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入院2〜3日目

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入院2日目。

「おはよう、ヒカルちゃん!

 今日から早速検査を受けてもらうわ。

 何かあれば先生に言うのよ。それか、私も居られる時間はなるべく一緒にいるからその時は呼んでね。

じゃあ行きましょうか。」


今日から検査が始まった。
今日はただの健康診断みたいなのを受けるだけ。
心電図とX線検査が少し苦手。




今日の結果は全てが終了してから出るんだ。


…………

   ……………

結果が届いた。特に異常なし。

毎度のことだけど身長に対して体重が軽すぎると言われた。
別に太り過ぎているわけじゃないのに、先生に「もっとご飯を食べなさい」と注意されてしまった……入院中はちゃんと残さず食べようと思う……うん、出来る限り…




入院3日目。

カウンセリングを受ける為、昔からお世話になっている心療内科の先生のお部屋に向かった。

心療内科の先生とお話しするときは、セイ兄が付いていてくれる。

でも今回は父さんも居てくれるんだ。


「じゃあ行こうか、ヒカル。」

「うん!」

いつも小さいカウンセリングルームを使用しているけど、今回は父さんもいるから隣のカウンセリングルームを使用するんだ。



コンコン

「紫柳 誠です。入っても宜しいでしょうか。」

「どうぞ~」
中から声がしたのでドアを開けて中に入った。

「よく来たね。ヒカルさん。それに誠君も。ヒカルさんは2年ぶりか…大きくなったね。

修司さんもいらっしゃい。いつも通り進めていきますので、どうぞゆっくりしていてください。」

とても人当たりの良い笑みを浮かべながら父さんとも二言ほど話をしていた。

先生は父さんと同じくらいの歳らしい。
でも父さん同様、とてもその年齢には見えなくて、とてもカッコいい先生だ。

序でに妻子持ちだったりする。


「先生。お久しぶりです。

 高校2年になりました。

本日は宜しくお願いします。」


いつも通りの挨拶をしてから全員が椅子に座った。

「じゃあ始めようか」

いつも、この言葉を言うと一気に「医者」
という様なキリッとした表情になる。

「はい。」

それに応える様に僕も表情を引き締めた。


「前回はたまに頭痛がある、よく立ちくらみを起こすって言っていたけど、今はどうかな?」

「えっと…頭痛があるのは変わらないです。でもその時に誰かの声がします。知らないんだけど、聞き馴染みのある声みたいな……すごくあやふやなものですけど…

あと、最近よく寝ちゃっているらしくて…気づいたらソファとかベッドで寝ていて…寝不足っていうわけでも無いと思うんですけどね。


それくらいです。」


「そっか~じゃあその声の内容について話せる範囲でいいから話せないかな?

もちろん苦しくなったら話さなくてもいいし、男の声がする、女の声がするとかでも勿論良いよ。」

「えっと…ショウ兄に話した内容は…

男が何かで誰かを突き刺して…そうしたら赤いシミが出来ていました。

がその誰かをただ見つめているだけで、でもしばらくしてが急に誰かの名前を必死に呼びながら抱いているんです。

そのが僕に似ていて、でももう一人の誰かも僕に似ている。

自分が二人いるみたいに感じたんです。
この夢を見た時。」


「そうなのか……

 少し誠君と修司さんとお話がしたいんだ。
隣の小さいカウンセリングルームにいてもらっていいかな?」

全て聞き終えると、先生は僕にそう言って一緒にカウンセリングルームへ向かった。


「じゃあ、15分~20分程話すけど、ちょっと待っててね。」


うん、と了承の頷きをするとニコッと笑ってからこの部屋を出た。







元号が『令和』になりましたね!!

令和も宜しくお願いします!!
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