【完】FUJIメゾン・ビビ～インターフォンを鳴らして～

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翌朝・・・



鼻歌を歌いながら、シャワーを浴びていく。
途中で鼻歌どろか熱唱していたことに気付いたけど、熱唱し続けた。



シャワーのお湯を止め、お風呂の扉を勢い良く開け、洗面所に出る頃にはまた鼻歌を・・・。



秋になってきたので、サッパリしたボディークリームから少しだけコッテリしたボディークリームを塗っていく。



洗面所の鏡で、自分の身体を何度も捻りながら確認をしていく。
自分でも惚れ惚れするくらい、良い身体・・・だったのが、約2ヶ月ですっかりしぼんでしまった・・・




その身体に、真っ黒のブラジャーとティーバッグを着ていく・・・。
この瞬間は、2番目に好きな瞬間だったけど、やっぱりしぼんでしまった身体には気分が上がらない。




深い緑色のワンピース・・・あまり身体のラインが分からない物を着て、まとめていた髪の毛を広げた。
あんなに綺麗に茶色く染まっていた髪の毛も、根元の黒い部分が伸びてきて、毛先は色が落ち金髪のようになっていた・・・。




あの人と会えなかった間、あんなに大好きだった気分を上げる物も、何も出来なかった・・・。




「1人じゃ、立っていられないわね・・・。」




これまでどうやって1人で立っていたのか、忘れてしまった・・・。




あの人がいないで、どうやって1人で立てばいいのか、もう分からなくなっていた・・・。




そんなことを思いながら、鼻歌を歌い、私のキャンバスに彩りを与えていく・・・




これが、私の1番大好きな瞬間・・・。




「また“老婆”って言われちゃうわね。
明日は美容院に行きましょう。」