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2時間後



「ねぇ、だからどこに行こうとしてるのか教えてよ!!
カーナビに入れちゃうから!!」



「うるせーな!!!
俺これ嫌いなんだよ!!!
何でも分かるからって調子に乗りやがって!!!」



「それがカーナビという物でしょ!?
途中で高速を降りた方が早いかもしれないしさ!!」



私は朝人を説得し続けながら、カーナビの地図の範囲を移動させていく。
この先の道は真っ赤に塗られているカーナビの地図、まだまだこの高速道路は渋滞しているらしい。



「どこのどいつだよ!!
事故なんて起こしやがって!!!
空いてる時ほど事故を起こしやすいから調子乗らずに運転するのなんて常識だろ!!!」



「起きちゃったものに文句言っても仕方ないから!!
次で下降りてみたら?」



「どうせみんな同じこと考えてるから下も混んでるだろ!!
事故の所を通りすぎたらこっちの方が早いはず!!」



「・・・こっちの道も赤くなってるから、こっちでも何かあったんじゃない?」



「・・・どこのどいつだよ!!
二度と車運転するんじゃねーよ!!!」



「ねぇ、口悪すぎだから!!」



「あ~・・・イライラしてきた!!!」



「2時間前からイライラしてたじゃん!!」



「それはイライラするだろ!!!
こんっっっなに・・・」



朝人が怒り続けたまま前を指差した。



「動かねーんだぞ!!!?
こっちは何時に出てきたと思ってんだよ!!!
高速入ったしょっぱなから事故起きまくりだろ!!!!
一体何人死んだんだよってくらい渋滞過ぎるだろ!!!」



約2時間、朝人はずっとこんな文句を言い続けている。



「だからどこに行こうとしてたの?
次で降りて別の所に行く?」



「別の所っていっても、ここまで粘って・・・」



朝人がそこまで言い掛けた時、車が少しずつ動き出した。



「だな、別の所行くか!!!
夢の国は本番のデートで連れていってもらえ!!!」



「え!?夢の国だったの!!?あの!!?
待って待って、夢の国に行きたい!!!」



「もう遅い!!!」



朝人がそう言って、高速道路を降りてしまった。
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