171 / 202
11
11-22
しおりを挟む
「え、先生・・・まだいるの?」
悠ちゃんが久しぶりにタメ語になり、それに嬉しくて笑った。
缶ビールを1本呑んだだけなのに・・・少し酔ったように思う。
今まで酔ったことがないので分からないけど、恐らく酔っていると思う。
「もう少しだけ。
“花火”は・・・?」
これまで動物に何かの感情を抱いたことはなかったけど、悠ちゃんがあまりにも大切そうにずっと抱いているので、俺も“花火”がどんどん大切なモノに思えてきた。
悠ちゃんが抱いたまま俺に“花火”を見せてくれて・・・
“花火”が閉じていた目を少しだけ開け・・・俺を見たように思った。
「少しだけ抱いてもいいかな・・・?」
なんでか分からないけど抱きたくなった。
犬もネコも抱いたことはないけど、無性に抱きたくなった。
悠ちゃんが“花火”に声を掛け、俺の腕の上にのせてくれた・・・。
軽かった・・・。
“花火”は軽かった・・・。
でも、温かくて・・・。
そして、重かった・・・。
軽いのに重かった・・・。
とても、重かった・・・。
「先生、ネコ好きだったの・・・?」
悠ちゃんがまたタメ語で俺にそう聞いてくる・・・。
“先生”でもなんでもない姿だからかもしれない・・・。
俺があまりにも泣いているから・・・。
嗚咽まで出て泣いているから・・・。
悠ちゃんが久しぶりにタメ語になり、それに嬉しくて笑った。
缶ビールを1本呑んだだけなのに・・・少し酔ったように思う。
今まで酔ったことがないので分からないけど、恐らく酔っていると思う。
「もう少しだけ。
“花火”は・・・?」
これまで動物に何かの感情を抱いたことはなかったけど、悠ちゃんがあまりにも大切そうにずっと抱いているので、俺も“花火”がどんどん大切なモノに思えてきた。
悠ちゃんが抱いたまま俺に“花火”を見せてくれて・・・
“花火”が閉じていた目を少しだけ開け・・・俺を見たように思った。
「少しだけ抱いてもいいかな・・・?」
なんでか分からないけど抱きたくなった。
犬もネコも抱いたことはないけど、無性に抱きたくなった。
悠ちゃんが“花火”に声を掛け、俺の腕の上にのせてくれた・・・。
軽かった・・・。
“花火”は軽かった・・・。
でも、温かくて・・・。
そして、重かった・・・。
軽いのに重かった・・・。
とても、重かった・・・。
「先生、ネコ好きだったの・・・?」
悠ちゃんがまたタメ語で俺にそう聞いてくる・・・。
“先生”でもなんでもない姿だからかもしれない・・・。
俺があまりにも泣いているから・・・。
嗚咽まで出て泣いているから・・・。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
優しい微笑をください~上司の誤解をとく方法
栗原さとみ
恋愛
仕事のできる上司に、誤解され嫌われている私。どうやら会長の愛人でコネ入社だと思われているらしい…。その上浮気っぽいと思われているようで。上司はイケメンだし、仕事ぶりは素敵過ぎて、片想いを拗らせていくばかり。甘々オフィスラブ、王道のほっこり系恋愛話。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる