【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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25歳 3月末



「明、本当に綺麗なったよな！！」



「ある日急に“女らしくなったな”と思ったら、見る度に“女”になってきて・・・今じゃこんなに美人になってな～！！」



今日もフレンチトーストを食べていたら、よく飲みに行く営業部の数人が同じテーブルに座ってきた。
それに明るく楽しく笑った。



「それなのに、あたしの扱いなんなの～！？
誰も女として見てないでしょー！？」



「それはそうだろ！！
今だから言うけど、最初は完全に男だったからな！？
明は男であると俺の脳は判断してるから、“女”として扱うのも何か違うんだよ！！」



「“男友達”から“女友達”になんとかシフトしてる段階だから、まだ“女”としては難しいんだよ！！
もう少し掛かるから、ごめんな！！」



この会社の人達は良い男も良い女も多いと思う。
でも、大きな会社だからこそ古い血も流れているし欠陥も詰まっている。



お昼休みが終わる直前、女子トイレに入った。
そしたら50歳前の女の人・・・グループ会社のブライダル会社に所属している女の人がつらそうな空気を出していた。



流水で両手を時間を掛けて洗っていて、しんどそうな空気。
話し掛けて欲しくなさそうな空気だし、ブライダルは違うフロアなのにわざわざこのフロアのトイレにいる。



凄い気になったけど、空気を読んで話し掛けるのをやめようと思った。



そしたら・・・



「あなた・・・木葉さんだよね！？」



と、凄い怒っている空気を出しながら鏡越しに話し掛けてきた。