【完】ソレは、脱がさないで

Bu-cha

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お姫様のような、魔法使いのような女の子達とトイレで別れた後、魔法がかかった自分の顔をしばらく鏡で見ていた。



それでも、妹と違って何の特徴もない私の顔は、やっぱりぼやけていて・・・
最後は苦笑いをし、鏡に背を向け歩きだした・・・。



そして、一人暮らしの部屋の最寄り駅に着き、出口に向かうと・・・雨が降っていた。



「梅雨・・・明けたのにな・・・。」



出口の所で、シトシトと降っている雨を見上げる。
鞄から折り畳み傘を出し、ゆっくりと広げた時・・・



シトシトと降っていた雨が勢いを増し、ブワッと風が吹き・・・



雨が横に流れるのを目で追うと・・・



出口の隅に立ち、空を見上げている・・・



“王子”が、いた・・・。
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