【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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“女友達”の瞳ちゃんからそう言われ、あたしは少し考えた。
でも少しだけ・・・。



「3回も偶然会うことが出来て3回もキスしてもらえて、そこまでくると偶然でも間違いでもないように思っちゃうね！！」



「私もそう思っちゃいます！
それに、あの真坂部長がって・・・。
あの人が間違えてキスするってよっぽどですよね？
明ちゃんのお兄さん、顔は確かに明ちゃんに似てましたけど・・・動作や仕草は“社長”に似てますよね？
普段の口調は雷さんに似ていますし・・・。」



「“取締役”は“社長”のことも“秘書”のことも大好きなんだよね。」



「明ちゃんの動作や仕草はなんとなく紅葉さんや“アヤメ”さんに似ているので、何を間違えたのか・・・」



瞳ちゃんが言葉を切った後、少し笑いながら
あたしを見た。



「まず、明ちゃんのお兄さん・・・“社長”や雷さん、剛士君と同じように筋肉隆々ですし・・・。」



「そうだよね～・・・。
でも、海では酔ってたし暗かったし、今日のは“仲直り”と“勉強”だったからな～・・・。」



「あの・・・“男女の友達”って、そういうこともするんですかね・・・？」



「まあ・・・そういうことしてる人達もいるんじゃない？」



「それは・・・勉強になりました・・・。
でも、あの真坂部長が・・・っていうのはビックリです。」



「あんなに死にそうな空気の中でされてもね～・・・。」



「なんでそんなに死にそうな空気なんですかね？」



「“取締役”とは連絡も出来ないし会えないのに、顔がソックリな“妹”のあたしとこんなことになってる自分がイヤなんじゃない？
それか、“取締役”とあたしに申し訳ない気持ちとか？」



「結構激しい“顔”も持っている方なんですかね？
私にはいつ見ても表情が1ミリも変わらない方にしか見えなかったので・・・。」



「それはあたしも思った・・・。
でも、それくらい“取締役”のことが好きなのかなとも思った。」



「そうですか・・・。
真坂部長が、“取締役”のことが・・・。
“取締役”・・・“取締役”ですか、明ちゃんのお兄さん“取締役”ですか・・・。」