【完】FUJIメゾン・ビビ～インターフォンを鳴らして～

3

3-3

私は小さなダイニングテーブル、1脚しかない椅子に腰を掛ける。
優男が私の前にシャンパングラスを置き、ワインクーラーの中に入ったボトルもダイニングテーブルに置いた。
ワインクーラーの中の氷を眺めながら、シャンパンを一口だけ口に含む。




そのタイミングで、テーブルの上に生ハムやチーズ、バケットやクラッカーなど・・・手際よく置かれる・・・。




「ありがとう・・・。」



「こんな物しかありませんが。」



「充分よ。」




よく光るフォークを手に取り、それを眺めた・・・。




優男の気配を感じずリビングを見渡すと、1人掛けのソファーに座り本を読んでいる。




スーツを脱いだのに、また白の長袖シャツを着ていてパンツも黒・・・。
私の存在を無視して、気配を消しながら本を読んでいる・・・。