんな田舎まで評判が届いてるだけはあるわね! こんなに美味いクッキー今まで食べたことないわ!」
「こっちのスティック状の菓子もうめえぞ! めっちゃサクサクしてやがる!」
「僕はこのマドレーヌが好きかな。 ほのかな甘みと、しっとりとした生地がたまんないよ」
喜んで貰えて何よりだ。
さてと、それじゃあ俺はこっちの箱を開けてみるとするか。
「……なんだこれ。 ペンダントか?」
箱に入っていたのは、王家の紋章であるマンティコアを象ったペンダントだった。
この見た目だけでわかる。
これ絶対、王家縁のもんだろ。
「わたしはフィナンシェが好きですねー。 この歯応えがなんとも…………ん? リュートさん、それなんですか? ペンダント……?」
「みたいだ」
「リヒター様からの贈り物なんだろ? なんか特別なもんなのか?」
「さあ、どうだろ」
手紙に書いてあるんじゃね、ちょっと読み上げてみなさいよ、と二人に言われるがまま、俺は手紙を読み上げていく。
「……やあリュートくん、贈り物は喜んで貰えたかな。 ああ、もちろん洋菓子の方じゃなくて……」
────ペンダントの方ね。 そのペンダントは信用に値する者のみに贈られるペンダントで、所持している限り我々王家の庇護を受ける事が出来る代物なんだ。 一応言っておくけれど、それは君を縛り付けるような物じゃない。 むしろ逆で、君がこれからも自由に生きていけるようにする為の物だから、あまり深く考えないで欲しい。 君とは今後とも、よき関係を築いていきたいからね。 まあ先行投資とでも思ってくれ。 あっ、でもこれだけ約束してくれるかな? 悪事には絶対使わないこと。 これさえ守ってくれるのであれば、そのペンダントに宿った権力を好きに使ってくれて構わないから。 君の親愛なる友人、
「リヒター=ノーディスより」
「「「「………………」」」」
また皆固まってしまった。
正直、俺も困惑している。
このペンダントはいわば、俺が他国に行くのを阻止しようとせんが為の手綱だ。
本来であればキングスナイツで監視下に置きたかったのだろうが、断られたから仕方なくこういった手段に出たのだろう。
とはいえ、一応は俺の自由を確約してくれているし、こちらにもメリットはあるから、特に拒否する理由はない。
むしろ、下手に返したら変な理由をつけられて、身柄を拘束される可能性だってあるかもしれない。
であればここは一先ず貰っておいて、向こうの出方を窺った方が賢い選択だろう。
「だってさ」
「……もうホント嫌なんだけど、こいつ」
「リュートを見てると努力してるのがバカらしく思えてくるよな……」
「うん……」
「あ、あはは……」
そんな事言われても。
こういうのは巡り合わせだし、仕方なくないか。
と、苦笑いを浮かべていた最中。
魔力探知で魔物らしき反応を感じ取った。
この莫大な魔力量、もしかして……。
「……ん? どこ行くんだよ、リュート。 もう帰んのか?」
「いや、そういう訳じゃないよ。 ただこのまま此処に居たら扉が破壊されそうだから、外に出ておこうかと思ってね。 なんなら皆も来る?」
「「「「…………?」」」」
全員キョトンとしていたが、気になるのか一人も欠けずについてきた。
「なに? 近くに魔物でも居た?」
「まあそんなとこだ、すぐに分かる」
言った通り、そいつはあっという間にリーリンでも感知出来る距離まで接近。
「……この魔力、もしかして……リルちゃん?」
リーリンが呟いた直後、フェンリルことリルが森から飛び出してきた。
「わおーん!」
「うわっ!」
リルは数日ぶりに会えたのが余程嬉しかったのか、俺の胸元に飛び込み、勢い余って押し倒してきた。
痛くはないが、顔を舐めるのはやめて欲しい。
ベトベトする。
『主殿! 主殿! はっはっ!』
「嬉しいのはわかったから離れろ! 臭い!」
「くぅーん……」
ショックを受けたリルは離れると、分かりやすく落ち込んだ。
最初の頃見せていたあの獰猛さは一体どこへ行ってしまったのやら。
今やただの犬っころである。
「リルくん、丁度よかった。 この間約束したボアの干し肉出来たけど、食べる?」
「わん!」
「ほらよ、よく噛んで食うんだぞ」
小屋の裏から持ってきたジャーキーを美味しそうに食べている。
それで良いのか、魔王軍元幹部。
「一応こいつ、フェンリルの筈なんだけどな……」
「こうして見てると、普通の犬だよね。 犬っていうか、狼かな?」
「ほんとにな。 ……そういえば随分魔力感知が上手くなったな、リーリン。 前より精度が上がったんじゃないか?」
「うーん、そうかなぁ。 リルくんの魔力は膨大だからすぐわかるけど、普通の魔物だと見過ごしちゃうことが結構あって…………これからも精進しないと」
十分頑張ってると思うけど、わざわざ水を差す必要はないか。
上達するに越した事はないし。
「応援してるよ、頑張って」
「うん、期待に応えられるように頑張るね」
「……にしても、いつまで食ってんだよ、あいつは。 おい、リル。 いい加減こっち来い。 少し話がある」
呼ばれたリルは急いで飲み込むと、皆から離れてた俺の元へやってきた。
『いかがなさいましたか、主殿』
「ああ、実は王都でちょっとした噂を耳にしてな。 その噂ってのは、まあ端的に言うと帝国との戦争に関係ある事なんだが……何か心当たりはないか? あれば教えてくれ。 一応耳に入れておきたい」
『帝国との戦争、ですか。 いえ、特に心当たりは……』
俺の思い違いだったか?
もし帝国が進軍してくるなら国境となっている、すぐそこの山だと予想していたのだが。
だとしたら残された選択肢は海を越えてくるルートしか無いが、あそこには俺の忠実なる僕、リヴァイアサンことネッシーくんが護っている。
いくら帝国が血気盛んだとはいえ、わざわざリヴァイアサンを相手取るような真似をするだろうか。
『ですが、一つだけ妙な事が……』
「妙な事?」
『実はこのところ山賊の数が異常に増えているようなのです。 話によると、近隣の村の幾つかはそいつらに占拠されたとか』
「……!」
このタイミングで山賊の増加と暴徒化、か。
どうにもキナ臭いな。
戦争を画策している帝国から逃げてきた帝国民や占拠された村から逃げ延びた村人が暴徒化した、とも考えられるが、メリルを襲った山賊の件もある。
ここは慎重に慎重を期した方が良いかもしれない。
「リル、そいつらが何者か出来るだけ早く調べろ。 なんだか嫌な予感がする」
『承知いたしました。 では何かわかり次第、ご報告致します』
そう言い残し、リルは暗闇へと姿を消していった。
頼んだぞ、影の円卓騎士団の皆。
何かが起きる前に。
「「「「………………」」」」
話の途中から段々口数が少なくなっていたのは気付いていたが、今では全員が豆鉄砲を食らったかの如く呆然としている。
だが暫く経つと、一人また一人と疲れた声を絞り出していった。
「リュート様が規格外なのは今に始まった話じゃないけど……」
「運まで規格外とか、女神に愛され過ぎだろ……」
すまんな、運もカンストしてるんだ。
その女神様のお陰で。
「ホントよ、ホント! ずるいったら無いわ! 一つくらいあたしにも寄越しなさいよね、バカリュート!」
「嫌だよ、渡したら楽出来なくなるじゃん。 俺はこれからもこの力でのんびりライフを満喫するんだ。 だから絶対渡さねえ。 ていうかバカって言うなよ。 俺、こんなんでも一応領主の息子だからな?」
「でも、ある意味わたし達も運が良いよね」
「なんでよ?」
アリンが間を置かず尋ねると、リーリンは俺に微笑んでこう言った。
「だって、こんな凄い人が未来の領主様なんだよ? ならわたし達って、この世界で一番幸運なんじゃないかな」
「あー、言われてみたら確かにそうかもなぁ。 リュートは他のクソ貴族と違って、俺らの事見下したりしないしな」
「それに、なんていうか……安心感? が、あるよね。 リュート様が居たらこの先何があっても、ヴァレンシール村は大丈夫っていう、不思議な安心感がさ」
「……そうね。 だからこそあたし達は、リュートに少しでも楽をさせてあげなきゃならないのよ。 守られるだけなんてまっぴらだもの」
アリン、お前……。
「へっ……だな」
「うん」
「だね」
どうやら前世と違って今生の俺は、本当に運が良いらしい。
こいつらと出会わせてくれた事に、最大級の感謝をします、女神様。
俺は絶対にこいつらと、こいつらの居るここを守る。
どんな災厄が降りかかろうとも、絶対に誰も死なせやしない。
こいつらと最後まで最高な人生を堪能する。
それがきっとこの世界で俺がすべき事なんだと、改めて認識した。
「なっ、なにこっ恥ずかしい事言ってんだよ、お前ら! 良いからさっさと菓子食おうぜ! 折角の紅茶が冷めちゃうぞ!」
「ふふっ」
「はいはーい」
流石は長年の付き合い。
照れ隠しの裏に隠した本音がすぐにバレてしまったようで、四人は嬉しそうにはにかんでいる。
「んじゃ食べようぜ! いっただっきまーす!」
「あむっ……んん! 美味しー! 流石はこんな田舎まで評判が届いてるだけはあるわね! こんなに美味いクッキー今まで食べたことないわ!」
「こっちのスティック状の菓子もうめえぞ! めっちゃサクサクしてやがる!」
「僕はこのマドレーヌが好きかな。 ほのかな甘みと、しっとりとした生地がたまんないよ」
喜んで貰えて何よりだ。
さてと、それじゃあ俺はこっちの箱を開けてみるとするか。
「……なんだこれ。 ペンダントか?」
箱に入っていたのは、王家の紋章であるマンティコアを象ったペンダントだった。
この見た目だけでわかる。
これ絶対、王家縁のもんだろ。
「わたしはフィナンシェが好きですねー。 この歯応えがなんとも…………ん? リュートさん、それなんですか? ペンダント……?」
「みたいだ」
「リヒター様からの贈り物なんだろ? なんか特別なもんなのか?」
「さあ、どうだろ」
手紙に書いてあるんじゃね、ちょっと読み上げてみなさいよ、と二人に言われるがまま、俺は手紙を読み上げていく。
「……やあリュートくん、贈り物は喜んで貰えたかな。 ああ、もちろん洋菓子の方じゃなくて……」
────ペンダントの方ね。 そのペンダントは信用に値する者のみに贈られるペンダントで、所持している限り我々王家の庇護を受ける事が出来る代物なんだ。 一応言っておくけれど、それは君を縛り付けるような物じゃない。 むしろ逆で、君がこれからも自由に生きていけるようにする為の物だから、あまり深く考えないで欲しい。 君とは今後とも、よき関係を築いていきたいからね。 まあ先行投資とでも思ってくれ。 あっ、でもこれだけ約束してくれるかな? 悪事には絶対使わないこと。 これさえ守ってくれるのであれば、そのペンダントに宿った権力を好きに使ってくれて構わないから。 君の親愛なる友人、
「リヒター=ノーディスより」
「「「「………………」」」」
また皆固まってしまった。
正直、俺も困惑している。
このペンダントはいわば、俺が他国に行くのを阻止しようとせんが為の手綱だ。
本来であればキングスナイツで監視下に置きたかったのだろうが、断られたから仕方なくこういった手段に出たのだろう。
とはいえ、一応は俺の自由を確約してくれているし、こちらにもメリットはあるから、特に拒否する理由はない。
むしろ、下手に返したら変な理由をつけられて、身柄を拘束される可能性だってあるかもしれない。
であればここは一先ず貰っておいて、向こうの出方を窺った方が賢い選択だろう。
「だってさ」
「……もうホント嫌なんだけど、こいつ」
「リュートを見てると努力してるのがバカらしく思えてくるよな……」
「うん……」
「あ、あはは……」
そんな事言われても。
こういうのは巡り合わせだし、仕方なくないか。
と、苦笑いを浮かべていた最中。
魔力探知で魔物らしき反応を感じ取った。
この莫大な魔力量、もしかして……。
「……ん? どこ行くんだよ、リュート。 もう帰んのか?」
「いや、そういう訳じゃないよ。 ただこのまま此処に居たら扉が破壊されそうだから、外に出ておこうかと思ってね。 なんなら皆も来る?」
「「「「…………?」」」」
全員キョトンとしていたが、気になるのか一人も欠けずについてきた。
「なに? 近くに魔物でも居た?」
「まあそんなとこだ、すぐに分かる」
言った通り、そいつはあっという間にリーリンでも感知出来る距離まで接近。
「……この魔力、もしかして……リルちゃん?」
リーリンが呟いた直後、フェンリルことリルが森から飛び出してきた。
「わおーん!」
「うわっ!」
リルは数日ぶりに会えたのが余程嬉しかったのか、俺の胸元に飛び込み、勢い余って押し倒してきた。
痛くはないが、顔を舐めるのはやめて欲しい。
ベトベトする。
『主殿! 主殿! はっはっ!』
「嬉しいのはわかったから離れろ! 臭い!」
「くぅーん……」
ショックを受けたリルは離れると、分かりやすく落ち込んだ。
最初の頃見せていたあの獰猛さは一体どこへ行ってしまったのやら。
今やただの犬っころである。
「リルくん、丁度よかった。 この間約束したボアの干し肉出来たけど、食べる?」
「わん!」
「ほらよ、よく噛んで食うんだぞ」
小屋の裏から持ってきたジャーキーを美味しそうに食べている。
それで良いのか、魔王軍元幹部。
「一応こいつ、フェンリルの筈なんだけどな……」
「こうして見てると、普通の犬だよね。 犬っていうか、狼かな?」
「ほんとにな。 ……そういえば随分魔力感知が上手くなったな、リーリン。 前より精度が上がったんじゃないか?」
「うーん、そうかなぁ。 リルくんの魔力は膨大だからすぐわかるけど、普通の魔物だと見過ごしちゃうことが結構あって…………これからも精進しないと」
十分頑張ってると思うけど、わざわざ水を差す必要はないか。
上達するに越した事はないし。
「応援してるよ、頑張って」
「うん、期待に応えられるように頑張るね」
「……にしても、いつまで食ってんだよ、あいつは。 おい、リル。 いい加減こっち来い。 少し話がある」
呼ばれたリルは急いで飲み込むと、皆から離れてた俺の元へやってきた。
『いかがなさいましたか、主殿』
「ああ、実は王都でちょっとした噂を耳にしてな。 その噂ってのは、まあ端的に言うと帝国との戦争に関係ある事なんだが……何か心当たりはないか? あれば教えてくれ。 一応耳に入れておきたい」
『帝国との戦争、ですか。 いえ、特に心当たりは……』
俺の思い違いだったか?
もし帝国が進軍してくるなら国境となっている、すぐそこの山だと予想していたのだが。
だとしたら残された選択肢は海を越えてくるルートしか無いが、あそこには俺の忠実なる僕、リヴァイアサンことネッシーくんが護っている。
いくら帝国が血気盛んだとはいえ、わざわざリヴァイアサンを相手取るような真似をするだろうか。
『ですが、一つだけ妙な事が……』
「妙な事?」
『実はこのところ山賊の数が異常に増えているようなのです。 話によると、近隣の村の幾つかはそいつらに占拠されたとか』
「……!」
このタイミングで山賊の増加と暴徒化、か。
どうにもキナ臭いな。
戦争を画策している帝国から逃げてきた帝国民や占拠された村から逃げ延びた村人が暴徒化した、とも考えられるが、メリルを襲った山賊の件もある。
ここは慎重に慎重を期した方が良いかもしれない。
「リル、そいつらが何者か出来るだけ早く調べろ。 なんだか嫌な予感がする」
『承知いたしました。 では何かわかり次第、ご報告致します』
そう言い残し、リルは暗闇へと姿を消していった。
頼んだぞ、影の円卓騎士団の皆。
何かが起きる前に。
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