57 / 168
3
3-18
しおりを挟む
「こんにちは!何してるの?洗濯?」
侍女の背中に声を掛けると、侍女はビクッと大きく身体を動かしていた。
それからゆっくりと私の方を振り向いてきて・・・
「あ・・・聖女様、カルティーヌ姫でいらっしゃいますね?」
私のことを見ただけでそう言って、慌てて立ち上がりお辞儀をしている。
「うん、カルティーヌ。
洗濯中にごめんね?続けながらでいいよ。
名前は?」
「はい、ありがとうございます。
メルサと申します。」
メルサは濃い水色の目をした女で、歳は20歳を超えているように見える。
剣を持たせたら強くなりそうな女で、華奢なその身体が勿体無いとまで思った。
メルサはその華奢な身体でまたしゃがみ、大きな桶で洗濯をしているようだった。
「カルティーヌ姫とステル殿下がお怪我をされたとエミリア侍女長から聞きまして。
今血が付いたシーツとクロスを手洗いしている所です。」
「あ、ごめんごめん。
どっちも私の処女膜が原因の血だ。」
「え・・・ですが、初夜は無事に迎えられたはず・・・。
昨日もシーツを洗いましたし・・・。」
「聞いてよ、聖女になると処女膜まで再生されるんだけど。」
私の言葉にメルサは驚き、それから可愛いらしい笑顔で笑い始めた。
インソルドでもこの王宮に来てからも色んな女と出会ったけれど、誰かに対して“可愛い”と思ったのはこれが始めてだった。
「それは子作りが大変そうですね?」
「いや、結構大丈夫そう。
ステル殿下との子作りは順調過ぎて何人も子どもが出来ちゃいそう。
何か物凄く気持ちよくて受け入れちゃうんだよね。」
「国王に近い王族の性器はそのようになっているらしいですね。」
「そうなの!?それは初めて知った!!」
「・・・私から聞いたということは秘密にして頂けますか?
申し訳ございません、喋りすぎました。」
「誰から聞いた話なの?
みんな知ってること?」
「いえ・・・本当だったら知れないことでして。
たまたま知れる機会があっただけで・・・。」
これ以上聞いたら可哀想な気持ちにもなったので、それ以上は聞かないで話を変える。
「でも、子どもの人数は1人の女につき3人までだからね。
それ以上子どもを妊娠すると身体へのリスクが大き過ぎるからって。」
「そうですね、母体のことを考えて2人以上は産まないようにするのが一般的ですね。」
「だから王族では正室も側室も何人でも作ってもいいってなってるのかな?
国王の器がある子どもが生まれる確率を上げる為に。」
「どうなのでしょう・・・。
昔は政略結婚の方が当たり前で、本当に好きな方を側室に迎えることはあったそうですね。
それで当たり前ですけど正室から虐げられていたそうですよ?」
「どっちの子どもが次の国王に選ばれることになるんだろう?」
「女性の階級が高い子どもの方が次の国王に選ばれていたようですね。」
「そうなんだ・・・。
ステル殿下は侍女の子どもだから国王に選ばれるはずないのか。
その侍女の生まれは?」
「平民中の平民ですね。
親は天地が引っくり返るほど驚いたそうです。」
「そうなんだ・・・。
じゃあ本当なら第1皇太子か第2皇太子が次の国王になるはずなのか。
その2人の母親は隣国の姫だしね。」
「そうですね、親兄弟から虐げられていた出来損ないの姫だったらしいですけど。」
侍女の背中に声を掛けると、侍女はビクッと大きく身体を動かしていた。
それからゆっくりと私の方を振り向いてきて・・・
「あ・・・聖女様、カルティーヌ姫でいらっしゃいますね?」
私のことを見ただけでそう言って、慌てて立ち上がりお辞儀をしている。
「うん、カルティーヌ。
洗濯中にごめんね?続けながらでいいよ。
名前は?」
「はい、ありがとうございます。
メルサと申します。」
メルサは濃い水色の目をした女で、歳は20歳を超えているように見える。
剣を持たせたら強くなりそうな女で、華奢なその身体が勿体無いとまで思った。
メルサはその華奢な身体でまたしゃがみ、大きな桶で洗濯をしているようだった。
「カルティーヌ姫とステル殿下がお怪我をされたとエミリア侍女長から聞きまして。
今血が付いたシーツとクロスを手洗いしている所です。」
「あ、ごめんごめん。
どっちも私の処女膜が原因の血だ。」
「え・・・ですが、初夜は無事に迎えられたはず・・・。
昨日もシーツを洗いましたし・・・。」
「聞いてよ、聖女になると処女膜まで再生されるんだけど。」
私の言葉にメルサは驚き、それから可愛いらしい笑顔で笑い始めた。
インソルドでもこの王宮に来てからも色んな女と出会ったけれど、誰かに対して“可愛い”と思ったのはこれが始めてだった。
「それは子作りが大変そうですね?」
「いや、結構大丈夫そう。
ステル殿下との子作りは順調過ぎて何人も子どもが出来ちゃいそう。
何か物凄く気持ちよくて受け入れちゃうんだよね。」
「国王に近い王族の性器はそのようになっているらしいですね。」
「そうなの!?それは初めて知った!!」
「・・・私から聞いたということは秘密にして頂けますか?
申し訳ございません、喋りすぎました。」
「誰から聞いた話なの?
みんな知ってること?」
「いえ・・・本当だったら知れないことでして。
たまたま知れる機会があっただけで・・・。」
これ以上聞いたら可哀想な気持ちにもなったので、それ以上は聞かないで話を変える。
「でも、子どもの人数は1人の女につき3人までだからね。
それ以上子どもを妊娠すると身体へのリスクが大き過ぎるからって。」
「そうですね、母体のことを考えて2人以上は産まないようにするのが一般的ですね。」
「だから王族では正室も側室も何人でも作ってもいいってなってるのかな?
国王の器がある子どもが生まれる確率を上げる為に。」
「どうなのでしょう・・・。
昔は政略結婚の方が当たり前で、本当に好きな方を側室に迎えることはあったそうですね。
それで当たり前ですけど正室から虐げられていたそうですよ?」
「どっちの子どもが次の国王に選ばれることになるんだろう?」
「女性の階級が高い子どもの方が次の国王に選ばれていたようですね。」
「そうなんだ・・・。
ステル殿下は侍女の子どもだから国王に選ばれるはずないのか。
その侍女の生まれは?」
「平民中の平民ですね。
親は天地が引っくり返るほど驚いたそうです。」
「そうなんだ・・・。
じゃあ本当なら第1皇太子か第2皇太子が次の国王になるはずなのか。
その2人の母親は隣国の姫だしね。」
「そうですね、親兄弟から虐げられていた出来損ないの姫だったらしいですけど。」
8
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
夫が大人しめの男爵令嬢と不倫していました
hana
恋愛
「ノア。お前とは離婚させてもらう」
パーティー会場で叫んだ夫アレンに、私は冷徹に言葉を返す。
「それはこちらのセリフです。あなたを只今から断罪致します」
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
出来損ないの王妃と成り損ないの悪魔
梅雨の人
恋愛
「なぜ助けを求めないんだ?」
あの時あなたはそう私に問いかけてきた。
「あなたの手を取ったらあなたは幸せになれますか、嬉しいですか?」
私がそう問いかけたらあなたは手を差し伸べくれた。
「お前は充分苦しんだ。もう充分だ。」
私をまっすぐに見てくれるあなた、帰る場所を私に与えてくれたあなたについて行きたい、その時、そう心から思えた。
ささやかな毎日を与えてくれるあなたのおかげでようやく私は笑うことも冗談も言えるようになったのに、それなのに…私を突き放したひとがなぜ今更私に会いに来るのですか…?
出てくる登場人物は皆、不器用ですが一生懸命生きてります(汗)
完璧な空想上(ファンタジーよりの)話を書いてみたくて投稿しております。
宜しければご覧くださいませ。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】無能に何か用ですか?
凛 伊緒
恋愛
「お前との婚約を破棄するッ!我が国の未来に、無能な王妃は不要だ!」
とある日のパーティーにて……
セイラン王国王太子ヴィアルス・ディア・セイランは、婚約者のレイシア・ユシェナート侯爵令嬢に向かってそう言い放った。
隣にはレイシアの妹ミフェラが、哀れみの目を向けている。
だがレイシアはヴィアルスには見えない角度にて笑みを浮かべていた。
ヴィアルスとミフェラの行動は、全てレイシアの思惑通りの行動に過ぎなかったのだ……
主人公レイシアが、自身を貶めてきた人々にざまぁする物語──
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
全部、支払っていただきますわ
あくの
恋愛
第三王子エルネストに婚約破棄を宣言された伯爵令嬢リタ。王家から衆人環視の中での婚約破棄宣言や一方的な断罪に対して相応の慰謝料が払われた。
一息ついたリタは第三王子と共に自分を断罪した男爵令嬢ロミーにも慰謝料を請求する…
※設定ゆるふわです。雰囲気です。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる