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俯きながら、両手で持つ缶ビールを眺める。
どんな答えが帰ってくるのか少しだけ怖かった。



「1人でもしっかり生きていけるところだね。」



そんな答えが先生から返ってきて、それには驚いて顔を上げた。



「そうですか?私そんな感じ?」



「そんな感じしかしないよね。
凄い強いし。しっかりしてるし。」



「先生の方が強いし、しっかりしてるじゃないですか。」



「そう見せてるだけだよ。
そう見せるのが上手いだけだよ。
お金持ちの家に生まれて、何の不自由もなく育って、心がそんなに強いわけないよね。」



そう言われ・・・また下を向いた。



「悠ちゃんのことが凄い好きなんだよね。
凄い好きだから、花火の音が終わるまで抱き締めていたい。」



先生が自分の缶ビールをローテーブルに置き、ゆっくりと優しく私を抱き締めてきた。
私が両手に持つ缶ビールごと抱き締めてきた。



「でも、それ以上に・・・」



片手で私の缶ビールを先生が取り上げローテーブルに置いた。
そして、苦しそうな顔で私を見詰める・・・。



凄い、苦しそうな顔で・・・。




「俺の方が7歳も年上だし男だし、きっと俺の方が先に死ぬから。
俺の花火の音が終わるまで、抱き締めて欲しい。」




先生が・・・
いつも冷静で信頼出来て頼りになる先生が・・・
私にそんなことを言った・・・。
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