【完】ムラムラムラモヤモヤモヤ今日も秘書は止まらない

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1人だけ立っていた色男先輩が、私を見下ろしている。




「“資格”をあげればいいんじゃない？
1番気にしているのは、“資格”のことみたいだったし。」



「何の“資格”を・・・？」



「そこまでは俺は分からないけど・・・。
“美マネ”なら、見付けてあげられるんじゃない？」



「私に・・・見付けられますか？」



「野球部の“マネージャー”として、サポートと応援は素晴らしいから。
加瀬君の“彼女”としても、サポートと応援が出来ると思うけど。」




まだ、ちゃんとした“彼女”じゃないけど出きるかな・・・。




まだ・・・ちゃんとした“彼女”じゃないけど・・・。





そう思った時、気付いた・・・。





ボロボロの心でも・・・勝也はあの日・・・私を2年後に“彼女”にしようとしてくれていた。
そう、覚悟をしてくれていた。





きっと、沢山悩んでいたはず・・・。






それなのに、覚悟を決めてくれていた・・・。






私は涙を拭いて、深呼吸をする・・・。







そして、オジサンの両手を取り、2人で立ち上がった。






茫然としているオジサンを見ながら、宣言する。






「潰させない。
私が絶対に、勝也を潰させないから。
絶対に、勝也を負けさせない。」






オジサンの瞳が揺れている・・・






その瞳を捉えながら、見詰め返す・・・。







「今度は・・・次は、私がバッターボックスに立つ・・・ピッチャーにもキャッチャーにもなる、守備にだってなる。」







色男先輩を見てから・・・笑う。







「でも・・・代打は色男先輩には負けてしまうと思います。
今回も、確実に打てましたね・・・。
本当に・・・ありがとうございます。」