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その言葉には驚いていると、メルサがシーツの血を落としながら続ける。
「この国に嫁いできた時は痩せ細り肌はガサガサで髪もパサパサ、そこにサイズの合わない古いデザインのドレスを着ていたそうです。
だからクラスト陛下は自分と子作りをしてくれなかった・・・。
その時の姿が美しくなかったから・・・。
全ては両親と兄弟のせいだと今でも癇癪を起こすらしいです。」
そこまで言った後、メルサの顔は青くなり私のことを慌てて見上げてきた。
「申し訳ございません・・・!!
また喋りすぎました!!!
これも誰も知らないことなので秘密にして頂けますか!?
・・・今日は何故か喋りすぎてしまいます!
ミランダ侍女長からはここで生き抜きたかったら喋りすぎないことだと忠告されているのに・・・。」
「うん、ここだけの話ね。」
笑いながら自分の口の前で人差し指を立てると、メルサは少しだけ驚いた顔をした後に嬉しそうに笑いながら自分も口の前で人差し指を立てた。
それで終わりかと思ったら、メルサは人差し指を立てたまま口をまた開いた。
「ハフリーク殿下にもナンフリーク殿下にも国王の器はありません。
2人ともとてもとても優しい方ですが、国王の器はありません。
あるとすればあとはステル殿下だけ。」
そんなことを言い出したメルサには驚いたけれど、メルサは口の前に人差し指を立てたままゆっくりと立ち上がった。
「ステル殿下はクラスト陛下とエリナエルの間に生まれた皇子です。」
「そうなのかな?
ステル殿下は違うみたいなことを言ってたけど。」
「いいえ、間違いありません。
避妊薬は飲んでいましたがクラスト陛下とエリナエルはエリナエルが16歳になった時から恋人関係でしたから。」
「そうだったの!?
クラスト陛下って不能じゃなかったんだ!?」
「はい、そう聞きました。
マルチネス王妃が嫁いでくることになり2人の関係は終わったそうですが、マルチネス王妃がハフリーク殿下を出産し、それからしばらくしたタイミングでエリナエルの嫁ぎ先を親が見付けてきたことにより侍女を辞めることになりました。
そしたらそれを何処かから聞いたクラスト陛下が・・・」
口の前に人差し指を立てたままメルサは続けていく。
誰も知らないであろう話を続けていく。
それでも噂話や嘘とは思えないのは、メルサの濃い水色の瞳があまりにも力強い目をしているから。
「クラスト陛下が、エリナエルを勢いのまま求めてしまったそうです。ここで。」
「ここで?」
「はい、この場所で。
夜遅い時間に騎士や側近や侍女に協力をして貰ったクラスト陛下は、ここで最後にと思いエリナエルと夜の闇に紛れて会いました。
そして最後に少しだけ話してお別れの挨拶をし、エリナエルが先に部屋に戻ろうとした時・・・クラスト陛下がエリナエルを追い掛け、求めてしまったそうです。」
「じゃあ、本当にステル殿下はクラスト陛下とエリナエルの子どもなんだ?」
「はい、間違いありません。」
そう断言をするメルサに頷きながら、私も口の前に人差し指を立てたまま聞く。
「何で私にそんな話をしてくれたの?」
私が聞くとメルサは真剣な顔で口を開いた。
「黒髪持ちで生まれたステル殿下の聖女様なので。」
「メルサはステル殿下側の人間なんだ?」
「いえ、私はステル殿下側の人間ではありません。」
そんな返事には首を傾げると、メルサは優しい顔で笑った。
「ですが、ステル殿下は私にとってとても大切な方です。」
「この国に嫁いできた時は痩せ細り肌はガサガサで髪もパサパサ、そこにサイズの合わない古いデザインのドレスを着ていたそうです。
だからクラスト陛下は自分と子作りをしてくれなかった・・・。
その時の姿が美しくなかったから・・・。
全ては両親と兄弟のせいだと今でも癇癪を起こすらしいです。」
そこまで言った後、メルサの顔は青くなり私のことを慌てて見上げてきた。
「申し訳ございません・・・!!
また喋りすぎました!!!
これも誰も知らないことなので秘密にして頂けますか!?
・・・今日は何故か喋りすぎてしまいます!
ミランダ侍女長からはここで生き抜きたかったら喋りすぎないことだと忠告されているのに・・・。」
「うん、ここだけの話ね。」
笑いながら自分の口の前で人差し指を立てると、メルサは少しだけ驚いた顔をした後に嬉しそうに笑いながら自分も口の前で人差し指を立てた。
それで終わりかと思ったら、メルサは人差し指を立てたまま口をまた開いた。
「ハフリーク殿下にもナンフリーク殿下にも国王の器はありません。
2人ともとてもとても優しい方ですが、国王の器はありません。
あるとすればあとはステル殿下だけ。」
そんなことを言い出したメルサには驚いたけれど、メルサは口の前に人差し指を立てたままゆっくりと立ち上がった。
「ステル殿下はクラスト陛下とエリナエルの間に生まれた皇子です。」
「そうなのかな?
ステル殿下は違うみたいなことを言ってたけど。」
「いいえ、間違いありません。
避妊薬は飲んでいましたがクラスト陛下とエリナエルはエリナエルが16歳になった時から恋人関係でしたから。」
「そうだったの!?
クラスト陛下って不能じゃなかったんだ!?」
「はい、そう聞きました。
マルチネス王妃が嫁いでくることになり2人の関係は終わったそうですが、マルチネス王妃がハフリーク殿下を出産し、それからしばらくしたタイミングでエリナエルの嫁ぎ先を親が見付けてきたことにより侍女を辞めることになりました。
そしたらそれを何処かから聞いたクラスト陛下が・・・」
口の前に人差し指を立てたままメルサは続けていく。
誰も知らないであろう話を続けていく。
それでも噂話や嘘とは思えないのは、メルサの濃い水色の瞳があまりにも力強い目をしているから。
「クラスト陛下が、エリナエルを勢いのまま求めてしまったそうです。ここで。」
「ここで?」
「はい、この場所で。
夜遅い時間に騎士や側近や侍女に協力をして貰ったクラスト陛下は、ここで最後にと思いエリナエルと夜の闇に紛れて会いました。
そして最後に少しだけ話してお別れの挨拶をし、エリナエルが先に部屋に戻ろうとした時・・・クラスト陛下がエリナエルを追い掛け、求めてしまったそうです。」
「じゃあ、本当にステル殿下はクラスト陛下とエリナエルの子どもなんだ?」
「はい、間違いありません。」
そう断言をするメルサに頷きながら、私も口の前に人差し指を立てたまま聞く。
「何で私にそんな話をしてくれたの?」
私が聞くとメルサは真剣な顔で口を開いた。
「黒髪持ちで生まれたステル殿下の聖女様なので。」
「メルサはステル殿下側の人間なんだ?」
「いえ、私はステル殿下側の人間ではありません。」
そんな返事には首を傾げると、メルサは優しい顔で笑った。
「ですが、ステル殿下は私にとってとても大切な方です。」
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