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「疲れてる?」



社会人5年目に入ったばかりの5月。
ホテルで隣にいる“彼女”に聞かれた。



この子もすごく一般的な子で・・・
2人目の“彼女”と同じような感じだった。



2人目の彼女は、高校3年生の時に同じクラスで・・・
“一般的なこと”を教えてくれた子だった。



高校生活が終わる頃、俺によく言っていた。
「“資格”もないのにレストランの料理人だと不安定だ」と・・・。
それは、俺もずっと思っていたことだった。



あの子の中に入れてしまいたかった時、“資格”のない俺には一生出来ないと改めて思った・・・。



何でもいいから、何か欲しかった・・・。
あの子の“彼氏”になれなくてもいいから、想いを伝えられなくてもいいから・・・。
少しでも、あの子の隣にいても許されるくらいの、そんな“資格”が欲しかった・・・。



そんな悩みがお見通しだったようで、オーナーから紹介された企業。
かなり大きなグループ会社のうちの1つの会社。



そこだけが、高卒でも働ける会社だった。
大きな会社だし、給料も安定していて・・・すごく、ちゃんとしていると思った。



こんな会社でちゃんと働いている男だったら、もしかしたら・・・あの子の隣にいることが許されるかもしれないと、思った・・・。
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