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「夏生、おいでよ。」




シューが自分の右手を、椅子に座るわたしに差し出す。
私は、左手をソッとシューの右手に重ねる。




肌の色はシューの方が白いけど・・・




大きくて筋肉質だった私の手は、この1ヶ月半で随分と柔らかく、指もほっそりとした。





その手を、シューが優しく引き、立たせてくれる。





「うん、凄くいいよ。」




シューがそう言ってくれ、お店の大きな鏡に映る私を見る。





さっき切ってくれ染めた髪の毛のお陰で、
もっと顔が明るくなり透明感を増した肌、
ダボっとした黒のノースリーブから見える、筋肉は残っているけど柔らかさも張りもあるような腕がスラッと伸びて、
ノースリーブに浮き出る胸は、程よい位置で大きめに膨らみ、
ダボっとしているノースリーブでも、きちんと腰がくびれているのも分かる。
そこに、随分と緩くなったジーパン姿の私。





「完全に女の子なのに、服は男の子っぽいアンバランスな感じも、より色っぽく感じるよね?」





私の隣に立って、誰よりも可愛い顔のシューが満足そうに私を見る。





「シュー・・・ありがとう。」





この1ヶ月半、シューを信じて、「可愛い女の子になる」ため、真剣に取り組んだ。





「夏生が頑張ったんだよ。
俺は、応援しただけ。
これから、仕上げに入ろう。」
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